2015年12月28日 (月)、第 5930回の「広 がる水上メガソーラー」で、ため池などへのメガソーラーが増えてきたが、フロートはフランス製がシェアーを 押さ えていると書きました。
とは言いながら、日本でも開発に挑戦している企業もあるようです。詳細は分かりませんが、その挑戦を歓迎したいもの で す。
環境イノベーション通信より 2016-03-21
イ ビデン、貯木場跡地に日本最大級の水上フロート式太陽光発電所を建設
水上フロート式太陽光発電所
イビデン(株) 衣 浦事業上貯木場に建設
イビデンエンジニアリング株式会社は、イビデン(株)衣浦事業上貯木場に、日本最大級となる水上フロート式太陽光発 電所 を建設したことを発表した。
年間CO2排出削減量約1,120トン
今回建設された水上フロート式太陽光発電所は、イビデンの自社開発したフロートが使用され、2月15日より発電を開始し てお り、3月14日に竣工式が開催された。
設置された太陽光パネルの枚数は7,680枚で、認定出力は1.99MW、年間予想発電量は一般家庭約660世帯分 の年 間消費電力量に相当する約2,400MWhを見込んでおり、年間CO2排出削減量にすると約1,120トンに相当するとのこ とだ。
今回建設された水上フロート式太陽光発電所の特長としては、フロート架台に水上に設置しても問題ないように腐食に強 い 「高密度ポリエチレン」が使用され、水上フロート式の利点として水による冷却効果が期待できることから、野立型の太陽光発電 施設より5%程度の発電量増加が見込めるとのことだ。
太陽光発電所で発電された電力については電力会社へと売電予定で、イビデングループでは今後も、環境に配慮した事業 に取 り組んでいくとしている。
どんなフロートなんでしょうね。これから、シェアーアップに頑張ってもらいたいものです。
とは言いながら、増える水上型メガソーラーは、まだまだ、フランスの天下のようです。と言うか、これからですね。
それにしても、水上型は増えているようです。
Eco Frontより 2016年1月23日
世 界最大の水上型太陽光発電所建設へ 合同プロジェクト
約180,000平方メートルの水上スペースを利用
京セラ株式会社と東京センチュリーリース株式会社が共同出資する合同会社京セラTCL ソーラーは21日、千葉県市原市の山倉ダムにおいて計画されている大規模水上型太陽光発電施設について、着工に向けた安全祈願祭を執り行ったことを発表し ている。
同発電所は水上設置型としては世界最大規模となる約13.7MWの太陽光発電所で、工業用水専用として運用されてい る山倉ダムの水面約180,000平方メートルを利用して設営される予定となっている。
年間に想定される発電総量は一般家庭約4,970世帯分の年間電力消費量に相当する約1,617万kWhで、太陽光 モジュールには京セラ製の270W太陽電池モジュール約51,000枚が使用される計画だ。
水上型発電所が検討される背景
太陽光発電所は近年全国各地で設営が相次ぎ、適切な立地条件を備える事業用地が少なくなってきている背景があり、こ うした水上型発電所の計画は、今後の太陽光発電事業の発展性を維持する上でも重要な役割を担うものといえる。
今回の発電所の建設・運営にあたっては、ダムの受水企業や地域住民の理解と協力のもと、環境学習施設を整備などによ り、近隣の小学校向けに学習資源としての活用も検討されているという。
東京センチュリーリース プ レスリリース(pdf)
スマートジャパ ン 2016年01月19日
農 業用ため池に8000枚の太陽光パネル、クレーンでつり上げて水面へ
コムシスホールディングスが兵庫県に建設した水上式メガソーラーが2015年12月から発電を開始した。農業用ため池の 水面に約8000枚の太陽光パネル を浮かべている。陸上でパネルを備えたフロート架台をユニットにし、クレーンで水面に運ぶことで施工工程を効率化した。 [陰山遼将,スマートジャパン]
兵庫県は全国で最も多い約4万のため池を持つ県だ。このため池の水面を活用して太陽光発電を行う水上式メガソーラー の設置が広がり始めている。 2015年12月には兵庫県中部の加東市にあるため池で、コムシスホールディングスが約6億円を投じて開発した水上式メ ガソーラー「加東市屋度大池太陽光 発電所(サン・レイクス 屋度 加東)」が稼働を開始した(図1)。
図 1 加東市屋度大池太陽光発電所の外観 出典:コムシスホールディングス
発電所の敷地面積は約5万6600平方メートル。農業用のため池を活用して、水面に合計8036枚の太陽光パネルを浮 かべた。パネルの総出力は約2MW で、年間発電量は210万kWh(キロワット時)となる見込みだ。これは一般家庭の年間使用電力量を3600kWhとし た場合、約583世帯分の使用電力 に相当する。太陽光を利用した発電により、年間約1100トンのCO2排出量削減効果を見込んでいるという。
太陽光パネルはフロート架台に取り付けて水上に浮かべる仕組みだ。フロート架台は軽量で、紫外線や腐食に強い高密度ポ リエチレン製のものを採用した。設 置の際には水上での難しい作業工程を省略するため、陸上で組み立てたユニットをクレーンでつりあげて水面に着水させると いう施工方法を採用している。着水 後にクレーンで移動し、ため池の岸とフロート架台をワイヤで固定する仕組みだ(図2)。
図 2 組み立てたユニットをクレーンで釣りあげて 出典:コムシスホールディングス
一般的に太陽光発電は夏季などの外気温が上がる時期に発電効率が下がる傾向にある。一方、水上式の発電設備の場合は水 面からの冷却効果が期待できるた め、陸上の設備と比較して高い発電量が期待できる。コムシスホールディングスがフロート式の水上メガソーラーを建設する のは今回が初の事例で、同社では今 回の施工ノウハウを他の発電設備にも生かしていく方針だ。
どちらも、フロートについては詳細がわかりません。記事を書かれる方には、フロートが何処の製品なんてのは興味ない よう です。と言うか、そんなことに拘るのは私だけなのでしょうか。
それにしても、やはり、設置場所が少なくなってきたのか、水上型が増えてきたように思えます。その割には、香川は相 変わ らず余り目立たないようです。
と言うか、既に太陽光発電自体が下火のようです。やはり、孫・菅コンビの悪だくみによるメガソーラーバブルにより、 太陽 電池の技術改革によるコストダウンという道を踏み外してしまったことで、太陽電池の開発が頓挫してしまったのじゃないでしょ うか。本来なら、順当なコストダウンによって成長すべきだった太陽電池の市場が崩壊したのでなければ良いのですが、 ちょっと 心配です。
例 月の我 が家の太陽光発電、2月分、1月14日から2月9日までのデータです。30日分で前月より3日少なく、 前年より2日少ない日数です。
毎日ネット三昧で、外に殆ど出ることがないので、どんな天気なのか自分の目で確認することはないのですが、発電 量の点検で、判断がつきます。
ということで、今月は、年初以来始めて天候が良かったようです。とは言いながら、やはり、動かないと足腰がどん どん弱っているようです。そろそろ、寒さも緩んできたこともあり、心を入れ替えて、雑草退治でも始めないといけない ですね。
去年の今頃は入院していたので、雑草退治もやらなかったのですが、覚悟していた程には雑草が蔓延ってなかったこ ともあって、今年は、どうもやる気にならなかったのですが、油断しているとしっぺ返しをくらいそうなので、ぼちぼち 始めた方が良さそうですね。
さて、買電です。
去年 2 月、買電、 981(215、766)kWhで 15,309円 1kWhの単 価、約15.61円
今年 2月、買電、 1,161(270,891)kWhで 17,061円 1kWhの 単 価、約14.70円
去年 3 月、買電、 782(182,600)kWhで 12,535円 1kWhの 単 価、約16.03円
今年 3月、買電、 911去年 11 月、買電、 562(210,352)kWh で 10,506円 1kWh の 単 価、約18.69円 今年 11月、買電、 485(170,315)kWh で 8,870円 1kWh の 単 価、約18.29円
さて、売電は
去年 2月、売電、253kWhで 12,144円 1kWh単価、約48.00 円
今年 2月、売電、239kWhで 11,472円 1kWh単価、約 48.00 円
去 年 3月、売電、308kWhで 14,783円 1kWh単価、約48.00円
今年 3月、売電、332kWhで 15,936円 1kWh単価、約48.00円
去年3月、2,249円の支払。今年の支払1,369円と880円の浪費となりま した。
売電量は、去年より56kWh多く、使用量が129kWh多いという結果です。使用料が極端に増えていますが、 原因はなんだろう。つかめていません。
早明浦ダムは、 14日現在100.0%ですから今のところ水の心配は無さそうです。
設置前年年間電気代 207,928円
1年目の年間電気代 31,518円
2年目 7,012円
3年目 ▲2,689円
4年目 ▲5,499円
5年目 ▲74,717円
6年目 ▲116,383円
7年目 ▲90,784円
8年目 ▲83,581円
9年目 ▲37,314円
10年目 ▲47,607円
10年目7~3 ▲ 11,600円
11年目7~3 ▲ 11,133円
参考:使 用料金表
まだまだ実用化までは遠いだろうが、何時かは、世界中の道路で太陽光発電が行われる日が来るかもしれないと、2015年7月21日 (火)、第5770回の「ソーラーロード」などで何度か取り上げてきました。
半ば、当分は無理なのかなと諦めていたら、何と、フランスで大規模な計画が持ち上がっているようです。
スマートジャパンより 2016年02月12日
フランスが進める「太陽光発電道路」、5年間で1000kmを建設予定
再生可能エネルギーの中で普及が進んでいる太陽光発電。しかし、メガソーラーなど大規模な発電設備を設置できる場所には限界がある。こうした中で大きな面積を保有する「道路」を活用しようという動きがフランスで進んでいる。 [三島一孝]
2015年11月30日~12月13日までフランスのパリで開催されたCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)では新たな枠組みとなる「パ リ協定」が採択されるなど、地球環境問題に対し、国際的な取り組みを進めていく方針が確認された。そのCOP21に出展し、大きな注目を集めたのが、 2015年10月に発表された太陽光発電道路「Wattway」である(図1)。
図1 太陽光により発電を行う「Wattway」 出典:Wattway
「Wattway」は、フランスの道路建設会社であるColasが、太陽光発電に関するフランスの国立研究機関と5年間の共同開発により確立した、太 陽光発電を行う道路である。多層基板内に埋め込まれた太陽電池セルで構成されており、これらのセルは多結晶シリコンの薄いフィルムによって発電する。パネ ルの下側には横方向のモジュールへの接続口が用意されている。パネルは世界中の道路で使うことが可能で、トラックを含むあらゆる自動車の走行に耐え得る仕 様となっているという(図2)。
図2 トラックを含むあらゆる自動車の走行に耐えられるという 出典:Wattway
パネルモジュールそのものはわずか数ミリメートルの薄さであり、非常に頑丈にできており、最適なスキッド抵抗性も確保しているため、道路工事の工程が 必要なく、舗装道路上にそのまま装着できるようになっている(図3)。多層構造になっているため抵抗とタイヤのグリップを確保するための層の間に挿入され た層に太陽光発電機能を持つ層を入れているためである。これらの実現のためには技術的なブレイクスルーがあり、2つの特許でこれらを保護しているという。
図3 道路工事が必要なく舗装道路上に直接貼り付けることができる点が特徴である 出典:Wattway</strong>
Wattwayパネル20平方メートル分で1つの家庭の電力(暖房除く)をカバーすることが可能だとしている。また、1キロメートルの道路にWattwayパネルを敷き詰めると5000人規模の町の街路灯の電力を全てカバーできるとしている。
スマートシティ実現のカギを握る技術
Colasでは、太陽光発電による電気を発電可能な道路は「つながる道路」となっており、交通情報などをリアルタイムに送受信できるような知的な道路 を実現するための大きな技術になるとの展望を示している。道路そのものにセンサーを内蔵し自動診断プログラムにより、道路の維持管理の手間を軽減すること などが想定できる他、ワイヤレス給電技術などを組み合わせることにより電気自動車の充電などを行えるようになる。
今後カギになる市場としては、ICTにより最適に管理される町である「スマートシティ」のビルディングブロックなど、増え続けるエネルギー需要を再生 可能エネルギーに置きかえる需要などがある。また、オフグリッドエリアや、人口密度が低くエネルギーネットワークに組み込むにはコスト効率が悪いエリアに 対する需要も期待できる。より手軽に地域分散型エネルギー基盤を構築することが可能となるためだ(図4)。
図4 Wattwayの描く将来像(クリックで拡大)出典:Wattway
5年間で1000kmを太陽光発電道路に
フランス政府では、この太陽光発電道路の普及に力を入れる方針を示している。フランスのエコロジー・持続可能開発・エネルギー担当大臣であるセゴレー ヌ・ロワイヤル(Ségolène Royal)氏は、今後5年間で1000キロメートルの道路を太陽光発電道路にするとの考えを示したとされており、普及を後押しする。
「太陽電池を埋め込んだ道路」については既にオランダで実証実験が開始されるなど、さまざまな注目を集めている(関連記事)。日本でも採算性の高いメ ガソーラーの建設候補地が減りつつある中、総延長で127万3295キロメートル(2013年4月時点)にも及ぶ道路の有効活用という考えは今後検討が進 むかもしれない。
原発に力を入れているのかと思ってたら、太陽光発電も、やる気のようですね。それでも、直に実用化出きる程は甘くないのじゃないでしょうか。
とは言いながら、こうした計画が出て来るようになったということは、コストダウンも進んできたのかもしれません。
最近は、太陽光発電の勢いがなくなってきたように感じていたので、久し振りに、夢のある話題でした。まだまだ、太陽光発電の進歩が続いてほしいものです。
太陽電池と蓄電の両方でブレークスルーが、起きて、一挙にコストダウンが進めば、世界のエネルギー問題は一挙に解決なのですが、そうは上手く行かないものですね。
例月の我が家の太陽光発電、12月分、12月10日から1月13日までのデータです。35日分で前月より7日多く、前年と同じ稼動日数です。
11月のあの最悪の発電量から12月になった途端、天候が例年通りになって、発電量も通常に戻りました。あの天候不順は何だったんでしょう。
とは言いながらも、冷え込みの少ない暖冬という、やはり、例年と違った天候にはなっています。これも、温暖化の影響でしょうか。それにしても、この数年は、異常な天候が多いような気がするのは私だけでしょうか。
冷夏や暖冬は、年寄にとっては生活するには有難いですが、やはり不気味ですね。
さて、買電です。
去年 12月、買電、 741(222、519)kWhで 12,707円 1kWhの単 価、約17.15円
今年 12月、買電、 649(228,421)kWhで 11,397円 1kWhの 単 価、約17.56円
去年 1月、買電、 1,256(317,939)kWhで 19,921円 1kWhの 単 価、約15.86円
今年 1月、買電、 1,205(311,894)kWhで 18,337円 1kWhの 単 価、約15.22円
去年 11月、買電、 562(210,352)kWhで 10,506円 1kWhの 単 価、約18.69円 今年 11月、買電、 485(170,315)kWhで 8,870円 1kWhの 単 価、約18.29円
さて、売電は
去年 12月、売電、224kWhで10,752円 1kWh単価、約48.00 円
今年 12月、売電、401kWhで 8,736円 1kWh単価、約48.00 円
去年 1月、売電、246kWhで11,808円 1kWh単価、約48.00円
今年 1月、売電、263kWhで12,624円 1kWh単価、約48.00円
去年1月、8,113円の支払。今年の支払5,713円と2,400円の節約となりました。
売電量は、去年より9kWh少ないが、使用量が51kWh少ないという結果です。節約努力をした覚えもないので、単なる暖冬の影響でしょうか。
早明浦ダムは、15日現在96.6%ですから水の心配は無さそうです。
設置前年年間電気代 207,928円
1年目の年間電気代 31,518円
2年目 7,012円
3年目 ▲2,689円
4年目 ▲5,499円
5年目 ▲74,717円
6年目 ▲116,383円
7年目 ▲90,784円
8年目 ▲83,581円
9年目 ▲37,314円
10年目 ▲47,607円
10年目7~1 ▲ 12,516円
11年目7~1 ▲ 15,353円
参考:使用料金表
最近は、太陽光発電の技術ブレークによる価格破壊が起きないので、興味も薄れてきてしまい、取り上げる記事も減ったよう な気がします。
ところが、ここに来て、驚くような記事がありました。
7月22日 (水)、第 5771回の「ペ ロブスカイト太陽電池」などで取り上げた日本初の太陽電池が凄いことになっているようです。
ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社より 2015年11月16日
【革新!温暖化対策#02】塗るとク ルマで発電ができる日本発の太陽電池
「ペロブスカイト」世界各地で効率更新。東大が世界新
ぺ ロブスカイト太陽電池(宮坂教授)
再生可能エネルギーが新境地に入ろうとしている。日本発の新型太陽電池の研究成果が世界で次々に発表されている。発 明から10年もたたないうちに主流のシリコン系太陽電池に迫るまでに性能が向上しており、将来の太陽光発電産業を背負っ て立つ"大型新人"となりそうだ。
日本生まれの新しい太陽電池は「ペロブスカイト太陽電池」。「ペロブスカイト」という特殊な結晶構造を持つ太陽電池 の総称だ。目新しい構造ではなかったが、桐蔭横浜大学の宮坂力教授が太陽電池として作動することを見いだした。
宮坂教授は特徴としてまず「光発電の特性に優れる」ことをあげる。太陽光エネルギーを電気に変える変換効率が太陽電 池の性能を示す指標だ。数値が高いほど少ない面積で多くの電力を生み出せる。シリコン系ではセルベースで24%超が量産 されている。
宮坂教授が09年に製作したペロブスカイト太陽電池は3%台だった。それが12年に10%を突破すると世界中で研究 に火がついた。14年には米カリ フォルニア大学ロサンゼルス校のチームが19・3%の成果を発表。そして15年、韓国化学研究所が20・1%をたたきだ し、20%台へ突入した。
理論上は30%が可能とされている。実際の製作可能性を考えると25%は十分にいけると見られている。それも「あと 1年で25%に届くと言われてい る」(宮坂教授)という。研究室レベルではあるがペロブスカイト太陽電池は短期間に半世紀の歴史があるシリコン系と並ぶ という驚異的な成長ぶりだ。
「圧倒的な低コストで製造できる」(宮坂教授)のも大きな特徴であり、世界中の研究者を引きつける魅力だ。材料その ものが安い。その材料を基板に塗って製作できるためシリコン系ほど高温を必要する製造プロセスがなく安価だ。
皿のような器にペロブスカイト太陽電池の材料を載せて高速で回す実験映像がある。回転するうちに材料が均一に広がり 発光が始まる。照射された光に反応 して生み出された電子が発光した。電子を電気として取り出す配線を施しておくと発電する。この映像でも簡単に作れること がわかる。
シリコン系が苦手な場所で普及する可能性
ペロブスカイト太陽電池はデビュー前でありながら、従来の太陽電池を変えるような研究成果が次々に公表されている。 まさに「未完の大器」だ。宮坂教授 は実用化されると「シリコン系と競合しない」と話す。屋根の上や地面はシリコン系が使われ、ペロブスカイト太陽電池はシ リコン系が苦手な場所に普及すると 見通す。
例えば軽さを生かし、ビル壁面に貼り付ける太陽電池をつくれる。フィルムのような柔らかい基板にも塗布できるので曲 げ伸ばし可能な太陽電池を製作して曲面にも取り付けができる。窓を太陽電池にすることも可能だ。
現在でも「窓発電」はあるが、太陽電池に光が透過する切り込みを入れている。室内に光を届けられるが、切った部分は 発電しないので無駄だ。ペロブスカイト太陽電池は色を薄くして半透明にもできるので、窓全体を発電に使える。自動車に塗 ると車体を太陽電池にできる。
課題は耐久性だ。有機材料を使うため高温に弱い。空気や湿気による劣化も進むため、適切な封止剤を見つけて密閉する 必要がある。「劣化の原因はわかっ ている。犯人の物質を他の物質に置き換えればよい」とするように、課題克服の道筋ははっきりしている。世界の研究者が競 い合うように開発を加速させてお り、実用化の日は近い。
また、また世界記録が更新された 日刊工業新聞2015年11月13日
東京大学先端科学技術研究センターの瀬川浩司教授らは、半導体シリコンを使わない有機系太陽電池で、エネルギー変換 効率21・5%と世界最高値を達成 した。ペロブスカイト太陽電池と広帯域色素増感太陽電池を組み合わせ、韓国の研究機関が単体のペロブスカイト太陽電池で 記録したこれまでの最高値20・ 1%を上回った。今後、太陽電池セルの性能向上などを進め、2020年頃までに同25%超を目指す。
ペロブスカイト太陽電池は、製造方法が簡単で高い変換効率が得られる低コストの次世代太陽電池として注目されてい る。ただ、それに用いる有機金属ハラ イドペロブスカイト結晶が吸収できる光が、おおむね800ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の可視域に限られ、太 陽光に多く含まれる近赤外域の光を 吸収できない。
瀬川教授らは、1100ナノメートルまでの近赤外光を吸収できる広帯域色素増感太陽電池を開発。ペロブスカイト太陽 電池と組み合わせた複合型太陽電池を構築した。
特定の波長より短い波長の光を反射する半面、それ以外の長波長の光は透過するダイクロイックミラーを利用。太陽光を 分光し、ペロブスカイト太陽電池が 吸収できない近赤外光は、広帯域色素増感太陽電池に吸収させることによって光エネルギー変換時の損失を低減、高効率化し た。
耐久性に難点があるんですね。何とか、実用化までこぎつけてもらいたいものです。
と、思ってたら、こんな記事もありました。何だか、希望が湧いてきそうです。
スマートジャパ ン 015年11月09日
太陽光:低 コスト・高効率な次世代太陽電池、1000時間の光連続照射試験をクリア
物質・材料研究機構は、 低コスト・高効率な次世代太陽電池として注目され ているペロブスカイト太陽電池において、セル面積1平方センチメートルで変換効率16%という高効率を実現したことを発 表した。また、1000時間連続照 射の信頼性テストもクリアし、実用化に前進した。[三島一孝,スマートジャパン]
ペロブスカイト太陽電池は、低コストで高効率な次世代太陽電池として注目されている。「ペロブスカイト」は結晶構造 の一種で、灰チタン石(ペロブスカ イト)と同様の構造体を指す。同太陽電池は、塗布などの低温溶液プロセスで簡単に作製できること、高い光吸収能力を示 し、かつ大きな短絡電流と高い開放電 圧が得られることが特徴だ。しかし、一方で構造そのものの仕組みがよく分かっておらず、構造の安定化なども含め実用化に 向けたさまざまな課題を、順次クリ アしているという状況である。
図 1 ペロブスカイト太陽電池の構造 ※出典:NIMS
今回、物質・材料研究機構(NIMS)をはじめとする研究グループが開発を進めたのは、大きなセル面積で高効率な発 電と信頼性の向上を実現すること だ。従来のペロブスカイト太陽電池は、これまでに高い変換効率を持つと報告された研究成果のいずれもセル面積が約0.1 平方センチメートルと小さく、信頼 性も低いものが多かった。しかし実用化に向けてはセル面積の拡大と、信頼性の向上は必須となる。
この問題を解決するために、NIMS太陽光発電材料ユニット ユニット長の韓礼元氏をはじめとする研究グループは、これまで電子抽出層とホール抽出層に用いられていた有機材料を無機材料に変更。無機材料は電気抵抗が 高いため層の厚さを薄くしなければならない他、拡大すると欠陥が増える問題を抱えているが、ホール抽出層と電子抽出層に LiイオンとNbイオンを高濃度添 加することで、導電性を10倍以上に向上させることに成功した(図2)。
図 2 今回開発した約1平方センチメートルのペロブスカイト太陽電池セル 出典:NIMS
これにより、10~20ナノメートルの厚い層を使用できるようになり、大面積でもピンホールの少ない層を形成するこ とが可能となった。これらにより、セル面積1平方メートル以上で変換効率を16%に向上させることに成功したという(図 3)。
図 3 開発されたペロブスカイト太陽電池の変換効率(PCE=変換効率) 出典:NIMS
さらに、電子抽出層とホール抽出層ともに無機材料を用いることで信頼性も大幅に向上し、実用化の目安とされる光強度 1sun(1000W/平方メートル)の太陽光で1000 時間の連続照射をしても、変換効率の低下が10%以内という信頼性を示した(図4)。
図 4 ペロブスカイト太陽電池の光連続照射テストの結果。黒が光照射をしない場合、赤が光照射をした場合を示している 出典:NIMS
今後は、これらの成果をもとに、さらなる高性能材料を開発するとともに、ペロブスカイト太陽電池における各層間の界 面を制御することによって、高性能 化を目指す。さらに実用化研究を民間企業と共同で推進することで、火力発電並みのコストの実現に取り組んでいくとしてい る。
別々に研究しているのでしょうね。こういうのは、共同研究にして、一気にブレークスルーしてもらいたいものです。
折角、日本で生まれて、育ちそうな技術だけに、国が関わっても良いので、プロジェクトにして、世界に先駆けて実用化 に漕ぎ着けてもらいたいものです。
こうやって、地道な研究から、世界のエネルギー問題に貢献する技術が日本で開発されれば、いよいよ、日本はエネル ギー大国に近づきます。
日本が、エネルギーと食料自給が出きるようになれば、いよいよ、日本の時代です。
何故、我が香川でため池にメガソーラーの設置が無いのかと第5690回の『世界最大の「水上メガソーラー」』などで、日本一のため池・満濃池を持っているのに、恥だと散々ぼやいてきましたが、やっと実現するようです。
これが契機となって設置が増えることを期待したいものです。そして、何時かは、満濃池に世界一の水上メガソーラを実現してもらいたいものです。
毎日新聞 2015年11月18日
ソーラー発電:ため池で 日本最大、来年6月に完成予定 高松・新池 /香川
高松市香川町の新池に建設されるメガソーラーパネルの計画見取り図=サクラホーム提供 拡大写真
全国で太陽光発電を手がけるウエストエネルギーソリューション(広島市)は17日、高松市香川町のため池「新池」に水上設置型としては日本最大出力のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設すると発表した。県内でため池を使った太陽光発電は商業用としては初めて。
池の水面に強化プラスチック製フロートを三つ浮かべ、各1万752枚のソーラーパネルを取り付ける。一つあたりの出力は2688キロワットで、これま で日本最大だった同社のメガソーラー(佐賀県白石町、約2370キロワット)を超える。三つ合わせた年間発電量は、2700世帯分の約958万4577キ ロワット時。三つのフロートは新池(24万5900平方メートル)の約4割を占めることになる。
来月から着工し、来年6月に完成予定。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に基づき、来年7月から20年間、四国電力に売電する。事業費は計24億円で、年間計3億円の売り上げを見込む。
三つのフロートは、ウエストエネルギーソリューションと、高松市の電気設備会社、広島市の建設業者の3社が一つずつ運営。新池の所有者である高松市に 使用料を収め、池の維持管理を担う香川町浅野土地改良区に年間数百万円の賃料を払う。新池でみこしを水中に投げ込む秋の伝統行事「ひょうげ祭り」に支障は ないという。
記者会見した同土地改良区の上原勉理事長は「池の改修など維持管理が必要だが、農業が衰退し、地元農家から負担金を集めるのが非常に困難な時代。賃料 収入を今後のため池の維持管理費に充てたい。太陽光発電は公益的だし、池の持続的な発展に非常に有効な方法だ」と述べた。【伊藤遥】
水上では日本一なんですね。と言うことは世界一かもしれないですね。これは、やはり出来上がったら見に行きたいですね。幸い、高松ですから車で行けないことはないですね。
こうなると、いよいよ満濃池への設置を見て見たいものです。それにしても、香川の企業でないところが情けないですが、これは、今更望んでも仕方ないでしょう。
例月の我が家の太陽光発電、11月分、10月13日から11月11日までのデータです。30日分で前月、前年より3日少ない稼動日数です。
去年より3日も稼働日数が少ないですが、発電量は10KWh多くなっています。これは、10月が開設以来最高の発電量を稼ぐと言う晴天続きのお蔭です。10月の思わぬ天候による発電量の増大には驚かされました。
ところが、11月になった途端、それまでの晴天続きが嘘のようにどんよりと曇った日が続いたということで、結局は発電量自体は殆ど変わらないと言う面白い現象が起きているためです。何となくおかしな天気です。
さて、買電です。
去年 10月、買電、 392(183、209)kWhで 8,805円 1kWhの単 価、約22.46円
今年 10月、買電、 473(197,276)kWhで 9,707円 1kWhの 単 価、約20.52円
去年 11月、買電、 562(210,352)kWhで 10,506円 1kWhの 単 価、約18.69円
今年 11月、買電、 485(170,315)kWhで 8,870円 1kWhの 単 価、約18.29円
さて、売電は
去年 10月、売電、355kWhで17,040円 1kWh単価、約48.00 円
今年 10月、売電、401kWhで19,248円 1kWh単価、約48.00 円
去年 11月、売電、358kWhで17,184円 1kWh単価、約48.00円
今年 11月、売電、360kWhで17,280円 1kWh単価、約48.00円
去年11月、▲6,678円の支払。今年の支払▲8,410円と▲1,732円の節約となりました。
売電量は、去年より10Wh多いが、使用量が77kWh少ないという結果です。
早明浦ダムは、雨が少なかったので、やはり90%程度になっています。とは言え、今のところ水不足までは心配ないようです。しかしながら、こればっかりは安心できません。
設置前年年間電気代 207,928円
1年目の年間電気代 31,518円
2年目 7,012円
3年目 ▲2,689円
4年目 ▲5,499円
5年目 ▲74,717円
6年目 ▲116,383円
7年目 ▲90,784円
8年目 ▲83,581円
9年目 ▲37,314円
10年目 ▲47,607円
10年目7~11 ▲ 22,584円
11年目7~11 ▲ 23,727円
参考:使用料金表
例月の我が家の太陽光発電、10月分、9月10日から10月12日までのデータです。33日分で前月、前年より3日多い稼動日数です。
去年より3日も稼働日数が多いですが、これは、連休で検針日が休みにかかり、週明けになった影響です。仕事の無い身には連休にも気が付かないですが、まさか、こんなところに影響があるとは思ってませんでした。面白いものです。
さて、買電です。
去年 9月、買電、 501(266,235)kWhで 11,936円 1kWhの 単 価、約23.82円
今年 9月、買電、 529(263,266)kWhで 11,891円 1kWhの 単 価、約22.48円
去年 10月、買電、 392(183、209)kWhで 8,805円 1kWhの単 価、約22.46円
今年 10月、買電、 473(197,276)kWhで 9,707円 1kWhの 単 価、約20.52円
さて、売電は
去年 9月、売電、276kWhで13,248円 1kWh単価、約48.00円
今年 9月、売電、240kWhで11,520円 1kWh単価、約48.00円
去年 10月、売電、355kWhで17,040円 1kWh単価、約48.00 円
今年 10月、売電、401kWhで19,248円 1kWh単価、約48.00 円
去年9月、▲8,235円の支払。今年の支払▲9,541円と▲1,306円の浪費となりました。これは、稼働日数で考えると、去年とほぼ同じと考えても良さそうです。
売電量は、去年より73kWh多いが、使用量も81kWh多いという結果です。少し浪費が増えたと言うことですが、ほぼ横ばいと言うところでしょう。
早明浦ダムは、雨が少なかったので、減っているかなと思ってましたが、100%でした。今年は、水の心配はないのかもしれませんが、年末にかけて油断はできません。
設置前年年間電気代 207,928円
1年目の年間電気代 31,518円
2年目 7,012円
3年目 ▲2,689円
4年目 ▲5,499円
5年目 ▲74,717円
6年目 ▲116,383円
7年目 ▲90,784円
8年目 ▲83,581円
9年目 ▲37,314円
10年目 ▲47,607円
10年目7~10 ▲ 15,906円
11年目7~10 ▲ 15,317円
参考:使用料金表
太陽光発電の時代が来るためにはコストダウンしかないのは間違いないでしょう。一番の問題は電池のコストダウンですが、何度も書いているように、架台や設置工事のコストも大きなものを占めるのも確かなので、ここをどうするかの問題が常に付きまといます。
今までにも、色んな方法が考えられてきていますが、まだまだ、決め手になるものは出てきていません。
そんな、設置に関わるコストに面白いものが出て来たようです。流石に、ここまでのはなかったですが、工事のコストは下がりそうですが、架台のコストには問題がありそうですが、どうなんでしょう。
とは言いながら、プレハブ住宅と同じで、可能性はあるのじゃないでしょうか。
太陽光発電の動向を見つめるより 2015年10月02日
Yingli AmericasとPWRstation社が提携、kW規模で折り畳み式・運搬可能なPVシステム「PWRstation」を米州で展開か
Yingli Green Energy社が2015年9月14日に、 子会社「Yingli Green Energy Americas」が、折り畳み式の太陽光発電システム「PWRstation」を手がけるPWRstation社(本社スイス)と提携を結んだ。と発表していました[1]。
概要は下記の通り。(※一部の内容は、PWRstation社のサイト内ページ[2]から抜き出しています)
「PWRstation」の特徴
発電能力:3kW~100kWのシステムを用意。
設置方法:
工場で予め、太陽電池パネル(Yingli社製)やインバータ・架台・配線を組み立て済み。
これにより、現場にシステムを運搬し、展開するだけで設置・稼動を完了できる。(所要時間は30分以内とされている)
またオプションとして、モーターを内蔵し、ボタン一つ又はセンサーによる自動で、迅速(40秒以内)に収納・展開できるものもある。
想定用途:
系統連系・オフグリッドのどちらにも対応する。
都市部の平らな屋根:
修理・メンテナンス時、また火事や悪天候の際には、簡単に折り畳むことができる。
大規模イベント会場:見本市、コンサート、展示会など
危機的状況での一時的な電源:災害時の人道救援活動など
非電化地域での電源
展開の方針
Yingli Americasでは、北米・南米・中米やカリブ海におけるプロジェクト機会の拡大につなげる狙いがある。
また、YouTubeの動画では設置事例が紹介されています (アカウント「PWRstation TV」さんの動画)
このシステムについて、個人的には次の疑問を抱きました。
設置作業が本当に「30分以内」で済むのか:
設置場所では、タイヤが走行する部分を平らに均しておく必要があり、その手間と時間が別途必要なのではないか。
設置できる場所は極めて限られるのでは:
タイヤ式のため、傾斜地での設置は危険・不可能ではないのか。
また、展開後は太陽電池パネルが地面と並行・フラットになるため、緯度が低い地域(赤道付近)以外には向かないのでは。
設置後の安定性は十分なのか:
基礎による固定を行わない中で、地震や風で動いたり飛ばされたりしないだけの十分な安定性を、どう確保するのか。
このため、実際の普及・導入に向く地域・国はかなり限定されるものと思われますが、今回の提携で米州での「PWRstation」の展開が想定されているのは、そのこと(適する地域)を勘案したものなのかもしれません。
ただ、折り畳み式の太陽光発電システム(しかもkW単位の規模)により、設置にかかる手間・時間を爆発的に引き下げるという狙いが、非常にユニークで魅力的であり、またそこには現在のユーザーのニーズ(設置の簡易化)がはっきり表れているとも思われます。
その意味で、この「PWRstation」が果たして市場にどのように受け入れられるのか、というのは強く興味を引かれるところです。
設置作業の準備にコストがかかるのじゃ問題ありですね。結局は、トータルでコストダウンをどれだけ計れるかが受け入れられるかどうかであることは変わらないでしょう。
まだまだ、これといった究極のものは出てこないようですが、人類が出来ると思って努力していればきっと何時かは出来るはずです。
太陽光発電の弱点はコストであることは間違いないですが、このコストダウンさえ出来れば、太陽光発電の時代が来るのですが、ここが一番遅々として進まないのが残念なところです。
それでも、今やキロワットあたり、20万円位まで落ちてきているのじゃないかと推測しています。と言うのも、現役を離れてかなり経つので、今の価格は掴んでないので、あくまでも想像ですが、それ程、大きく違っていないと思います。
ところが、何とも、衝撃的な数字が出てきました。本当でしょうか。ワットあたり66円と言うことはキロワットあたり、66000円と言うことですから、これが原価としても、かなりの単価です。
GIGAZINE(ギガジン)より 2015年10月05日
たった66円で1Wの電力を生み出す低コスト・高効率のソーラーパネルが発表される
決済サービスのPayPalやテスラモーターズ、SpaceXなどの創業者イーロン・マスクが2006年に設立した太陽光発電会社ソーラーシティが、高い 発電効率を誇りながら0.55ドル(約66円)で1Wの電力を生成できる低コスト・高効率の新しいソーラーパネルを発表しました。
SolarCity Unveils World’s Most Efficient Rooftop Solar Panel
$0.55 per watt from SolarCity’s record-breaking new solar panel | ExtremeTech
これまでアメリカではSunPowerのソーラーパネルが業界最大の21.5%という発電効率で知られていましたが、ソーラーシティが新 たに発表したソーラーパネルの発電効率はそれを上回る22.5%。2社のソーラーパネルの発電効率の差は1%となっていますが、ソーラーシティの新型ソー ラーパネルにおいて特筆すべきは、むしろコストの点。1Wあたり66円と、既存のソーラーパネルが発電を行うためのコストよりも格段に安いものとなってい ます。
京セラや三菱電機のソーラーパネルのワット単価を比較した図は以下から確認できますが、いずれも1ワットあたり400~700円となっているので、ソーラーシティの「66円」は破格の値段となっていることが分かります。
太陽光発電システム比較 -モリタ電器-
2014年にソーラーシティは太陽電池ベンチャーのSilevoを買収しましたが、今回の技術はSilevoの「Triex Technology」 を利用したもの。太陽電池の構造にはさまざまなタイプがありますが、Triex TechnologyはN型シリコン、パッシベーション膜、酸化物半導体を組み合わせたハイブリッド型。構造自体はシリコンの半導体と変わらないのです が、異なる素材を組み合わせることで、数年後には発電効率24%を達成する見込みとなっています。
また、「トンネル接合型太陽電池」と呼ばれるTriexは温度が上昇してもあまり効率が落ちないことが特徴で、屋根の上に置いたソーラーパネルでも効率よく発電できる、とのこと。
Silevoの買収によってSolarCityはアメリカに4社しかない「太陽光発電における製造から販売・設置まですべてを行う」企業 の1つになりました。このことで、革新的な技術を手に入れるだけではなく、すべての流通に関わることが可能となり、低コストを実現できたものと見られてい ます。
現在はパイロット版が小規模に製造されている段階ですが、いずれはアメリカ・ニューヨーク州のバッファローで2000人の従業員が1日1万個のパネルを組み立てる予定です。
もちろん太陽光発電にかかるコストが比較的安くなったといっても、他の電力に比べるとまだまだコストが高く、政府の補助金ありきでないと 一般家庭に普及させるのは難しい、というのが一般的な見解。この点、SolarCityはブログで「これまでの『屋根に取り付けるソーラーパネル』という イメージを捨て、コミュニティーごとに設置するなど、多様な設置方法を」と提案しています。
こちらでも取り上げていますが、安価とはありますが、ワットあたりの単価までは書いていません。
TechCrunch Japanより 2015年10月03日
SolarCityがモジュールのレベルで効率22%のソーラーパネルを開発、低収入世帯へのソーラー導入を事業化
ソーラーパネルは魅力的だ。クリーンで安価な再生エネルギー、原料は大量に降り注ぐ太陽光だ。しかし太陽エネルギーを取り出す技術はいまだに単位が平方フィートで語られ、パネルに依存する。
Elon MuskのいとこのLyndonとPeter Rive兄弟が創業したSolarCityは今日(米国時間10/2)、世界でもっとも効率の良いソーラーパネルを作った、と発表した。モジュールのレベ ルで、22%という効率だ。ライバル社SunPowerのX-Seriesパネルが、やはりモジュールレベルで21.5%だ。
Y Combinator出身のソーラー設営企業Brightも、SolarCityのパネルの効率が22%であることを認め、パネルになってからも最高効率だろう、と言う。少なくとも見かけ的には。
しかしBrightのファウンダJonah Greenbergerはこう語る: “でもGaAsなどの高価な素材を使えば、効率は40%を超える”。
SolarCityはその新しいパネルを同社独自の工程で作り、同社によるとそれは、パネルの性能をアップするだけでなく、他の高効率技術に比べて製造コストが大幅に低いので、既存のパネルに比べると発電量は30~40%多いという。
また廃棄物の量も少ないので、結果的にメーカーと消費者の双方にとって低コストとなり、トータルでのコストパフォーマンスが優れている、と同社は主張する。費用効率では、SolarCityが現状ではダントツだそうだ。
olarCityがテストをしてもらったのは、独立機関Renewable Energy Test Centerだ。ここは、ソーラーパネル製品の性能を認定している試験機関だ。
このパネルは最初、ビルの屋上やカーポートに設置し、その後、一般的な商用展開を考えている。
SolarCityの計画では、今月、カリフォルニア州Fremontにある100MWのパイロット工場で新しいモジュールを小ロットで作る。その 後、パネルの製造をニューヨーク州Buffaloの1GWの工場で行う。そこではフル生産で、一日のパネル製造量が9000~10000枚程度になるだろ う、という。
同社は最近、太陽エネルギーを低収入世帯へ、というキャンペーンを立ち上げた。パネル設置企業Everyday EnergyとパートナーしたSolarCityは、庶民向けの宅地住宅企業の協力を得て、カリフォルニア州に同社のソーラーシステムを設置していきたい意向だ。
まだまだ、規模が小さいようですが、一応実用化されているようなので、これがもっと広がれば面白くなりそうですね。一つ実用化されれば、競争でコストダウンが一気に進む可能性も出て来る可能性は大きくなるはずです。
是非、このコストが本物であるって欲しいものです。
ネットで広がり、小坪さんも、第5829回の「国民が知らない太陽光発電の実態」で取り上げた太陽光発電の弱点を太陽光発電協会が初期対処法を発表したようです。
こんな危険性があるのは電気ですからある程度分っていたはずですから、最初から書いておけば良かったと思うのですが、やはり、負の情報は遠慮したのか、気が付かなかったのか。いずれにしても、この逆風が太陽光発電にどう響くのか心配でもあります。
小坪さんが翌日に取り上げていました。
小坪しんやのHP~行橋市議会議員より 9月15日
【拡散】国民が知らない太陽光発電の実態②~水害時の危険性
何時も、太陽光発電の情報でお世話になっているこちらも詳しく取り上げていました。
スマートジャパンより 2015年09月14日
水没した太陽光設備は専門家以外さわってはいけない
太陽光発電協会は2015年9月11日、豪雨被害で水没した太陽光発電設備が多く生まれたことに対し、初期対処法について発表を行った。感電の危険があるため基本的には電気工事士および電気主任技術者などの専門家に任せるべきとした内容だ。[三島一孝]
栃木県、茨城県、宮城県などを襲った豪雨被害の影響から、太陽光発電設備も大きな被害を受けた状況だが「安易に近づくべきではない」と太陽光発電協会が警鐘を鳴らしている。
被害からの復旧作業が徐々に進みつつある状況だが、太陽光発電設備のパワーコンディショナーや太陽電池パネルと電線の接続部などは、接触すると感電の恐 れがある。また太陽電池パネルおよびパワーコンディショナーが破損している場合も、近づくと感電する恐れがあるため、基本的には専門家に任せるべきだとい う(図1)。
図1 水没した太陽光発電設備に対する危険性 出典:太陽光発電協会
太陽光発電設備が被害を受けた場合、50kW(キロワット)未満の場合は販売施工事業者に連絡して対処を行ってもらい、50kW以上の場合は選任されている電気主任技術者に対策を依頼することを推奨している。
破損した太陽電池パネルについては、絶縁不良となり接触すると感電する恐れがある他、接続が活線状態であった場合、日射を受けると発電し高い電圧や電流 が生じる恐れがあり、危険。そのため周辺にロープを張るなどの対策が必要だとしている。パワーコンディショナーについては、浸水した場合直流回路が短絡状 態になる可能性があるため、太陽電池からの電流が流れ込んだ場合は発熱する恐れがある。いずれもゴム手袋やゴム長靴などの感電対策を必須であり、パワーコ ンディショナーについては遮断器で解列することを推奨するとしている。
太陽光発電設備の設置拡大が進んでいるが、災害被害や、廃棄物の問題などが増えてきている。政府でも処分方法のガイドラインやリサイクルシステムを整備 して2018年度から適用する方針を示している(関連記事)。今後は災害対策についても、ガイドラインを用意する必要があるかもしれない。
リサイクルシステムの詳細も取り上げてくれています。
スマートジャパンより 2015年09月18日
「太陽電池リサイクル」の採算性、低コスト化するプロジェクトが始動
NEDOは、太陽光発電の大量導入社会を実現するために、太陽電池のリサイクルや発電コスト低減を目指すプロジェクトを新たに開始する。 [三島一孝]
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、太陽光発電の持続的発展に向けて、「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」で5件、「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」で2件の技術開発テーマを新たに採択した。
「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」では、太陽光発電モジュールの低コストリサイクル処理技術や、有価物の回収率向上や回収物の高純度化技術 の開発と実証を行う。一方「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」では、工事を含む周辺機器や維持管理の低コスト化技術の開発と実 証を行い、太陽光発電の大量導入を支える技術開発を促進する。
太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト
太陽光発電の普及が広がるにつれて、課題となってきているのが、太陽電池の廃棄物の問題だ。既に政府は2018年に太陽電池モジュールの廃棄物に関する ガイドラインを適用する方針を示している(関連記事)が、まずは生じる廃棄物の量を最小化し、処理コストを低減することが必要となる。
そこでNEDOでは、太陽電池モジュールの分解処理コストとして5円/W(ワット)を目標に掲げ、収益性を意識しつつ、太陽光発電モジュールのリサイクル処理、有価物の回収率向上、回収物高純度化などを実現する技術開発に取り組む。またその効果を実証実験する。
採択テーマとなったのが、以下の5つだ。
東邦化成「ウェット法による結晶系太陽電池モジュールの高度リサイクル実用化技術開発」
ソーラーフロンティア「合わせガラス型太陽電池の低コスト分解処理技術実証」
新菱「PVシステム低コスト汎用リサイクル処理手法に関する研究開発」
三菱マテリアル「結晶シリコン太陽電池モジュールのリサイクル技術実証」
浜田、エヌ・ピー・シー「ホットナイフ分離法によるガラスと金属の完全リサイクル技術開発」
例えば、浜田とエヌ・ピー・シーが取り組む「ホットナイフ分離法によるガラスと金属の完全リサイクル技術開発」は、結晶シリコン系太陽電池モジュールの 分解処理を目的としたものだ。ガラスとシリコンセルの間の封止剤(EVA)層を加熱した刃で切断し、ガラスやシリコンセルを破砕せずに分離回収できる 「ホットナイフ」技術を開発するとともに、回収したガラスや金属などを全て再資源化するための設備およびプロセスの設計・開発を実施する(図1)。
図1 ホットナイフによるガラスとセル等の分離プロセス(クリックで拡大)出典:NEDO
太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト
太陽光発電のコストは、普及当初に比べれば減ってはきているものの、他の電源に比べると割高であることには変わらない。さまざまな技術革新により、太陽 電池モジュールの発電効率向上や生産技術の向上などにより、モジュールだけを見た採算性は高まってきたといえるが、さらなる発電コスト低減のためには周辺 機器や維持管理も含めた発電システム全体として低コスト化が必要となる。NEDOが今回実施するのは、この周辺部分の低コスト化を目指したものだ。
具体的な目標として「工事を含む周辺機器コスト全体を10%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で2円/kWh以上の削減効果)」と「維 持管理コストを30%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で1円/kWh以上の削減効果)」の2つを目指すという。これらにより、2020 年の太陽光発電の発電コスト目標14円/kWh達成に貢献していくという。
このプロジェクトで採択されたテーマは以下の2つだ。
奥地建産「高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究」
地域エネルギー、太陽光発電所ネットワーク「分散型PCSメガソーラーへの遠隔診断制御クラウドと対処手順の開発」
奥地建産が取り組む「高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究」は、設置する地盤の状況や環境に応じて基礎と架台の最適な組合せを設計し、低コスト化を図るというものだ。
具体的にはまず、耐久性と軽量性を兼ね備えたトラス構造(三角形を基本単位に、その集合体で形成された構造)などを用いた架台の低コスト設計・施工技術 の開発を行う。この架台が太陽光発電システム特有の腐食影響をどう受けるか検証するとともに土質状況により影響を受けやすい地際の腐食対策技術の開発を実 施する。これにより、太陽光発電システムの初期コストと維持管理コストの双方でコスト低減を実現することを目指す(図2)。
図2 高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究の内容 出典:NEDO
孫・菅コンビの悪巧みにより、一気に拡大した産業用太陽光発電ですが、余りにも有利な投資物件であることが分かるにしたがって、ブームになってしまった弊害が遂に現われたと言うことなのかもしれません。
今更ですが、やはり、太陽電池のコストダウンによるきちんとした発展を地道にやることが、この無茶苦茶な価格買い取り条件の設定によって捻じ曲げられたことの必然的な結果かもしれません。
これで、太陽光発電自体が終わってしまわないことを願うしかなさそうです。
窓ガラスや京都などの重要文化財の神社仏閣などの屋根にも取り付けられる「透明な太陽電池」が出来ないものかと、第5618回などで何度も取り上げてきましたが、やはり、難しいのか、なかなか実用的なものは出てこないようです。
と思っていたら、三菱化学が実用化に成功したようです。少し、古い記事ですが取り上げておきます。
スマートジャパンより 2015年08月10日
“窓に貼る太陽電池”実用化へ、透明の有機薄膜太陽電池フィルムで
三菱化学は、有機薄膜太陽電池を用いた「シースルー発電フィルム」を開発・実用化し、市場開拓を開始する。 [三島一孝,ITmedia]
三菱化学が今回実用化に向けて市場開拓を開始する有機薄膜太陽電池による「シースルー発電フィルム」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)の助成事業「有機系太陽電池実用化先導技術開発」に採択され、これまで窓や建物外装などへの使用について実証実験を進めてきた。実証実験につ いてはスリーエムジャパンと共同で実施しており、これまで仙台国際センター渡り廊下の窓への設置やスリーエム仙台市科学館エントランス付近の窓などに設置 し実用化への課題解決などに取り組んでいる(図1)。
図1 三菱化学とスリーエムジャパンと協力して窓用フィルムとして実証実験を行う仙台国際センター 出典:三菱化学
太陽光発電は、パネルの設置場所が限られる都市部においては、より多くの発電量を確保するために、建物の屋根や屋上面に加え、窓や壁面などを有効活用す ることが期待されている。しかし、窓、壁面、トップライト(採光や通風のため屋根に設置される窓)部へ設置するためには、透明性(シースルー性)、色、重 量などの課題が存在した。しかし、今回開発した「シースルー発電フィルム」は、透明性(シースルー)、軽量、フレキシブルという特徴を有しており、窓への 設置が可能となる。
図2 透明性、軽量、フレキシブルという特徴を持つ有機薄膜太陽電池フィルムのイメージ 出典:NEDO
窓用フィルム分野については、この分野で約50年の実績を持つスリーエム ジャパンと製品開発及び市場開拓を協力して進めていく方針だ。また、その他の従来の太陽電池が取付けられなかったさまざまな場所への活用方法などを探っていく。
三菱化学では今後、市場の状況を見ながら、太陽電池のエネルギー変換効率、耐久性をさらに向上させ、シースルー発電フィルムの市場拡大を進めるとしている。
三菱さんやる気あるようですね。是非、成功してもらいたいですね。あらゆる場所に取り付けられる透明な太陽電池には需要はあると思います。
アメリカでも開発されているようですが、こちらは、実用化にはまだまだ遠いようです。それでも、世界の研究者がこつこつと研究しているのですから、何時かは実用化にも成功するでしょうね。
TABI LABOより
米大学が開発した太陽光パネル、キーワードは「透明」
ミシガン大学(MSU)の研究チームが、太陽エネルギーを捕捉することができる透明な太陽電池パネルの開発に成功しました。サイエンス・テクノロジー分野で大きな注目を集めた、このトピックスを「TomoNews US」が動画で紹介しています。
Richard Lunt教授率いる研究チームは、従来のパネルにない、多様な用途の可能性に自信をのぞかせています。氏曰く、キーワードは「透明」であること。
従来の太陽光パネルは、私たちも知っている通り黒く着色されたものがほとんど。これは、特定の波長の光を捉えるためのもの。ですが、Lunt教授の新パネルは、向こうが透けて見える透明なもの。
「例えば、高層ビルの窓ガラスに設置したり、スマホやタブレットなどのデバイスに使うことで、このパネルの美しさが生きます」
専門的な話になりますが、ほとんどの太陽光パネルは、小さな電磁波スペクトラムに代表されるプリズムで太陽光を分解する7色の「可視スペクトル」を捉 えるメカニズム。ですが、この透明の太陽電池の発光型集光器(TLSC)は、可視光をキャプチャーするのではなく、目に見えない不可視波長(紫外線)を取 り込む仕様だそう。
平たく言えば、太陽光が当たったパネルから紫外線と近赤外線をだけを取り出すと赤外とは別の波長で白熱(電力を生み出す)する原理。こうして集まったエネルギーを集光装置にかけて、色のない赤外線長波に変換、ようやく電力が出来あがるという流れ。
「赤外光はパネルの端に誘導され、そこで電気に変換されます。可視光スペクトラムは光を吸収も放出もしない性質。それで人間の目には透明に映るのです」
MSU公式サイトに Lunt教授は、開発のゴールを「生活や環境に馴染んだソーラーパネルの設計」に置いていることを明かしています。現在のところ、TLSCの生産効率は約 1%と、まだ試験段階レベル。ですが、最適化していくことで、この数字を「約5%にまで引き上げられる」と自信満々。最終的には約7%の規模拡大を目指し ているんだそう。
従来のように屋外の巨大な敷地にパネルを並べたり、家屋の屋根にパネルを設置しなくても、すべての窓をこの新パネルに変えるだけで、太陽光エネルギーが電力になる。そんな夢の自給自足時代の到来を感じさせる発明ですね。
コストの問題さえ克服できれば、透明な太陽電池にはあらゆる場所に設置できると言う可能性があるだけに面白いものになると思います。まずは、三菱さんに成功してもらいたいものです。
今や、逆風に晒されつつある太陽電池の名誉挽回の為にも、頑張ってもらいたいものです。
香川県には珍しい話題として、第4944回の「水なしパネル掃除ロボ」を取り上げましたが、あの技術に第5012回の「バイオ燃料の時代か」などで何度か取り上げたユーグレナが資本参加するのだそうです。やはり、自然エネルギーに関心が深いのでしょうか。
ベンチャータイムスより 2015/9/1
スマートジャパンより 2015年09月02日
“ミドリムシ”が、ソーラーパネル上を走る清掃ロボットに出資
ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルは研究開発型ベンチャー企業を支援するベンチャーキャピタルファンド「次世代日本先端技術教育ファンド(通称:リアルテック育成ファンド)」の第1号投資先としてソーラーパネル清掃などを開発する未来機械に出資することを決めた。[長町基]
未来機械は香川大学発のベンチャー企業で、水を使わずに自動でソーラーパネルを清掃する軽量なロボットなどの開発を行っている(関連記事)(図1)。
図1 未来機械のソーラーパネル清掃ロボット 出典:未来機械
中東諸国では再生可能エネルギーへのシフトとして大規模なソーラーパネルの設置プロジェクトが計画されている。だが、砂漠地域特有の砂塵がソーラーパ ネルに付着することによる発電効率の低下やソーラーパネル清掃のための水資源の確保が大きな課題となっている。その課題の解決を実現するロボットとして未 来機械の開発した水を使わないソーラーパネル清掃ロボットは期待されており、乾燥地域での需要拡大が想定される状況だ。既に中東でのテストは実施されてお り、今後、量産化へ向けた開発段階となっている。
こうした中で、リアルテック育成ファンドでは未来機械が第三者割当増資により発行する株式を引き受け、同ロボットの量産化開発資金の資金提供、ファンドの出資企業と連携した中東諸国などでのマーケティング・販売の支援を行う。
未来機械は2004年に設立。移動ロボット、メカトロニクス機器やレーザ三次元測定機の研究開発と製造、販売、技術および知的財産のコンサルティングなどを行う。同社のソーラーパネル生産ロボットを使えば、清掃コストが5分の1に低減できるという(図2)。
図2 ソーラーパネル清掃ロボットの外観 出典:未来機械
リアルテック育成ファンドはミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発、生産、な販売などを行うユーグレナの100%子会 社であるユーグレナインベストメントとSMBC日興証券、リバネスの3社が設立したユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルが管理運営するべンチャー キャピタルファンド。リアルテックベンチャーの投資育成を主目的としている。リアルテックとはWeb上のみで完結しない、物理的な技術開発を伴う技術のこ とで、ロボティクス、バイオ、アグリエネルギー、IoTなどが含まれる。ファンドへの参加企業は計12社、ファンド規模は36億円。2015年には50億 円以上のファンドにすることを目指している。
あの掃除ロボットの記事を見てからもうかなり経っていたので、やはり、需要がなかったのかなと思っていたら、どっこい、しぶとく生き残っていたんですね。
市場自体が特殊な場所だけにこれからも苦戦しそうな気がしますが、珍しく、香川で生まれた技術だけに、何とか成功してもらいたいものです。
砂漠以外の場所の需要も目指せないのでしょうか。たとえば、あの桜島の側に出来たメガソーラーが火山灰に覆われたニュースがあったように、ああいうところも狙えそうです。とはいっても、これは、砂漠以上に市場が限定されそうです。
尤も、水のある場所だって別に問題は無いでしょうね。まあ。私のような素人が考えずとも、もっと考えているのでしょう。
私の大好きな、太陽光発電が一気に冷え込むことになるのじゃないかと、第72回の「住民反対押し切りソーラーパネル設置」で取り上げた鬼怒川の堤防決壊事件は、どうやら本当になりそうになってきました。
と言うのも、何時も、その活躍を応援していた小坪しんやさんが、太陽光発電の恐ろしい欠陥を取り上げたからです。お恥ずかしいですが、私も、これを読んで、言われてみれば、確かにその弱点はあるなと、気が付きました。
小坪しんやのHP~行橋市議会議員より 2015年9月14日
国民が知らない太陽光発電の実態①~消防官の危険と出火リスク
消防官の消火活動の障害となる、一人の地方議員として断言する。
今回は、消防庁発行の「太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」を紹介し、国民の間に蔓延する「なんとなく安全」という理解できない風潮を変えたいと思う。
原子力発言を礼賛する立場にもないが、
原発を貶める目的であろう、むやみやたらに太陽光を持ち上げすぎた風潮が許せない。
クリーンエネルギーなどという横文字を持って、どことなく安全とされる風潮が嫌で仕方ない。
どうして、みんなこんなにころっと騙されてしまうのか。
太陽光発電は、決して安全なものではない。
「太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」(pdf)について抜粋し、解説してまいります。
以下は、消防庁発行(平成26年3月発行)の資料であり、全文だと158頁ほどございます。
消防研究技術資料83号 太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策
…以下略
何時ものように、かなり長いので、全文はリンク元で読んでください。
それにしても、この問題は確かにあります。とは言いながら、折角の弱点を見つけたのですから、これを何とか克服する方法を見つけて、太陽光発電自体の普及を諦めることの無いようにしてもらいたいものです。
と言うのも、私は、やはり、まだ、太陽光発電自体は素晴らしいものだと信じています。何と言っても、太陽がある限り、エネルギーが枯渇することは無いのですから、これ程、地球にとってぴったりのエネルギーは無いと思えるからです。
最悪の場合は、売電方式を止めて、バッテリーと共に、独立して使う方式として考えればどうでしょう。最低でも、各家庭の電力は太陽光発電で賄うようになれば、それだけでもエネルギー問題の大部分は解決するのじゃないでしょうか。
ここは、今回弱点とされた、太陽が出ている限り、発電を止めることは出来ないのをどう止めるかの問題解決にかかって来そうです。
きっと方法はあるはず!
例月の我が家の太陽光発電、9月分、8月11日から9月10日までのデータです。30日分で前月より1日少なく、前年と同じ稼動日数です。
去年と同じ稼働日数で、発電量が69kWhも少くなっています。今年は冷夏がなかったとおもったら、残暑がなかったという、驚くべき結果でした。油断禁物ですね。
とは言いながら、夏の暑さは、梅雨明けから、盆前という短期間だったので、私にとっては、今年も比較的過ごし易い年でした。それにしても、やはり、このところの天候はおかしいですね。
さて、買電です。
去年 8月、買電、 636(359、277)kWhで 15,294円 1kWhの単 価、約24.05円
今年 8月、買電、 659(364,295)kWhで 15,234円 1kWhの 単 価、約23.12円
去年 9月、買電、 501(266,235)kWhで 11,936円 1kWhの 単 価、約23.82円
今年 9月、買電、 529(263,266)kWhで 11,891円 1kWhの 単 価、約22.48円
さて、売電は
去年 8月、売電、296kWhで12,768円 1kWh単価、約48.00 円
今年 8月、売電、328kWhで18,080円 1kWh単価、約48.00 円
去年 9月、売電、276kWhで13,248円 1kWh単価、約48.00円
今年 9月、売電、240kWhで11,520円 1kWh単価、約48.00円
去年9月、▲1,312円の支払。今年の支払371円と1,683円の浪費となりました。これは去年の8,9月と逆のけっかになりました。8月の冷夏が無かったと油断していたのを9月で払わされました。
売電量は、去年より69kWh少いにかかわらず、使用量は28kWh多いという結果です。と言うことは、残暑が無くなった割には使用量が多かったということです。これも、油断かな。
早明浦ダムは、台風の影響と100%をきっていますが、それでも90%台を確保しています。これからの天気次第ですね。油断はできません。
設置前年年間電気代 207,928円
1年目の年間電気代 31,518円
2年目 7,012円
3年目 ▲2,689円
4年目 ▲5,499円
5年目 ▲74,717円
6年目 ▲116,383円
7年目 ▲90,784円
8年目 ▲83,581円
9年目 ▲37,314円
10年目 ▲47,607円
10年目7~9 ▲ 7,671円
11年目7~9 ▲ 5,776円
参考:使用料金表
やはり、盆前に鳴かなくなったクマゼミと早すぎるツクツクボウシ(第3999回の「トッポジージョ」と)はちゃんとこの天候不順を知っていたということのようです。何とも、セミがこれ程に天候を予測するとは驚きです。
当然のごとく早明浦ダムは、満水です。
やはり、日照不足だそうです。9日までは台風の影響で長雨でしたから気象台の予測も大当たりです。今年は、セミと気象台の予測が大当たりの年だったようです。
四国新聞社 | 香川のニュースより 2015/09/04
県内の低温、日照不足/12日ごろまで続く恐れ
高松地方気象台は3日、香川県内で気温が低く、日照時間が少ない状態が12日ごろまで続く恐れがあるとして「低温と日照不足に関する香川県気象情報」を発表した。農作物の管理などに注意を呼び掛けている
同気象台によると、香川県内は8月中旬から、低気圧や前線の影響を受け、曇りや雨の日が多くなっている。同12日以降の平均気温は、高松 が平年より1・1度低い26・6度。ほかの6観測所でも1・2~1・8度下回っている。日照時間も平年の6割前後にとどまっている。
低温と日照不足は東北から中四国にかけて広い範囲で懸念されており、気象庁が注意喚起。平均気温が平年より2度前後低い地点や、日照時間が平年の半分以下になる地点も出ている。