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ペロブスカイト太陽電池

2015年07月22日 | 太陽光発電

  老化現象で覚えるのも難しいので書いたことも忘れていたと書いた、第5666回の「日本発の新型太陽電池に脚光」で取り上げたペロブスカイト太陽電池の話題がありました。今度は、まだこれは確か以前にあったなと、覚えていました。  

  ITmediaより   2015年06月25日

  注目集める“太陽電池ペロブスカイト”:低温・溶液プロセスで高効率、高信頼性の新型太陽電池の作製に成功
  次世代太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池を低温・溶液プロセスを用いながら、従来よりも高い変換効率、信頼性を実現したと物質・材料研究機構が発表した。[竹本達哉,EE Times Japan]

  物質・材料研究機構(NIMS)のナノ材料科学環境拠点 ペロブスカイト太陽電池特別推進チームは2015年6月、新型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を低温、溶液プロセスを用いて作成することに成功したと 発表した。低温・溶液プロセスの実現により、プラスチックなどの軽量でフレキシブルな基板を用いた太陽電池の製造が可能になるという。

  安価で高効率な新型太陽電池

  ペロブスカイト太陽電池は、灰チタン石(ペロブスカイト)と同じ結晶構造を持つ半導体材料で作成する新しい太陽電池。ヨウ化鉛メチルアンモニウム (CH3NH3PbI3または製法によりCH3NH3PbI3-xClx)がペロブスカイト層として用いられるハロゲン化鉛系ペロブスカイト太陽電池の研 究が進められている。
 
  ペロブスカイト構造 出典:物質・材料研究機構

  このペロブスカイト太陽電池は、比較的安価な方法で作製できること500nmの厚みでほぼ100%の光を吸収できること1V程度とシリコンを用いるな どした他の太陽電池と比べて特に高い開放電圧が得られることなどから、安価で高効率な次世代太陽電池として注目が集まっている。

  耐久性などに課題

  ただ、実用化に向けて多くの課題も抱える。高い光電変換効率が得られるものの、データのばらつきが大きく再現性が低い状態であること電圧掃引方向に よって得られる光電変換効率が異なる現象(ヒステリシス)が観測されるなどし、変換効率が高いということの信ぴょう性も疑問視されていること数回の測定で 素子が劣化するなど耐久性に問題があることも多く、ペロブスカイト材料自体の半導体としての電気特性を正確に評価できていないことなどが課題として存在す る。

  塩素などを添加する新プロセス

  こうした中で、NIMSではこのほど、相互拡散法(Interdiffusion method)と呼ばれるペロブスカイト太陽電池の作製プロセスに塩素を含む材料を添加する新規作製法を開発した。同作製法により、「優れた光電変換効率 と下記の特徴を有するペロブスカイト太陽電池を低温・溶液プロセスにて実現することに成功した」(NIMS)という。
 
  今回開発したペロブスカイト太陽電池の模式図と素子断面の走査型電子顕微鏡写真。ペロブスカイト層で光を吸収し、光励起によって発生した電子と正孔の電荷 は、電子は電子輸送層(PCBM)へ輸送され、正孔は正孔輸送層へ輸送され、電極から取り出されることで電力を得る 出典:物質・材料研究機構

  耐久性、信頼性が向上

  開発した低温・溶液プロセスは、高温熱処理を必要とする金属酸化物膜などが不要で、簡単なスピンコート法を用いることができる。処理温度は、最高でも 140℃、実用上は120℃未満とする。そのため、ペットボトルに用いられるようなプラスチックなどを使った軽量・フレキシブルな太陽電池の製造が可能に なる。
 
  約2時間、連続して光を照射した場合の出力特性グラフ。黒い線が従来プロセスによる素子、赤い線が新プロセスで作製した素子の特性 出典:物質・材料研究機構

  耐久性についても、素子をガラスを用いて封止したところ、通常の室内保管した状態で定期的に性能をチェックしても、2カ月以上にわたり、ほぼ初期の性能 を維持していることが判明した。NIMSは「数十回以上の測定を実施しても、出力特性が劣化することはなく、詳細なメカニズム解析に必要な安定性を十分備 えている素子を作製することに成功した」としている。

  従来の相互拡散法で作製した素子の場合、太陽光に相当する光を照射して2時間後で出力電流に劣化がみられたが、新作製法で作製した素子は同条件でも顕著な劣化はなく、より耐久性が向上したという。

  さらに新作製法による素子では、電流-電圧曲線でヒステリシスは観測されず、「ヒステリシスは電圧掃引速度に依存するといわれているが、電圧掃引速度にも依存しないことがわかった」(NIMS)。
 
  今回開発したペロブスカイト太陽電池の出力特性 出典:物質・材料研究機構

  解析進め、さらなる効率と耐久性を追求へ

  NIMSでは、「優れた耐久性を有する本素子を基に、太陽電池内部におけるペロブスカイト結晶状態やペロブスカイトと接する各電荷輸送層の界面状態につ いて、等価回路モデルやインピーダンス測定などによる解析を進めて性能との相関関係を明らかにし、次世代太陽電池の高効率化と耐久性のさらなる向上に貢献 する」としている。

  相変わらず理論は分かりませんが、研究が進んでいることは確かなようです。しかし、第5666回の記事ではもう変換効率も高く実現は近そうなことを書いていましたが、どうも今回のは変換効率までは書いてないですね。どちらが進んでいるのでしょうか。
  いずれにしても、早く実現化に成功して欲しいものです。長い間、シリコン系から脱却できなかった太陽電池がこれで一気にコストダウンとなればいよいよ太陽光発電の時代です。

期待して良いのでしょうか!


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