「こんにちわッ、テディちゃでス!
ことしもォ、もくとうゥ~…!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!永遠の謎に!)
こんにちは、ネーさです。
天正10年6月2日(1582年6月21日)早朝、
京都の本能寺にて変事が……!
なぜ(動機は)? 誰が(首謀者)? 遺体は?と、
未だ解けぬ歴史の難問に腕組みしつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 中禅寺先生の物怪講義録 09 ――
漫画は志水アキ(しみず・あき)さん、
脚本は田村半蔵(たむら・はんぞう)さん、
Founderは京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、
2024年5月に発行されました。
『The Mononoke Journal by Chuzenji-sensei』と英語題名が、
『先生が謎を解いてしまうから。』と日本語副題が付されています。
時代は、『姑獲鳥の夏』にて
拝み屋の”京極堂”こと中禅寺秋彦さんが世に現れるよりも、
もうちょっと遡って、
昭和23年の東京。
「ふわァ~…そらがァ、ひろいィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:ビルがないねえ!)
まだまだ復興途上の東京の、
都立美戸川高校に臨時講師としてやって来たのが、
中禅寺夏彦さん。
あ、担当科目は、もちろん国語です。
で、美戸川高校2年生の
日下部栞奈(くさかべ・かんな)さんは、
中禅寺先生の教え子であり、
”事件に巻き込まれる体質”、というか、
”事件に飛び込む気質”の持ち主、というか。
「こんかいもォ、まきこまれェましたよゥ~!」
「がっるるぐるる!」(←訳:奇っ怪な事件に!)
探し物を手伝ってくれない?
と同級生の武園(たけぞの)くんに頼まれて、
彼の家を訪ねてみれば……ええっ?
「ひゃあッ! ひろいィ!」
「ぐるるがぅる!!」(←訳:お屋敷じゃん!)
僕の家? ごく普通の家だよ、と
武園くんは言っていたのに、
豪華な洋館に、広い庭園、室内の調度品も美しく、
案内された客間には、
武園くんの家族や、
弁護士さんもいる――
って、なんかヘンでしょ?
おかしいでしょ?
「ようやくゥ、きづいたのでスかァ~」
「がるるぅ!」(←訳:遅いよぅ!)
ええ、そうです、
栞奈さんは今回も見事に巻き込まれたのでした。
武園家の、遺産相続問題に。
先代当主による、直筆の手紙。
弁護士さんによれば、
その手紙を兄弟全員で読むことが
遺言公開の条件。
しかし、探せど探せど、手紙は見つからず。
こうなったら外部の知恵にたよろう!と、
栞奈さんが呼ばれた訳なんですけれど……?
「はわわッ? もうひとりィ??」
「ぐるるるがるっ?」(←訳:知恵袋が来たっ?)
最終兵器、じゃなくて、もう一人の外部の知恵として、
榎木津礼二郎(えのきづ・れいじろう)さん、登場。
”視えてしまう”礼二郎さんの前では
何事も隠せない?
手紙も、すぐ見つかる?
「うゥ~んッ、そうかなァ?」
「がるるるるぐっるるる?」(←訳:ややこしくなってきた?)
手紙はどこにあるのか?
いえ、それより、
なぜ手紙は消えたのか?
ミステリ好きな方々にはよく知られる
命題《消えた手紙》を、
なぜ?という
動機面から解きほぐしてゆく
第44話~第48話は、読み応えがありますよ。
歴史好きな活字マニアさんにも、
戦後の文化や風物も丁寧に描き入れられている
《物怪講義録》シリーズはおすすめですので、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪