第2845回で取り上げたドイツの太陽電池メーカーQ-cellsの成長がやはり急速のようです。
【フランクフルト=後藤未知夫】太陽電池生産世界2位の独Qセルズが14日発表した2007年1―6月期決算は、純利益が前年同期の2.1倍にあたる7700万ユーロ(約125億円)に拡大した。太陽電池の基幹部品であるセルの生産・販売が好調で、売上高は前年同期比44%増の3億5000万ユーロに伸びた。
同社は、07年12月通期の売上高が前期比48%増の8億ユーロとなる強気の業績予想を示した。年間生産量は46%増の370メガワットに拡大する見通しで、生産能力の増強にも着手している。
太陽電池業界は、世界首位のシャープなど日本メーカーがリードしてきたが、01年から生産を開始したQセルズは、独政府の代替エネルギー推進策や世界的な太陽電池パネルの需要増を追い風に急成長している。(20:15)
第2451回でも書いたように、創立が1999年で生産開始が2001年だそうです。そして2005年には世界第二位。頑張っているとは言えども国が足を引っ張っているシャープが抜かれるのも時間の問題かもしれません。
昨日の新日鉄の嬉しいニュースもこうしたニュースを見るとなんだかぬか喜びだったような気がします。
その国のバックアップを証明する記事がありました。
…略
「では,なぜQ-Cells社だけが突出して成長を遂げているのか」と聞くと,「ドイツが国策として,太陽電池で発電した電力を高額で買い取っており,ドイツで太陽電池の設置ラッシュが起こっている。地元企業としてこの恩恵を受けていることは確かだ。これに加えて,我々の会社がユニークな点は,セルの生産のみに注力していること。日本メーカーのように,セルからモジュール,システムまで幅広く手掛けることはしない。設備投資をはじめとした経営資源を集中投入できるため,生産能力を短期間に高められる」(Q-Cells社)と述べている。…以下略
なるほど、セルだけの生産に特化しているんですね。それにしても、ドイツと日本のこの差はどうしたものでしょう。
メーカーの力から言えば日本の方が圧倒的に優位だったのに政府の政策の違いでここまで追い上げられたということです。世界のエネルギー大国になる折角のチャンスを逃がした日本政府はいずれ世界の笑い物になるのでしょうか。それとも今からでも政策を変える事が出来るのでしょうか。
どうも望みは無いかも!