吹き替えはいらなかったんじゃ?

  昨日の夜に日本テレビが映画『オペラ座の怪人』を放映しました。それで思ったのですが、別にわざわざ「豪華キャスト」で吹き替え版など作らなくても、原語のまま放映して、字幕だけ付ければよかったのでは!?と思いました。とゆーか、あの映画を、主音声(吹き替え版)だけで視聴した人はいるのだろうか、と大いに疑問っす。

  私は副音声(原語)だけで視聴しました。というのは、歌の場面にはすべて日本語字幕が出ていました。そして、『オペラ座の怪人』はほとんど歌だけで進行していく作品です。だから、吹き替えを聴く必要は最後まで感じませんでした。相変わらずすごい作品でした。

  それでも、吹き替えの声はどんなかな、と思って、主音声と副音声を時々ザッピングしました。ファントムの歌声は全然違いました。数年前にこの映画が公開されたとき、多くのミュージカル・ファンに不評だった「ハウンド・ドッグ」風ファントムの歌声は、吹き替えでは舞台と同じようにオペラ風なものになっていました。ファントム役は誰が担当したのだろうか。きっと有名なミュージカル俳優さんかオペラ歌手さんでしょうね。クリスティーンをはじめとする他の役も、きっと日本のミュージカル俳優・オペラ歌手総動員だったに違いありません。

  で、子爵たちがファントムを捕らえようとする場面で、NHK教育の『吉田都のスーパーバレエ・レッスン』にチャンネルを替えました。なんと昨日の回は、マクミラン版『ロミオとジュリエット』のバルコニーのパ・ド・ドゥ(ジュリエットのソロからキス・シーンまで)だったのですわ。

  この回はすごく面白かったです。踊りではなく、簡単な仕草に見える動き、たとえばロミオとジュリエットのキス・シーンも、サポートやステップはバレエの動きで行なわなければならないと分かって驚きました。ロミオ役の今勇也さんに、キスしている間のサポートの動きはこう、ジュリエット役の伊藤友季子さんにはステップはこう、と具体的に教えていて、「うん、ここ(キス・シーン)は難しいよね」と言ってました。

  かと思うと、その前の踊り、ジュリエットが後ろ向きにロミオに飛び込んでいって受け止められ、リフトされたまま一回転した後のジュリエットの動きに対して、ジュリエット役の伊藤さんに、「そこ(両手の位置と動き)はバレエの動きでやらない!」と声をかけていました。演技指導も他の回に比べてすごく細かくて、マクミラン版は大変なんだな~、とあらためて思いました。

  それでも、吉田さんが「難しいけど、これはほんとにいいパ・ド・ドゥだから」と何度も力を込めて言っていたのが印象的でした。

  最後に模範演技を吉田さんとロバート・テューズリーが行ないました。番組の趣旨からは外れるでしょうけれど、ロミオのサポートについては、テューズリー、もしくはロイヤル・バレエのバレエ・マスター(収録現場はロイヤル・オペラ・ハウス内のスタジオだし)とかに指導してもらったほうがよかったんじゃないか?と思いました。吉田さんも多少はアドバイスしていましたが、実際にロミオを踊ったことのある人のほうが、もっと具体的に教えられるはずです。

  ところで、伴奏のピアノはひどかったですね(笑)。一応ロイヤル・バレエ所属のレッスン・ピアニストなんでしょうに。

  その後はお風呂に入ったので、結局『オペラ座の怪人』は最後まで観ませんでした。来週はマイケル・ジャクソンの“THIS IS IT”を放映するんだって?これはまたすごいのを持ってきますね。うーむ、やっぱり、これも観なきゃ、ですな。

  追記:『オペラ座の怪人』の吹き替えは、すべて劇団四季の方々が担当されたそうです。劇団四季のファンの方々にとっては、吹き替え版のほうが興味津々ですよね。失礼しました。今回の放映はすごいお宝映像(音声)だろうし、1回きりの放映ではもったいないから、CD化してもよいのでは?
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