函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

卒業風景

2014年03月19日 07時57分44秒 | えいこう語る
先日の中学校卒業式に引き続き、第119回函館市立椴法華小学校の卒業式に参列して来た。
中学校の卒業生は12名だったが、小学校は6名だ。
式場の体育館は、私が昭和30年に入学した時と同じ位置に、同じ方角で建っている。
記憶をたどったが、私の卒業式がまったく浮かんでこない。
鉄筋コンクリート2階建の校舎の立派さが、私のセピア色の木造校舎の記憶を圧倒し、消去してしまったのか、それとも、ただの私の老人性記憶喪失によるものか、少々落ち着かない気分だ。
卒業生が入場する。
私は目を見張った。まるで宝塚のレビューのようなコスチュームだ。
子供の晴れ姿に、両親の精一杯の愛情が感じられる。
戦後10年目に入学した私たち世代とは、天国と地獄というほどの差だ。
「天国と地獄」という言葉が浮かんできたことそれ自体が、自分がこの場にふさわしくない存在のように思えて、ますます落ち着かなくなる。
※我が母校の「ウイーン少年合唱団」だ。


国歌斉唱だ。私は自らが出席したので歌う。
でも私たち世代は「君が代」は、天皇陛下の歌だ。
集団的自衛権を、解釈変更で行使するというのとは訳が違う。
1999年「国旗国歌法」が制定されてから,各地の教育現場の式典における「君が代」の強制は納得がいかない。
成立時、野中官房長官は「教育現場での強制はない」と言明したはずだ。
1925年(大正14年)の治安維持法。
当初は懲役10年だった最高刑は、3年後には無期懲役もしくは死刑へと厳罰化された。
戦争の道が色濃くなった時代だ。
反戦・反ファシズムを掲げた者は「国体変革」を目差すものとされ次々検挙された。
翻って「特定秘密保護法」。現在版「治安維持法」ともいわれる。
アベ政権下「憲法改正」の動きと連動し、国民の意思を束縛する流れが生じてきたようだ。
「教育基本法改正」などという動きも、見逃してはならない。
などと、子供たちの晴れ姿を見つめながら、アベ総理の顔を浮かべていては、自分の卒業式の記憶などいくらしても浮かんでこない。
記憶が喪失しているのは、私が余計な事を考えすぎているせいに違いないという、結論に達した。
驚いたのは晴れ着姿だけではない。もう一つは在校生の合唱だ。
この村に「ウイーン少年合唱団」がいるのかと、耳を疑うばかりの見事さだ。
来賓として臨席していた中学校の校長先生に尋ねると「合唱に熱心な先生が赴任してきた」という。
改めて「教育」のすごさを感じた。
そうであれば「教育基本法改正」は、どんな意味を持つかなど、またいらぬ妄想をかき立ててしまう。
天使の歌声に、大きな拍手が沸き起こった。
式開始前にわずかに降っていた雨が、突然屋根を強く叩いた。
神の祝福の拍手に聞こえたのは、私だけだろうか。
「子供たちを二度と戦場に送らない」。
教師ばかりではなく、PTAの今後の活動に期待したいと思う、小中両卒業式に出席した、連合町会長としての感想です。