インドが中国の一帯一路の作戦を砕く為に動き出したことを、2017年11月30日、第 6633回の「イ ンドは中国パキスタン経済回廊に風穴を開けた」で、とりあげました。
それを書いてくれた何時もの宮崎さんが、産経にも書いてくれています。
産経ニュースより 2017.12.28
【中 国・連鎖地獄 大失敗の一帯一路】中国の前に立ちはだかるインド 「海のシルクロード」は画に描いた餅の様相に
インドのモディ政権は、北東部シッキム州に中国が越境してから、残る回廊の維持に必死だ。「親中派の代表」パキスタンを迂 回(うかい)した海路をイラン東端につなぎ、アフガニスタンへの鉄道を敷設する。(夕刊フジ)
隣接するバングラデシュや、スリランカ、モルディブへの、中国の進出を警戒している。インドを囲む「真珠の首飾り」の外環 を遠巻きにするため、日本や米国、オーストラリアと協議を重ねてきた。
ついにインドが動いた。
西部グジャラート州のカンドラ港から今年秋、パキスタン・カラチ沖合をスルーして、イラン南東部チャーバハール港に小麦1 万5000トンを陸揚げし、それを内陸国家であるアフガニスタンの首都カブールに援助物資として届けたのだ。
ちなみに、グジャラート州は、モディ首相の出身地である。日本が大規模に肩入れしている「インド新幹線」は、同州の最大都 市アーメダバードと、インド最大の都市ムンバイを結ぶ。
前出のカンドラ港から、チャーバハール港への海洋ルートは、従来の貿易ルートでは、細々とした物資の陸揚げしかなかった。 だが、チャーバハール港からイランを北上すれば、アフガニスタンである。
インドからアフガニスタンへ向かう物資は、これまでほとんどパキスタンの最大都市カラチへ陸揚げされた。そこから、中国が 支援する「中国・パキスタン経済回廊」(CPEC)を通じて、パキスタンの首都イスラマバードあたりで分岐し、アフガニスタ ンへ運ばれていた。
だからこそ、インドは「バイパス建設」に熱心なのだ。イラン・チャーバハール港開発プロジェクトに投資し、4つのバースを 完成させた。
このチャーバハール港は440ヘクタール。これまでの年間取り扱い貨物は210万トン。インドが投じた開発投資は8500 万ドル(95億8300万円)。チャーバハール港からイランを北上し、アフガニスタン南西部のザランジへ物資を運ぶルートを 「インド-イラン-アフガン回廊」という。
また、チャーバハール港に隣接する工業団地に、インドは20億ドル(約2250億円)を投資して、鉄鋼プラントなどを立ち 上げた。チャーバハール港の陸揚げ能力は、年間210万トンから850万トンに劇的な向上をみせている。
中国の「海のシルクロード」は、画に描いた餅のような趣になってきた。
■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集 長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に 中国ウオッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書・共著に『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜 社)、『連鎖地獄-日本を買い占め世界と衝突し自爆する中国』(ビジネス社)など多数。
このインドの覚悟が、中国の止めを刺すなんてことになって欲しいものですが、中国も必死のようです。
モルディブに楔を打ち込もうとしているようです。
産経ニュースより 2017.12.27
赤 色に染まる南の楽園モルディブ 中国に傾斜、FTA締結でインド反発
【ニューデリー=森浩】インド洋の島嶼国、モルディブの中国接近が顕著だ。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に参 加し、このほど中国と自由貿易協定(FTA)も締結した。一連の動きに安全保障上も経済上も関わりが深いインドはいらだちを 募らせる。インド洋での覇権争いに直結する重要地点だけに、楽園の島をめぐる中印のつばぜりあいは今後も続きそうだ。
「一帯一路は中小国の発展を後押ししている」
7日に北京を訪問したモルディブのヤミーン大統領は、中国の習近平国家主席とともにFTAの署名式に出席。中国が推進する 政策を褒めちぎった。
習氏もモルディブについて一帯一路の海上ルートでの重要なパートナーだと指摘し、両首脳は満面の笑みを浮かべて握手した。 中国国営新華社通信によると、FTAにより、モルディブが中国から輸入する品目の95・6%が8年以内に、中国がモルディブ から輸入する品目の95・4%が5年以内に、それぞれ関税がゼロになる。
この動きに心中穏やかでないのはインドだ。まだモルディブとFTAを結んでおらず、中国に出し抜かれた格好となった。イン ド外務省は14日、モルディブとインドは「歴史的、文化的に結びつきが強い」と強調した上で、「“インド第一政策”を継続す るのかというわれわれの懸念に対し、(モルディブ側が)敏感であることを期待する」と、遠回しながら中国傾斜に強烈にくぎを 刺した。
モルディブはインドの真南に位置し、中国化が進めば、戦略的に脅かされる可能性がある。「のど元に刃物を突きつけられる格 好になる」(インド紙記者)
また、インドが懸念を深める背景には歴史的経緯もある。1988年にモルディブで大統領に対するクーデター未遂事件が起き た際、インドは陸海空軍1600人を派遣して鎮圧。その後、両国は安全保障上も経済上も密接な関係となった。モルディブの首 都マレには、インドのかつての首相、インディラ・ガンジーの名前を冠した病院も建設されている。
蜜月にすきま風が吹き始めたのは、2013年11月にヤミーン氏が大統領に就任したことがきっかけだ。反インド的なスタン スを取るヤミーン氏は、14年9月に習氏がモルディブを訪問した際に一帯一路への賛意を表明。インドと前政権が決めたインド 企業による空港開発プロジェクトも解除した。15年には憲法を改正して外国人による土地所有を認めたが、中国企業による大規 模な資本投下を念頭に置いた措置だったために批判を浴びた。
“反印親中”の流れが強まる一方で、元大統領ら政敵を相次いで逮捕するなど強権的なヤミーン氏の手法には、野党を中心に反 発が強い。モルディブは来年末に大統領選が行われる予定で、結果によっては流れが変わる可能性もある。
インドの政治評論家、ラメシュ・チョプラ氏は産経新聞の取材に「インドは現状にイライラしながら、選挙結果を待つことにな るかもしれない」と予測している。
■モルディブ インド洋上の約1200の島で構成される島嶼国で、人口約40万人。国教はイスラム教(スンニ派)。主な産 業は観光業と漁業。基本的に1つの島に1つのホテルしか設置できない形式で、旅行先やダイビングスポットとして人気が高く、 2014年は人口の約3倍に相当する120万人が訪れた。国別では中国人観光客が最も多く、年間36万人が訪問している。
嫌な大統領ですね。オーストラリアやインドネシアなどのトップの交代による中国寄りを思い出します。やはり、世界は腹黒いですね。
この攻防で何としても中国を叩き潰したいものですが、果たして、その素晴らしい時が来るのでしょうか。
何としても、中国崩壊を見たい!
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