「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうもォ、あまぐもォ~ちぇッくゥ!」
「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!ゲリラ豪雨回避~!)
こんにちは、ネーさです。
連日の雷雨に、これってもう梅雨なんじゃないの?
テルテル坊主くんを作るべき?と迷いつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 伝説とカフェラテ ――
著者はトラヴィス・バルドリーさん、
原著は2022年に、画像の日本語版は2024年5月に発行されました。
英語原題は『Legends & Lattes』、
『傭兵、珈琲店を開く』と日本語副題が付されています。
久しぶりのファンタジー小説!
しかも、カフェラテとか珈琲店とか、
美味しそうなキーワードが並んでいて、
気分は大いに上向きますが……え?
オーク?
「わわわッ! にげようゥ!」
「ぐる~!」(←訳:敵だ~!)
ファンタジー作品の、いえ、
20世紀文学の金字塔たる『指輪物語』『ホビットの冒険』を
読んだ経験がある方々はお分かりでしょう、
オーク、といえば
ホビット族のビルボさんやフロドさんの敵……!
冥王サウロンの配下として、
《指輪の仲間》たちをさんざん苦しめた
”悪の手先”!……である、はず、が……?
「ここではァ、ふつうゥ?」
「がるぐぅるる?」(←訳:悪人じゃない?)
オークのヴィヴさんは、ウンザリしていました。
22年間の、冒険。
仲間とともに、血と泥と埃にまみれて、
闘ったり、探検したり、魔物を倒したり。
こんなくだらないことは、もう止めて、
何か新しいことを始めよう。
何かとは何かって?
うん、それは、例えば……
珈琲店。
「ほッ、ほんきィでスかッ?」
「ぐーるるがーるーるる?」(←訳:オークがコーヒー好き?)
ヴィヴさんも、6ヶ月前までは知りませんでした
コーヒーなる飲みものを。
紅茶に似ていなくもないけれど、いや、やっぱり違う。
焙煎した茶色い豆には
独特の香りがあって、
その豆を挽いて粉にしてから、
熱湯を注いで飲むと……ああ、美味しい。
美味しいだけじゃなく、クセになる。
「ふわァ~わきゃりまスゥ!」
「がるぐっるるるる!」(←訳:気に入ったんだね!)
冒険者に雇われて傭兵となり、
各地を転々……という生活は、もう終わらせよう。
大きな町の片隅の、程良く賑わう一画で、
大好きなコーヒーを自分にも客にも振る舞う場所を作って、
愉しくも充実した日々を送ってゆきたい。
ヴィヴさんの想いが詰まった珈琲店は、
苦心の末、めでたくも完成し、オープン!
となりましたが。
「ううむゥ、むずかしィのでスようゥ~!」
「ぐるるるがるるぐる~…」(←訳:飲食店の経営はねえ~…)
人間、エルフ、ドワーフ、
オーク、ノーム、ストーンフェイ、
サキュバス、ホブなど、
多様な生きものが行き交う奇妙奇怪な世界で、
珈琲店は成功するのか?
ネビュラ賞の最終候補になったという
”とある珈琲店をめぐる物語”は、
ファンタジー好きな活字マニアさんに、
ゲーム好きな方々にもおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪