「マラーホフの贈り物 ファイナル」Bプロ(5月25日)‐1


  今回もメモだけねん。詳しい感想はまた後日~(たぶん)。


 『シンデレラ』よりシンデレラと王子のパ・ド・ドゥ(振付:ウラジーミル・マラーホフ、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ)

   ヤーナ・サレンコ(ベルリン国立バレエ)、ウラジーミル・マラーホフ(ベルリン国立バレエ芸術監督)

  Aプロと同じ踊りです。マラーホフのパートナリングは、初日(21日)よりはマシになっていました。でも、お世辞にも上手とはいえませんでした(ごめんね)。ガタつきが目立ちました。

  私のカン違いだったら申し訳ないのですが、この演目のカーテン・コールで、果敢にもブーイングを飛ばした観客(男性)がいました。日本人独特の「ブラボー!」、「ブラー!」ではなく、口を両手で包み込むようにして叫ぶ「ヴー!」というくぐもった声です。欧米人がよくやるブーイングの声です。

  マラーホフのパートナリングが不調だった上に、正直に感じたところを言えば、この踊りは振付そのものが極めて凡庸です(本当にごめん)。ブーイングが飛んでも仕方ないと思います。


 『椿姫』より第一幕のパ・ド・ドゥ(振付:ジョン・ノイマイヤー、音楽:フレデリック・ショパン)

   マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメイカー(シュトゥットガルト・バレエ)

  いわゆる「紫のパ・ド・ドゥ」です。一つの踊りというより、一つの「ドラマ」を見せてもらいました。アイシュヴァルトの踊りと表現、ラドメイカーのパートナリング、二人のパートナーシップ、すべてが見事でした。

  マルグリットが自身の病気と死への恐怖を押し隠して、最初はアルマンに「いかにも娼婦」的な態度で接していたのが、アルマンのまっすぐで純粋な愛に揺り動かされ、アルマンに惹かれていく気持ちとアルマンを拒まなくてはならないという気持ちとの間で葛藤した末に、ついにはアルマンに心を開き、愛の喜びに希望を見出す、というドラマが、踊りと演技とで語られます。

  アイシュヴァルトの爪先での雄弁な動き(←いつ見てもすごい!)と、アイシュヴァルトとラドメイカーのよどみない流れるような踊りとで、マルグリットとアルマンの気持ちが激しくぶつかり合う様が、凄まじい迫力をもって表現されていました。


 「ジュエルズ」より「ダイヤモンド」(振付:ジョージ・バランシン、音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)

   オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン(ボリショイ・バレエ)

  今日の公演では、なんとバランシンが3演目。バランシンって、踊るほうも難しいでしょうが、観るほうもかな~り難しいです。どう踊られるのが正しいのか、私には分かりません。

  ただし、スミルノワの踊りがまだまだ粗くて雑だということは分かりました。特に脚の動きが時に乱暴です。それから、この作品は「ダイヤモンド」という名のとおり、ダイヤモンドの持つ硬質感、奥深いところから輝く重厚な光と気高さを表現しなくてはならないと思います。

  その点では、まるで人間の男と女のありきたりな恋の踊りになってしまっていたように思います。


 「レ・ブルジョワ」(振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク、音楽:ジャック・ブレル)

   ディヌ・タマズラカル(ベルリン国立バレエ)

  Aプロと同じ演目です。今日もとても楽しめました。タマズラカルの髪の乱れ具合となびき方が実に良いんだよね。野暮ったいけどセクシーで。

  終わり方もユーモラスでした。もともとああいう終わり方だったっけ?最後にタマズラカルは膝をついて両腕をだらんと下げ、うなだれたまま動きません。観客は拍手していいのかどうか分からず、シーンとしています。するとタマズラカルはいきなりばっと両腕を広げて顔を上げ、「ま、仕方ないね!」という感じで首をかしげてニッと笑いました。その瞬間に照明がパッと消える。見事な間合いのはかり方です。

  観客は爆笑し、とたんに拍手と喝采の嵐になりました。タマズラカルはほんとに良いダンサーになったねえ(感嘆)。


 「ライト・レイン」(振付:ジェラルド・アルピノ、音楽:ダグ・アダムズ)

   ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ(ミュンヘン・バレエ)

  ラカッラは淡いグレーの全身レオタード、ディノは上半身が裸でラカッラの衣装と同じ淡いグレーのタイツ。

  これはすばらしかったです。ラカッラの長い脚、驚くほど柔軟な関節、鋭い動きを存分に生かした振付と踊りでした。ラカッラは、もともとこういう踊りのほうが向いているのではないでしょうか?

  ただただラカッラの超人的な身体能力に驚くばかりでした。最後にディノが仰向けに寝っ転がってラカッラを持ち上げながら開脚し(ディノも意外と脚が長かったのだ!)、ラカッラも続いて開脚するところには鳥肌が立ちました。二人の脚が交差して、まるで蜘蛛の足のようでした。

  ラカッラが踊るのであれば、また観たい作品です。(てか、これはラカッラのために作られた作品か?プログラムを買わなかったので分からん。)

  そーいえば、音楽が加藤茶の「ちょっとだけよ~」、「アンタも好きねえ~」ギャグのBGMみたいだったな。


   
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