テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 異世界で、香り高い一杯を ~

2024-06-04 22:04:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうもォ、あまぐもォ~ちぇッくゥ!」

「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!ゲリラ豪雨回避~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 連日の雷雨に、これってもう梅雨なんじゃないの?

 テルテル坊主くんを作るべき?と迷いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 伝説とカフェラテ ――

 

 

 著者はトラヴィス・バルドリーさん、

 原著は2022年に、画像の日本語版は2024年5月に発行されました。

 英語原題は『Legends & Lattes』、

 『傭兵、珈琲店を開く』と日本語副題が付されています。

 

 久しぶりのファンタジー小説!

 しかも、カフェラテとか珈琲店とか、

 美味しそうなキーワードが並んでいて、

 気分は大いに上向きますが……え?

 

 オーク?

 

「わわわッ! にげようゥ!」

「ぐる~!」(←訳:敵だ~!)

 

 ファンタジー作品の、いえ、

 20世紀文学の金字塔たる『指輪物語』『ホビットの冒険』を

 読んだ経験がある方々はお分かりでしょう、

 オーク、といえば

 ホビット族のビルボさんやフロドさんの敵……!

 

 冥王サウロンの配下として、

 《指輪の仲間》たちをさんざん苦しめた

 ”悪の手先”!……である、はず、が……?

 

「ここではァ、ふつうゥ?」

「がるぐぅるる?」(←訳:悪人じゃない?)

 

 オークのヴィヴさんは、ウンザリしていました。

 

 22年間の、冒険。

 仲間とともに、血と泥と埃にまみれて、

 闘ったり、探検したり、魔物を倒したり。

 こんなくだらないことは、もう止めて、

 何か新しいことを始めよう。

 

 何かとは何かって?

 うん、それは、例えば……

 

 珈琲店。

 

「ほッ、ほんきィでスかッ?」

「ぐーるるがーるーるる?」(←訳:オークがコーヒー好き?)

 

 ヴィヴさんも、6ヶ月前までは知りませんでした

 コーヒーなる飲みものを。

 

 紅茶に似ていなくもないけれど、いや、やっぱり違う。

 焙煎した茶色い豆には

 独特の香りがあって、

 その豆を挽いて粉にしてから、

 熱湯を注いで飲むと……ああ、美味しい。

 

 美味しいだけじゃなく、クセになる。

 

「ふわァ~わきゃりまスゥ!」

「がるぐっるるるる!」(←訳:気に入ったんだね!)

 

 冒険者に雇われて傭兵となり、

 各地を転々……という生活は、もう終わらせよう。

 

 大きな町の片隅の、程良く賑わう一画で、

 大好きなコーヒーを自分にも客にも振る舞う場所を作って、

 愉しくも充実した日々を送ってゆきたい。

 

 ヴィヴさんの想いが詰まった珈琲店は、

 苦心の末、めでたくも完成し、オープン!

 となりましたが。

 

「ううむゥ、むずかしィのでスようゥ~!」

「ぐるるるがるるぐる~…」(←訳:飲食店の経営はねえ~…)

 

 人間、エルフ、ドワーフ、

 オーク、ノーム、ストーンフェイ、

 サキュバス、ホブなど、

 多様な生きものが行き交う奇妙奇怪な世界で、

 珈琲店は成功するのか?

 

 ネビュラ賞の最終候補になったという

 ”とある珈琲店をめぐる物語”は、

 ファンタジー好きな活字マニアさんに、

 ゲーム好きな方々にもおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

  

コメント
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