心の底で崩れる音がした

早朝から濃霧が立ち込め、昆布漁は中止。


昨日、村に住む或る女性と話しをした。
親戚が福島原発の近くにいて、津波の被害は免れたが、二人の子供が就学前なので放射能被害を危惧し、隣の恵山町に引越ししてきたという。
事故近くの土地を政府が買占め、土地国有化案も浮上しているという。
第２のチェリノブイリになってきたのではないかと、身震いがする。
春の暖かな日差しにつられ、サファーの姿も銚子ビーチに見られる様になった。
海は安全なのだろうかと心配する。原発に反対し海の環境を守るサーファーの活動も、近年聞こえてくる。
毎秒９０トン、７度も上昇した温排水を海中に捨てる原発。海も堪忍袋の緒が切れてしまいそうな気もする。
漁師もサーファーも海の側で暮らす私たちも、海に感謝する気持ちをもっと高めなければならないと思う。
そんな中、忘れかけていた大相撲の八百長問題で、我が北海道の大横綱、北の湖と千代の富士が、弟子の不祥事を理由に理事を辞任した。
両横綱の現役時代、私たちはテレビの前で手に汗をにぎり、闘魂あふれる激しい相撲に魅了された。
５７歳で旅立った職場の友人は、北の湖の大フアンであった。
テレビを見る後姿が、一緒に相撲をとっているように右や左にゆれていた。
北の湖が負けた瞬間、本人も一緒に畳の上に倒れてしまったのを、目に前で見たことがある。それほど北の湖に心酔していたのだった。
弟子がしでかした八百長なのか、それとも指導方法に問題があったのか、この両横綱の不名誉な出来事は、大震災後かろうじて保たれている私たちの心の亀裂が、また音をたてたような気がする。
４月２３日のお寺参り、納骨堂の「北の湖命」の友人にどう伝えようか、心がくもる。