秋田の恥!(怒)

  一昨日の木曜日と昨日の金曜日と、レニングラード国立バレエの「バヤデルカ」を観に行きました。木曜日の公演では、主役の3人(ニキヤ、ソロル、ガムザッティ)は非常に良かったのですが、第三幕「影の王国」の群舞が悲惨で、よろけるわ、グラつくわで、観ているほうがヒヤヒヤしました。

  ラストで宮殿が崩壊するところでも、舞台が暗くなる前にスタッフたちが出てきて、セットをあわてて移動させているのが丸見えでした。感動的なシーンが台無しでした。

  ただ、ロシア人の理解不能なところは、金曜日の公演が、同じバレエ団による次の日の公演とは思えないほどすばらしい舞台になったことです。前日にはめためただった影の群舞が見事に立ち直っていて、第三幕でアラベスクをしながら山の斜面を下りてくるシーンや、その後に続くバランス技の多い群舞もみな安定していて、ダンサーたちの動きもよく揃っており、実に美しかったです。宮殿崩壊のシーンも劇的でした。

  というわけで、わたくしの心はまだ影の王国から帰還していないのですが、美しい幻想と心地よい余韻に浸っているわたくしを、夕方の民放テレビの全国ニュースでトップ報道された、秋田で起こったとんでもない事件が打ちのめしました。

  秋田の男鹿半島にある温泉旅館で宿泊客へのサービスとして「なまはげ」ショー(?)が行なわれ、そのときに「なまはげ」に扮していた1人のバカ男が、どさくさにまぎれて女湯に侵入し、女性客数人の体に触ったんだそうです。

  こんなニュースが全国放送で流れたんですよ。しかも1局だけじゃありませんでした(←恐ろしくなって他局のニュースもチェックした)。NHKの7時のニュースは観てませんけど、もしNHKでも流していたら、秋田は確実に全国に大恥をさらしました。秋田県人として、私は本当に恥ずかしいです。

  このニュースによって、日本全国の皆様から、秋田は「民度」の低い県だ、と思われたら残念ですし、返す言葉がありません。このアホ男は酒に酔っていた(「なまはげ」が来たら酒をふるまうのが習慣なので)ということです。が、これは、「酒が入っていたらセクハラ&強制猥褻をしても許される」という、カン違いも甚だしい考えをこのエロ男が持っていたことを表わしています。

  この事件はまさに、田舎の一部の男性たちに特有の、男尊女卑思想丸出しの行為です。私はこういう野蛮な田舎者の男が大嫌いです。だから嫁不足になるんだよ、と言ってやりたいです。

  バカエロ最低男は厳重注意されたそうですが、はっきりいって生ぬるい処分です。ぜひ強制猥褻で逮捕するべきです。被害に遭った女性たちは被害届けを出すべきです。私には想像がつきます。この男も周囲の男たちも、たぶん反省なんか全然してません。「ニュースになるなんて、ちょっとやりすぎたな~、ハハハ。ま、酒でも飲んで忘れっぺ~」程度の認識しか持っていないはずです。

  あーやだやだ。

  ところで、今日のうちにバーミンガム・ロイヤル・バレエの「美女と野獣」の残りを書こうと思っていたのですが、上にも書いたとおり、ソロルの如く、わたくしの心もいまだ影の王国にとどまっておりますため、今日はどうしても気が乗りませんでした。明日がんばります。
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コメント
 
 
 
バヤデルカ (かりん)
2008-01-12 23:32:38
チャウさん、はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいてます!
私もバヤデルカは大好きで、チャウさんのバレエ鑑賞評を楽しみにしておりました♪
私は金曜日のシェスタコワ&コルプを観ましたが、コルプのソロル、とても興味深かったです。何やら色々演技していて、シェスタコワの踊りに集中したいのに、コルプが気になって仕方ありませんでした。笑
コルプのバジルも今から非常に楽しみです!
ところで、3幕最後の結婚式の場面のシェスタコワ、今年もやっぱり怖かったです。シェスタコワのニキヤには感情移入できるので、役作りが上手いのでしょうね。


 
 
 
「バヤデルカ」はほんとに名作ですよね♪ (チャウ)
2008-01-13 00:39:45
かりんさん、こちらこそはじめまして!
拙いサイトですが、いつも読んで下さっているとは、本当に嬉しいお言葉です。

私はボリショイ・バレエの「ラ・バヤデール」を観たのが、この作品を知った最初です。それ以来、この作品にすっかりハマってしまいました。

木曜日のニキヤ役だったコレゴワも良かったですよ。さすがにマリインスキーのダンサーで、身体能力、技術ともに申し分ないものでした。それにとても美しい容姿を持っています。

シェスタコワは、技術こそコレゴワには及びませんが、演技や表現力ではコレゴワなど敵ではありません。あの表情、目つきでの繊細で雄弁な表現はすばらしいですね。

コルプはお見事!の一言につきます。中肉中背だと思いますが、舞台に立つと異様に大きく見えます。美しい姿勢や高くて柔軟なジャンプなど、私もコルプの踊りに見惚れてしまいました。

また、コルプは舞台に立ちながら、即興で役作りを工夫できるダンサーのように感じました。聡明な人なのでしょうね。

レニングラード国立バレエの「バヤデルカ」のラストはホラーですね(笑)。ラストでのニキヤの亡霊は私も怖いです。同じ立場でも、ニキヤはジゼルとは違うのだな~、と思います。
 
 
 
ボリショイのバヤデール (かりん)
2008-01-14 14:45:41
チャウさん、レスをありがとうございました♪
私もボリショイ版「ラ・バヤデール」観ました!
グラチョーワ対アレクサンドロワ、素晴らしかったですよね!1幕最後の女同士の踊り対決の場面は見ごたえがあって、レニ国のようなマイムもいいけれど、ボリショイ版も大好きです。

5月の新国立の「ラ・バヤデール」も楽しみですが、確かこちらは太鼓の踊りはないと聞きました。私も2幕の太鼓がとても好きなので、ちょっと残念です…。

金曜日の影の王国の余韻を噛み締めながら、昨日シェスタコワ&コルプの白鳥を観てきましたが、こちらも素晴らしい舞台でした。私は、コルプの薔薇だったり、アブデラフマンだったり、濃いキャラクターしか観たことなかったので、ちゃんとジークフリート王子にみえるコルプに感動してしまいました。笑
 
 
 
新国立劇場バレエ「ラ・バヤデール」 (チャウ)
2008-01-15 00:26:02
新国立劇場の公式サイトに行って、以前の舞台の映像(数分)を観てきました。影たちが山の斜面を下りてくる群舞が、よく揃っていてとてもきれいですね。

でも「太鼓の踊り」がないとは、なんということでしょう。ディヴェルティスマンでなんとなくたるんだ雰囲気が、「太鼓の踊り」で再活性化するというのに。本当に残念ですね。
 
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