「こんにちわッ、テディちゃでス!
めいさくゥ~ふたたびッ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!めでたい~!)
こんにちは、ネーさです。
はい! 本日の読書タイムは、
名作復刊を祝しつつ、
いま話題になっているこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― わたくし大画報 ――
著者は和田誠(わだ・まこと)さん、
1982年10月に原著初版が、
2024年3月に復刊版が発行されました。
エッセイ101編、イラスト79作品を収録した
”家族と仕事と趣味のエッセイ”です。
前回記事でご紹介した
三谷幸喜さんの《三谷幸喜のありふれた生活》シリーズは、
和田誠さんが題字やイラストを描いていたことでも
よく知られる作品ですが、
こちらの『わたくし大画報』では、
なにしろ、和田さんにとっては”自分の本”ですから――
「おもいのォままにィ~!」
「ぐるるがるるぅる!」(←訳:自由に書いちゃう!)
めったに自分を語らなかったという、
イラストレーターの和田誠さん。
この御本では、身の周りの出来事を、
スキップでもしているような足取り、いえ、筆致で
ぐいぐいと綴ってゆきます。
本文冒頭の第一行目は、
我が家に猫が来た。
「あはァ! ちびにゃんッ!」
「がるるるるる!」(←訳:はじめまして!)
妻(平野レミさん)によれば、
この猫はアビタシオン……えへん、つまり、
アビシニアンだそうで、名前は桃代。
以前は、
猫なんぞ飼うな、猫をうちに入れたら俺が出て行く、
と宣言していた和田さん、
飼ってみると相当可愛いね、と掌返し。
その気持ちに、ニャンコも応えてくれたのでしょうか、
猫の絵や装幀、猫の写真集のレイアウトなど、
猫関連のお仕事の依頼が
次々と舞い込んできて。
「わはッ! まねきィ~にゃんこッ!」
「ぐるぅるがるる!」(←訳:桃ちゃんステキ!)
ニャンコのお話から、
俳優さんの話、大根の話、
いきなり俳句が並んだり、
メキシコ旅行の話へと、
ページごと、話題は自由に飛翔します。
スパゲッティを作ったものの、
レミさんの反応は……?
桃代ちゃんのその後は……?
大事件!なのは、
我が子の誕生で、
生活の中心が赤ん坊に移ったこと。
赤子をお風呂に入れるという大事業があるため、
麻雀からすっかり足が遠のいて。
また、ちょっと誇らしげに和田さんが報告するのは……
「てれびじょんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:初出演です!)
和田さんがTVに初出演したのは、1976年の、6月。
横尾忠則さん、篠山紀信さんと一緒に
30分番組に出たんです!
しかし……一向に放送される気配がないって、
どういうこと?
そして、1980年2月には、
『女房大出演』と題したお話が。
ええ、そうです、
《歌手・平野レミ》さんに、NHKから出演依頼が来たのです。
喜んでスタジオへ赴いたレミさんでしたが、
大変だったのは、出演前の支度。
眼鏡をやめてコンタクトレンズを買いに行く、
美容院で髪を整え、
子守のために両親を実家から呼ぶ、
衣装はどれにしようかと自宅でファッションショー、
そうこうするうちお子さんが風邪を引いてしまったので、
撮影日時を変更してもらって……
「だいこんらんッ!」
「ぐるがるるるるる……」(←訳:目に見えるよねえ……)
1974年12月から1981年9月にかけての、
映画の話、観劇の話、
CM出演依頼の話、
今も続く『週刊文春』表紙画の話。
曲げず、飾らず、”自分のこと”を書き留めたエッセイ集は、
和田さんのファンの方々におすすめですよ。
復刊の機を逃さず、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪