土曜ワイド劇場

  帰宅してテレビを点けたら、テレ朝の「土曜ワイド劇場 救急救命士・牧田さおり~緊急出動!狙われたバレリーナ…暴かれた舞台裏!愛憎、嫉妬、野望…女の闘いと出生の秘密!~」をやってました。ツッコんでやろうと面白半分で見始めたら、ついつい夢中になってしまい、結局最後まで見ちゃった。

  テレ朝の土曜ワイド劇場というと、最初は全裸美女が温泉の露天風呂に浮いて死んでて、最後は海の荒波が打ちつける断崖絶壁の上で船越英一郎が犯人を暴くのがお約束のパターンですが、今回の「救急救命士・牧田さおり~緊急出動!狙われたバレリーナ…暴かれた舞台裏!愛憎、嫉妬、野望…女の闘いと出生の秘密!~」はかなり趣向が違いました。

  本牧バレエ団(←……)のプリマ・バレリーナ(純名里沙)が、歩道橋の階段の上から何者かに突き落とされて脚を大怪我し、目前に迫った公演『白鳥の湖』のオデット/オディール役を降板せざるを得なくなる。犯人は女だということが目撃され、また、プリマはストーカーに付きまとわれているらしいことも明らかとなったが、警察の捜査は手詰まりになる。降板したプリマの代わりに、野心満々の後輩バレリーナが出演することになり、プリマはその後輩バレリーナが犯人ではないかと疑う。

  その後、救命救急士の浅野温子(←主人公)は、重い腎臓病を抱える少女の搬送を担当する。少女は腎臓移植をしなければ命が危うい状態だが、少女の父親はすでに亡くなっており、母親とは腎臓が適合しない。母親と亡き父の親友であった男性は、移植手術のための基金を集めている。

  少女は周囲に対してかたくなな態度を取り、またなぜかバレエを毛嫌いしている。しかし、浅野温子が少女を見舞ううちに、少女は浅野温子に心を開くようになる。

  そんな中、本牧バレエ団のスタジオで、怪我をしたプリマの代役に立つことになった後輩バレリーナが刺殺される(←ちなみに捜査本部の名称は「バレリーナ殺人事件」)。後輩バレリーナの持ち物の中にSDカードがあり、プリマ、腎臓病の少女を隠し撮りした画像が入っていた。

  更に、腎臓病の少女の母親の車が、事件のあった時間にバレエ団のスタジオ付近を走っていたことが判明する。少女の母親は参考人として事情聴取される。だが、少女の母親は、怪我をしたプリマに車を貸したことを打ち明ける。

  プリマも事情聴取され、事件の直前にスタジオで後輩バレリーナと会ったことを認める。後輩バレリーナは、チンピラまがいのフリー・ジャーナリストを雇って、プリマの過去を探らせていた。SDカードの画像はそのフリー・ジャーナリストに撮らせたものだった。後輩バレリーナはプリマの過去をネタに、この先ずっと自分に主役を譲るよう、プリマを脅したのだという。しかし、プリマは殺人そのものは否定する。そこに、バレエ団の代表(夏樹陽子)が弁護士とともに取調室に乗り込み、プリマを釈放するよう要求する。

  実は、プリマは腎臓病の少女の本当の母親であった。プリマはバレエのキャリアの妨げになるという理由で、自分が生んだ子どもを友人(少女の養母)に預けたのだった。後輩バレリーナはそのスキャンダルをバラすとプリマを脅したのである。(←今の時代、シングルマザーであることがバレエのキャリアの妨げになるとか、スキャンダルになるとかとはまったく思えないが。)

  少女の養母は、プリマを歩道橋の階段から突き落としたことを浅野温子に告白する。養母は少女を助けたい一心で、生母であるプリマに腎臓を提供してくれるよう頼んだが、プリマに断られた。それでプリマが脚にケガをすれば、少女に腎臓を提供してくれるかもしれないと思いつめたのである。

  一方、少女の養母とともに、少女の移植手術の基金を集めている男性は、陰で莫大な借金を背負っており、闇金から脅迫まがいの取り立てを受けている。闇金は少女のための積立金で借金を返すよう男性に迫る。

  その渦中、少女の酸素呼吸器の管が何者かによって切断され、少女が瀕死の重態に陥るという事件が起こる。またその後、バレエ団の代表とプリマが乗った車が交通事故を起こす。(←忙しい展開だな。)

  しかし、警察の鑑識は、後輩バレリーナが殺された現場、少女の病室に侵入した犯人、そして警察の取調室に残った「足跡痕」が一致することを発見する。(←「足跡痕」は、たとえ靴を履いていても、足への体重のかかり方は人によって異なるため、指紋と同じように個人を特定できるのだそうだ。面白いね。)

  足跡痕が決め手となって、自動車事故を起こしたバレエ団の代表が、後輩バレリーナを刺殺し、また腎臓病の少女を殺すことを図った犯人であることが明らかとなる。バレエ団の代表は、プリマを大事に思うあまり、またプリマの気持ちが少女に腎臓を提供しようという方向に傾いていることを案じ、プリマのバレエのキャリアの邪魔になる存在をすべて消そうと考えたのである。

  こうして事件は解決し、プリマは自分の実の子である少女に腎臓を提供する決意をする。また、彼女は警察に嘆願書を提出し、自分を突き落としてケガをさせた少女の養母に対して、寛大な処分をしてくれるよう願い出る。それからエンド・クレジットが流れて大団円となる。

  劇中でバレエを踊ったのは、谷桃子バレエ団の方々だそうです。プリマ役の純名里沙、後輩バレリーナ役の女優さんがバレエを踊るシーンもありました。吹き替えではなかったです。両腕と上半身の動きしか映してませんでしたが、あの動きは素人では無理だと思うので、お二方とも実際にバレエの素養があるのではないでしょうか。

  劇中のバレエ団は「本牧バレエ団」で、更に、ちらっと映った『白鳥の湖』公演ポスターには、「ジークフリート王子:小島トモヤ」(←……)とでっかく書かれていました。これって「セーフ」なのだろーか?

  バレエ団をドラマの舞台に選んだのは、映画『ブラック・スワン』の影響かもしれませんが、劇中では『白鳥の湖』とともに『ジゼル』も出てきて、『ジゼル』についてはストーリーまで説明されていたので、脚本家はすごいな、と思いました。

  よくこんな複雑なストーリーにバレエを絡めて考えて、脚本にできるものだなあ、と感心しました。が、謎が一つ。少女を救う基金を運営している男性が、闇金の取り立てに遭っているあのシーンのオチはどうなったのだろうか?私が見逃しちゃったのかな?コイツが意外と犯人だったりして、と私は踏んでいたのですが。

  ところで、なんで私はこんな記事を書いているのだろう。我ながらアホだわ。  
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