フジテレビ『世界法廷ミステリー』


  29日午後9時半から放映されました。いや~、こういう俗悪ゴシップ番組、だ~い好き♪フジテレビは上手いよね。『アンビリバボー』も好きでよく観てます。

  ボリショイ・バレエ芸術監督、セルゲイ・フィーリン襲撃事件を取り上げてました。関係者にもインタビューしてましたが、みなフィーリンとボリショイ劇場に反発する側の人々ばかりでした。ニコライ・ツィスカリーゼやアンジェリーナ・ヴォロンツォーワなど。

  他にバレエ批評家だという女性もインタビューに答えてましたが、あの人も反フィーリン派なのではないかなあ。証言(?)してた内容もひどかった

  フィーリン襲撃事件の裁判は去年12月に結審したそうで、フィーリン襲撃を指示した主犯とされたパーヴェル・ドミトリチェンコは、懲役6年の実刑判決を受けたそうです。6年か。年齢的には大丈夫かもしれないけど、ダンサー復帰は微妙かな。6年も踊らないのは長すぎるブランクだし、前科持ち、しかも自分が所属するバレエ団の芸術監督を襲撃させる事件を起こした人物だからね(真相は闇の中だけど)。

  アンジェリーナ・ヴォロンツォーワは、2013年7月、サンクト・ペテルブルグのミハイロフスキー劇場バレエにプリンシパルとして移籍したそうです(→ ミハイロフスキー劇場バレエ公式サイト )。さすがにボリショイ・バレエには居づらくなったんでしょう。

  ミハイロフスキー劇場バレエの現在の芸術監督はアンドレイ・クリギン。前監督のナチョ・ドゥアトも常任振付家として名を連ねています。

  女性プリンシパルは、エカテリーナ・ボルチェンコ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、ナターリャ・オシポワ、イリーナ・ペレン、ポリーナ・セミオノワ(ゲスト・プリンシパル)、オクサーナ・シェスタコワ(現姓シャドルーヒナ)、Kristina Shapran(未見)。

  男性プリンシパルは、イワン・ワシーリエフ、レオニード・サラファーノフ、ミハイル・シヴァコフ、マラト・シェミウノフ。たった4人?

  あと知ってるのは、イリーナ・コシェレワ、アナスタシア・ロマチェンコワ、イワン・ザイツェフ、アントン・プローム(ファースト・ソリスト)、ヴィクトリア・クテポワ、タチアナ・ミリツェワ、アレクセイ・マラーホフ、ウラジーミル・ツァル(セカンド・ソリスト)くらいになっちゃった。だいぶ顔ぶれが変わった感じです。

  プリンシパルだったアルチョム・プハチョフの名前は見えません。退団したみたいです。今はどうしているのでしょうか。ノーブルな踊りと雰囲気の優れたダンサーでした。

  フィーリン襲撃事件の背景として名前の挙がったアンジェリーナ・ヴォロンツォーワは、最近では『ラ・バヤデール』のガムザッティ、『眠れる森の美女』のオーロラを踊るそうです。『世界法廷ミステリー』では、『くるみ割り人形』のマーシャ(たぶん)を踊っている映像が紹介されていました。事件の発端になったといわれている『白鳥の湖』のオデット/オディールは無事踊れたのでしょうか。

  ヴォロンツォーワは、自身の事件への関与を否定してました。パーヴェル・ドミトリチェンコとは1年以上も連絡をとっていないそう。

  これはちょっとヤバいんじゃないかと思うんですが、この番組では、ヴォロンツォーワがフィーリンに冷遇された理由の一つとして、オリガ・スミルノワの存在を挙げていました。つまり、フィーリンがスミルノワをえこひいきして主役に抜擢し、ヴォロンツォーワに役を与えなかったというのです。

  まず、ニコライ・ツィスカリーゼが、スミルノワの能力はヴォロンツォーワとは比較にならないほど低い、とインタビューで答えました。次に、バレエ評論家だという女性が出てきて、とんでもないことを言いました。スミルノワはフィーリンと男女の関係になることで主役を得た(!!!)、という爆弾発言。

  そして番組は、スミルノワがフィーリンを手玉にとって主役を得て、その代わりにヴォロンツォーワは不当に冷遇され、そうした状況に不満を募らせたドミトリチェンコがフィーリン襲撃事件を起こすことによって、世間にボリショイ・バレエの配役をめぐる不正を告発しようとしたのだ、と結論づけました。

  この番組はゴシップやスキャンダルを面白おかしく紹介するのが趣旨なんでしょうが、このオチは非常に問題があるのでは?今年11-12月に行われるボリショイ・バレエ日本公演に、当のオリガ・スミルノワが参加予定なんですから。スミルノワは『白鳥の湖』のオデット/オディール、『ラ・バヤデール』のニキヤにキャスティングされています。もちろんフィーリンだって来日するでしょう。

  スミルノワの名前がいきなり出てきたんでびっくりしました。しかも、スミルノワがフィーリンと男女の関係を結んで主役を得たのが、フィーリン襲撃事件の遠因だったってさ。私、スミルノワが主役の日のチケットを買ってるのよ。フィーリン襲撃事件がこんな単純な構図ではないのは確かだし、スミルノワについても根拠のない憶測だと頭では分かっていても、無意識のうちに、なんかアラ探しするような目でスミルノワの踊りを見ちゃうんじゃないかと思う。

  フィーリンに関しても、再現ドラマの中で、フィーリンはヴォロンツォーワに対して「お前のどこが白鳥だ!?鏡を見ろ!妊娠してるのか!?中絶しろ!」と暴言を吐いたことになっていました。また、フィーリンはボリショイ・バレエのバレリーナたちと次々と男女の関係を結んでいた、とも紹介されました。これが真実ならフィーリンは最低な人間だし、真実でないならフィーリンの名誉を傷つける内容だと思います。

   それとも、これはボリショイ・バレエ日本公演に向けた炎上商法なんでしょうか。にしては、芸術監督のフィーリンや主役を踊るスミルノワをここまで一方的に悪者扱いするのってアリなのかなあ?  (追記:ボリショイ・バレエ日本公演を主催するジャパン・アーツが、バレエ公式ツイッターでこの番組の内容に対して激怒しています。炎上商法ではないですね。当り前か。ツイートしたジャパン・アーツの人は、ツイートしたことを後悔する必要はないよ。あのツイートからは、ああ、この人、バレエのことが心から好きなんだ、ってことが伝わってくるもん。)

  ツィスカリーゼやヴォロンツォーワのような反フィーリン派の人たちばかりじゃなくて、フィーリン側の人たちにもインタビューしたほうがよかったのに。彼らが取材に応じなかったのかもしれませんが…。

  好奇心に駆られてぜんぶ観ちゃったものの、ちょっと後悔してます。不愉快な印象だけが残るからです。ボリショイ・バレエ日本公演までに、この番組の記憶が脳内から消去されますよーに。

  と思ったけど、スミルノワはすばらしい踊りで、こういういいかげんな噂を打ち消しちゃいなさい。踊りは嘘をつかないからね。

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