先週末5日、アラブ首長国連邦で行われた試合結果です。
WBAライトヘビー級戦:
王者ドミトリー ビボル(キルギスタン/露)判定3対0(118-110、117-111x2)挑戦者ヒルベルト ラミレス(メキシコ)
*今年の5月にサウル アルバレス(メキシコ)を相手に、明確な判定勝利を収めたビボル。その勝利により、世界屈指の実力者であることを知らしめています。
今回ビボルが迎えたラミレスは、減量苦のためにそれまで保持していたWBOスーパーミドル級王座を返上し、ライトヘビー級に進出してきた実力者ラミレス。その実力は早くから認められていましたが、何といってもその大きな体格は対戦相手にとり脅威と言っていいでしょう。ビボルも、ライトヘビー級としてはしっかりとした体格の持ち主ですが、両者が対峙するとメキシカンが一回りも二回りも大きく映ってしまいました。
そんな大柄な実力者を相手に、ビボルは4回以降完全にペースを把握。サウスポー(左構え)のラミレスに、左ジャブ、右ストレートのコンビネーションを毎回のように当てまくり、ポイント差をドンドン広げていきました。回が進めば進むほど、ビボルのワンサイドマッチとなったこの試合。接戦、あるいは王座交代も予想されていましたが、ビボルがほぼ一方的な試合展開で圧勝。改めてその強さを見せつける結果となっています。
同級の3団体のベルトを保持しているアルツロ ベテルビエフ(露/カナダ)との王座統一戦を熱望するビボル。ベテルビエフが自身の怪我のために戦線離脱中なため、両者による即対戦は無さそうです。ベテルビエフとの一戦を待つ間、ビボルは誰と拳を交えるのでしょうか。アルバレスとの再戦との噂もありますが、カネロ(アルバレスのニックネーム。スペイン語でシナモンという意味)が、こちらも自身の怪我のため長期戦線離脱。多分、ラミレス戦以前に対戦話が幾度も出ていた英国の強打者ジョシュア ブアツィ(英)になるのではないでしょうか。
下記は2022年11月9日現在のライトヘビー級王者たちとなります。
WBA:ドミトリー ビボル(キルギスタン/露/防衛回数12)
WBC:アルツロ ベテルビエフ(露/3)
IBF:アルツロ ベテルビエフ(露/6)
WBO:アルツロ ベテルビエフ(露/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:空位
*2016年5月にまずは暫定王座を獲得したビボル。今回の勝利により12度目の防衛に成功しました。同級の連続最多防衛は、1990年代中盤から終盤にかけ大活躍したダリウス ミハエルゾウスキー(ポーランド)が築き上げた23。ビボルがその記録を破るには、今の倍の防衛戦を行わなければなりません。上には上がいるものですね。