子供のころ愛読した日本史の通史のことを書いたが、長じてからは平泉澄「物語日本史」上中下講談社学術文庫を読んでいる。
だが、精読とはいかずたらたらと読んでいるので身に付いていない。
天才小室直樹でも重要と思われる本を10回読み返しているというから、凡才としては100回くらい読まなきゃ表の意味を了解するだけで追っつかない。
予備校時代の知人が、擦り切れた岩波文庫のジョン・ロック「人間悟性論」を肌身離さず持っていたが、あいつは大学には行ったのだろうか、もし行かなかったとしても、あれだけ嵌り込んでいれば、何れ原語で読み英語もモノにしてるだろうし、その思想を血肉化するだろうから、充実した人生を歩んだことだろう。
僕が読んだ本は小説では石原慎太郎の「太陽の季節」と作者は忘れたが「かみなり先生青春帳」これは夏休みになるたびに読んだ。
随筆では「徒然草」と「枕草子」だった。
基本的には毎日図鑑を眺めていたので、文学に憧れたが弱いし、社会科学にも弱い。
それでも本が好きだったので、後年かなり広い範囲で読んだので、ある時世の中ってこんな風に出来ているんだと何となく了解出来、生きてゆくことにあまり苦労しなかったように思う。
ギラギラと照りつく太陽と裸でいてもいい季節がやって来た。
宿題をやるよりは本を読んでいた方が楽しかったので、夏休みには本と付き合う時間が多かった。
文庫のある各社が、「夏の読書100選」とか銘打って書店でプロモーションをやり出したが、これを見ると条件反射的に本を読まなくちゃと思うんだな。