キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

葉桜の頃、赤レンガ倉庫では

2007年04月05日 | Weblog
毎年桜が葉桜になる頃、横浜赤レンガ倉庫で清酒、焼酎、ワインが揃った試飲会が行なわれます。主催は酒問屋の大星岡村横浜支店で、我が横浜ワインコレクションは協賛のかたちで過去五年ほど参加させて頂いております。清酒では、私が偏愛している“大七”が毎年参加されていますし、その雄大な名前で感服しざるを得ない“酔鯨”も参加されております。また、大星岡村横浜支社長が激愛なさっている“玉乃光”が参加されております。40代半ばまではウイスキー党であった私が清酒の世界へとののめり込むきっかけになったのがこの試飲会です。桜が終わると次は各社ご自慢の百花繚乱に咲き乱れる清酒の利き酒が出来るなあと、気もそぞろうきうきどきどきいたします。今年は18社が参加予定ですので、少なくとも100種類の清酒を利く事が可能です。酒類業者冥利の最高の瞬間がもう目の前です。肝臓を休め、十分な睡眠をとり、なるべく仕事をしないようにして当日に備えなければなりません。

30代の頃はもっぱらさっぱりした酒が好みでアルコール添加をしたものの方が良かったのですが、現在では芳醇で厚みがあり最後が切れるしっかりとした純米酒が好みになっております。私自身のワインの好みの変遷を見ますと、フルーティーでさっぱりした白から始まり、フルーティーな赤、そしてその果実味、酸、タンニンがどんどん濃くなり、ある日突然厚みのある白にシフト、そこからエレガントで繊細なそれでいて複雑さがある白が好みとなり、現在に至っております。してみると現在の清酒の嗜好は発展途上の中段階にあると想定され、今後エレガントで繊細な酒質を好むようになるのかもしれません。

四月の旬の食材は豊富です。例えば根三つ葉・おひたし、独活・ぬた、、筍・焼いて、牛蒡・たたきで、細魚、鰈、蛸、鰹以上刺身で等まさに清酒にピッタリの繊細な味わいのものが目白押しです。というより清酒の肴に合うものしか思い浮かばないのかもしれませんが、ぬる燗でじっくりと賞味したい季節です。人により見解の相違があるようですが酒の燗は30℃からだいたい5℃おきに日向燗、人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛切燗と覚えておくといいようです。冷酒の場合は5℃から5℃おきに雪冷え、花冷え、涼冷えとなります。ちなみに私の好みは”大七純米生酛造り”の42℃位にあるようです。それが”杜氏の詩特別純米酒”に変わっても機嫌はいささかも減じる事はありません。また、最後に昆布出汁の利いた清酒が隠し味になっている炊き立ての豆ご飯を愛でる事が出来たら、皐月を迎えず儚くなってもなんら心残りはありません。


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