今日は中秋節

  今日は「中秋節」、陰暦では8月15日、月がきれいな日です。

  でも、今日の関東地方の天気予報は「雨のち曇り」、夜に月を見ることは叶わないみたいです。残念。

  日本では「中秋の名月」といいますね。

  中秋の名月には、お団子とススキを縁側に飾って月を眺める(←これね)、というイメージがありますが、私の実家ではやったことがありません。たまたまウチがそういうことをやらないだけで、他のお宅はやっているのか、あと地方によっては普通に行なわれているのか、今もって分かりません。

  お団子は飾ったあと家族で食するのでしょうが(おそらく)、真っ白なので味がついていないような感じがします。どんな味がするんでしょうね。

  中国人は「中秋節」には大騒ぎです。「春節(旧正月)」をみても分かるように、現代中国人は昔からの伝統的な祝日を今でも非常に大事にしており、「中秋節」の前後は大いに盛り上がります。日本のクリスマスと同じくらいの熱気です。

  盛り上がるといっても、私の印象では、「月餅」の贈答とそれにともなう「月餅商戦」でにぎわう、という感じです。

  中国の月餅は餡のバリエーションが豊富で、つぶした小豆入り、ドライ・フルーツ入り、ナッツ入り、果ては牛肉入りなどがあり、色々な味を楽しむことができます。

  大きさも、一口サイズから、ケーキのように切り分けて食べる大きめのサイズ(といっても直径6~7センチくらい)まで様々です。

  私は月餅が苦手ではありませんが、あの殺人的な激甘さにはちょっと辟易します。たったひとかけら(半径3センチ、弧2センチ)を食べ終わるのに、大碗1~2杯のお茶を必要とするほどです。激甘大好きな欧米人も唸る甘さだと思います。

  ぎっしりと中につめこまれた餡の中には大量の砂糖が投入されている上に、更にドライ・フルーツ、ナッツ、牛肉など高カロリーなものをまぜこむのですから、甘さもカロリーも最高を極めています。

  健康ブームがグローバルな広がりをみせる昨今、中国人の間でも高カロリーな月餅を食することの健康への悪影響が懸念されるようになり、新聞の健康欄に「月餅を食べ過ぎてはいけない」という啓蒙記事が掲載され、また「低カロリー」と銘打った月餅も売り出されるようになりました。

  更に、西洋のケーキ風な月餅(外側をチョコレートでコーティングしてあったり、餡がクリームだったり)も出てきていて、たとえば中国のスターバックスにはこの時期、こういった西洋風月餅が置いてあります。

  私も食べてみましたが、確かに甘さ控えめで食べやすかったです。しかし、見た目も味も完全にケーキと化しており、いわれなければ月餅だとは分かりません。日本で流行っている、和菓子だか洋菓子だか分からん和洋折衷のお菓子と同じ感じですね。

  今年は中華人民共和国建国60周年に当たります。日本のテレビのニュースでも報じられていたように、建国記念日(国慶節)の10月1日には、天安門広場で大規模な軍事パレードが行なわれました。

  国家主席の胡錦涛は黒い人民服(中山服)を着て閲兵しました。毛沢東や小平の人民服姿はしっくりきますが、胡錦涛の人民服姿には違和感を覚えました。中国の指導者たちは、軍人を除けば、今はすっかりダーク・スーツ姿が定番になっているからです。

  私の周囲の中国人たちも、人民服は別に中国の伝統衣装ではなく、孫文や毛沢東などによる近現代の革命を象徴する衣装であり、そんな人民服は今の時代に合わないのではないか、と言ってました。

  軍事パレードに参加した兵士たちは、男性兵士も女性兵士もみな若く、背が高くてイケメン/美女でした。

  一般兵士たちの中から容姿に恵まれた者を選ぶのだろうと私は思っていたのですが、職場の中国人たちによると、彼らは「儀仗兵」ではないか、ということでした。つまり、軍が関わる儀式や行事に参加することを任としている兵士たちです。

  だから、入隊した時点で容貌、容姿、体型に恵まれているのを選抜して「儀仗隊」の所属とし、もっぱら表情の作り方、姿勢、所作、武器の持ち方(使い方ではなく)、行進の仕方などを訓練するらしいです。

  儀仗兵自体はどの国の軍隊にもいるし、別に珍しくはないです。が、軍事パレードに動員できるほど超大量の儀仗兵が解放軍にはいるのか、さすが中国15億人の大国家、と思いました。

  考えてみれば、解放軍は地方の軍区単位で、専属の歌舞団や雑技団を持っているのだから、全国の儀仗兵をかき集めれば、軍事パレードくらいは悠々間に合うはずですよね。

  久しぶりに「中国だな~」と思わされた数日間でした。

  追記:今は夕方ですが、空は晴れています。ひょっとしたらお月様が拝めるかも。

    但願人長久、 ただ願うのは、人の縁(えにし)は永遠に、
    千里共嬋娟。 遠く離れていても、白く輝くあの月をともに眺められますように。 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )