テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

三男はつらいよ…の江戸ものがたり。

2009-02-17 12:43:04 | ブックス
 まぁた寒さが戻ってまいりましたね、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ~!
 ネーさ、きょうもォ、おえどのォおはなしィでスかッ?」

 ええ、そうなんです。
 本日ご紹介いたしますのは、毎度お馴染みの捕物帖……
 とは、ちょこっと趣向がことなるお江戸のものがたり、なんです。
 あらためまして、こちらを、どうぞ~!


   
          ―― 夏は陽炎(かげろう) ――



 著者は藤井邦夫さん、’08年6月に発行されました。
 副題に『閻魔亭(えんまてい)事件草紙』とあります。

「うぬぬッ?
 ネーさ、よりきのォ、おじちゃんはァ?」

 この御本の主人公は、
 南町奉行所吟味方与力の秋山久蔵さん、ではありません。
 でも、関係がなくはないんですよ。
 作中、久蔵さんのお名前が出てきますし、
 久蔵さん配下の同心さんや岡引きの親分さんたちが
 重要な脇役として登場いたします。

 主役を務める御方は……
 夏目倫太郎(なつめ・りんたろう)さん。
 25歳の、お武家さまです。

「ふァ~、おさむらいィさまッ」

 はい、倫太郎さん、お武家に生まれはしましたが、
 悲哀漂う三男坊さん。
 お家には、嫡男、次男、とふたりのお兄さんがいます。
 家名を継ぐ可能性が低い三男坊の彼に、
 居場所はないも同然なのです。

「うわァ、かわいそゥ……」

 そこで倫太郎さん、知恵を絞りました。
 戯作者(げさくしゃ)を、目指そう!

「げさくゥ??」

 黄草紙と呼ばれる草双紙の著者として、身を立てよう!
 ――そう考えたんです。
 北町奉行所の与力である伯父上、
 大久保忠左衛門さんのお屋敷に居候して、
 黄草紙の草稿と日々格闘!してはいるんですが……

 いいネタ?
 江戸っ子にウケまくりのエンタもの?
 そんなの、そこらへんに転がってるはずもないし……

「それはァ、あッたりまえェでスゥ!」

 ネタがない? ならば探す!
 
 決意も新たに町へでた倫太郎さんを、
 奇妙な事件が待っていました。
 神隠しでない神隠し……?

「むむゥ、なぞォ!でスねッ」

 一人前の武家ではない、
 与力や同心でもない、
 奉行所の規則に縛られてもいない立場の倫太郎さんが、
 ネタ探しの末に辿り着くのは――?

 倫太郎さんの目と筆が切り取る《江戸》の景色は、
 ゆるやかで、のびやかで、
 どこかほんわり、しています。
 
 普通の捕物帖とはちょっと違う物語を求める御方に、
 お薦め!ですね。

「りんたろォさんッ、
 いつかはァ、きッとォ、べすとせらーさッかさんにィ!」
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