全豪オープン2013 ロジャー・フェデラー総括-2


 注:以下の記事はあくまでド素人の感想なんで、テニスに精通しているファンのみなさまにとっては噴飯物の内容だと思います。寛容なお心持ちで笑い飛ばして下さると幸いです。


 4回戦 対ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)

   6-4、7-6(4)、6-2

  第1セットの終盤、たぶん4-4くらいから観ました。ラオニッチはとにかくサーブが爆速な選手でした。時速210~220キロ台が普通。さすがのフェデラーも一歩も動けない、空振り、という場面が多かったです。

  しかし、第10ゲーム、ラオニッチのサービス・ゲームで、フェデラーは30-40でブレーク・ポイントを1個握りました。フェデラーはその機を逃さず、ラオニッチのサービス・ゲームをブレークし(フェデラーのウィナーかラオニッチのミスかは覚えてない)、第1セットを取りました。

  第2セットはキープ合戦となりました。しかし、フェデラーが徐々にラオニッチのサービス・ゲームで、30、40とポイントを取るようになってきたのです。また、なんか既視感があるんですが、ラオニッチの激速ファースト・サーブを、アウトになりながらも返せるようになりました。一方、ラオニッチはファースト・サーブの確率が悪くなっていきました。

  6-6でタイブレークになりました。サーブが凄いと一発で決められてしまうため、タイブレークはフェデラーに不利ではないか、と思いました。しかしここでも、フェデラーはラオニッチのサービスでポイントを取りました。これが大きかったと思います。やって来たわずかな好機を決して逃さない感じです。フェデラーは自分のサービスでは確実にポイントを取り、7-4でタイブレークを制して、第2セットも取りました。

  第3セット、ラオニッチのファースト・サーブの確率が更に低くなりました。おそらく速度や球威も落ちてきたのでしょう。フェデラーは普通にラオニッチのファースト・サーブを返すようになり、ラリーに持ち込みました。そして、ラオニッチの最初のサービス・ゲームをブレークしました。

  ラオニッチは、確かにサーブは凄いのです。しかし不思議なことに、サービス・エースを除くと、ファースト・サーブでのポイント獲得率はフェデラーよりはるかに低かったです。

  おそらくこれと関連するのだと思いますが、ラオニッチは打ち合いになるとミスすることが非常に多く、フェデラーにまったく歯が立ちませんでした。技の種類も少ないし、コントロールも良くなかったです。ラオニッチの凡ミスは30個近くにのぼりました。対してフェデラーは10個ちょっとだったと思います。

  フェデラーはラオニッチの2回目のサービス・ゲームもブレークして3-0としました。もう、フェデラーはラオニッチのファースト・サーブに対して、リターン・エースでポイントを取れるまでになっていました。

  仰天したのが、フェデラーがラオニッチのサーブ(セカンドだったけど)をドロップ・ショットで返したところです。ラオニッチ側のネットのすぐ前にぽとんと落ちたボールは、床と垂直にぽよ~ん、と緩く跳ね返りました。観ていて思わず「えーっ!?うそー!うそー!」と何度も叫んでしまいました。セカンド・サーブとはいえ、球威は相当にあったはずです(時速170キロだったらしい)。本当に凄い。

  フェデラーは、あとは自分のサービス・ゲームのキープに徹する、などという甘ちょろいことはしませんでした。ラオニッチのサービス・ゲームをすでに2つもブレークしていたにも関わらず、フェデラーは最後までラオニッチのサービス・ゲームをブレークしようとして、物凄い攻撃的なプレーをしていました。前回のバーナード・トミック戦の第3セットよりはるかに凄い執念が感じられ、6-0を狙ってんのかと思うほどでした。

  今日のフェデラーのプレーを観ていて、「鬼」とか「鋼鉄」とかいう語が盛んに浮かびました。

  こぼれ話。フェデラーはボール・ボーイにボールを返すのがうまい、もしくは返し方が親切らしいです。無表情で前を見据えたまま、ボール・ボーイのほうを見ずに返すんですが、フェデラーがボール・ボーイにボールを返すたびに、客席から笑い声と拍手が起こっていました。

  フェデラー、優勝するよ。


 準々決勝 対ジョー=ウィルフリード・ツォンガ(フランス)

   7-6(4)、4-6、7-6(4)、3-6、6-3

  仕事で遅くなったので、試合を生で観れませんでした(泣)。フルセットの激戦だったのね~。ツォンガ、実は好きなんだよな。かわいいんだもん。膝枕して、なでなでして、耳かきしてあげたい

  準決勝の相手はアンディ・マレーです。今日の準々決勝がフルセットマッチだったので、31歳のフェデラーは疲れきっていて、中一日では回復しきれないだろうから、快勝を続けてきた25歳のアンディ・マレーが断然有利だと思うのが普通です。

  ただ、今日のツォンガとの試合は、どういうタイプのフルセットマッチだったのか、たとえばロンドン・オリンピック準決勝の対ファン・マルティン・デル・ポトロ戦のようだったのか、それとも一種の戦略的なものだったのか、今日の試合の全編を観てみないと分かりません。

  フェデラー自身がかつて(去年だったと思う)話したことには、フェデラーは相手をなかなか崩せないとき、故意にフルセットに持ち込んで勝機を狙う戦術をとる場合があるそうだからです。

  また、フェデラーは今日の「感動的な大熱戦」によって、おそらく観客のほぼ全員を味方につけてしまったと思われます。つまり、観客の間に「フェデラーに勝ってほしい」という雰囲気が醸成されてしまったのではないかと思います。観客の力は非常に大きく、観客によって試合の勝敗の流れが決まることも珍しくありません。

  あと、私はどうしても、去年のツアー・ファイナルズでのフェデラー対マレー戦が頭に浮かぶのです。あの試合を観て、私はフェデラーとマレーとの間には、実はまだこんなに差があったのか、と驚きました。

  こうして色々考えると、準決勝はどうなるか分からんぞ、と思います。

  追記:さっそくYou Tubeにハイライトがアップされていたので観ました。フェデラーもツォンガも、強打の一本槍じゃなくて、お互いに多彩な技を駆使して戦っていてすごい面白い!激烈に競い合いながらも、両選手ともなんか楽しそうにプレーしています。

  でも、第5セットで、ツォンガのほうが先に疲れちゃったのかな?リターンするときに体勢が崩れてしまい、ボールがアウトになることが多かったみたいです。表情もしんどそう。フェデラーのほうは相変わらずの無表情で、さして疲れているようには見えません。

  試合終了後のインタビューでも(今大会、試合が終わると荷物を持ってさっさと帰ろうとするフェデラーを、ジム・クーリエが毎度つかまえて長々とインタビューしている)、フェデラーは明るい笑顔で冗談を交えながら答えています。

  うーん、これは、ロンドン・オリンピック準決勝対デル・ポトロ戦終盤、また試合終了直後の疲弊しきったフェデラーとは明らかに違います。大激戦の直後にしては、興奮した、殺気立った、あるいは疲労困憊した雰囲気が感じられず、朗らかで楽しげな感じさえします。

  試合終了後、フェデラーとツォンガが抱き合って、互いの背中や腰に腕を回したまま、二人とも笑顔で何かしきりに言葉を交わしながら主審席に向かう様子には感動しました。本当に良い試合だったんですね。フルヴァージョンもじきに誰かがアップロードしてくれるでしょう。アップされたら観よっと。

  再追記:今日(1月24日)の『報道ステーション』(テレ朝)でも、フェデラー対ツォンガの試合の様子を報道していました。日本のテレビ局が日本人選手以外の試合をわざわざ取り上げるなんて珍しい。やっぱりそんなに良い試合だったんだ。くっそー、リアルタイムで観たかった!!!

  
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