テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 音を描く、線を奏でる ~

2024-06-21 22:03:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうがァ、いちばァ~んッながいけどォ?」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!明日から短縮~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日6月21日は、夏至ですね。

 一年でいちば~ん長い夕暮れ……を楽しむには

 お天気がいまひとつでしたが、

 さあ、読書タイムで明るく気分転換と参りましょう~♪

  

 

 

    ―― デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界 ――

 

 

 著者は村上春樹(むらかみ・はるき)さん、

 2024年2月に発行されました。

 『The Wonderful World of David Stone Martin』と

 英語題名が付されています。

 

「むむッ? なにものォ、でスかッ?」

「ぐるるがるぐるる?」(←訳:実在のヒトだよね?)

 

 デヴィッド・ストーン・マーティンさんは、

 はい、もちろん、実在の人物ですよ。

 

 1913年6月13日、

 シカゴに生まれたマーティンさんは、

 早くから絵の才能を認められ、

 奨学金を得てシカゴ美術学校で学んだのち、

 イリノイ州のアートプロジェクトのディレクターを務め、

 大戦中は従軍画家として戦地にも赴きました。

 

 そのマーティンさんが

 レコード・ジャケットのデザインを初めて手掛けたのは、

 1944年のこと。

 

 小さなレコード会社の、

 SPレコードのデザインから始まって、

 有名なトランぺッターさんのロゴをデザインしたり、

 新興レーベルのデザインを請け負うようにもなり、

 やがてはレーベルの美術ディレクターの地位を提供されるほど

 マーティンさんのお仕事は好評を博しました。

 

「じゃずゥ、でスねッ!」

「がるぅるぐるぅ♫」(←訳:オシャレだなぁ♫)

 

 御本冒頭の『まえがき』で

 著者・村上さんが言うには、レーベルの経営者さんは、

 

    どうやらこのユニークなデザイナーに

    細かい注文を一切つけなかった

 

 ということで、

 つまりマーティンさんは、

 気の向くまま、自由に、

 ジャケットのデザイン画を描いていたようです。

 米国では、これは非常に珍しいことで、

 レコードジャケットのデザインをする際は

 あれこれ細かく注文されるのが当たり前、なんですね。

 

 マーティンさんは数多くのジャケットをデザインしましたが、

 この御本で村上さんが紹介しているのは、

 

 チャーリー・パーカーさん(アルト・サックス)、

 ジョニー・ホッジズさん(アルト・サックス)、

 スタン・ゲッツさん(テナー・サックス)、

 バド・パウエルさん(ピアノ)、

 オスカー・ピーターソンさん(ピアノ)、

 ライオネル・ハンプトンさん(ヴィブラフォン)、

 タル・ファーロウさん(ギター)、

 ビリー・ホリディさん(ヴォーカル)

 

 といった音楽史に輝くアーティストさんの、

 歴史的な名盤たち。

 

 私ネーさは、

 ビリー・ホリディさんのジャケ(本文120~123ページ)、

 マトリックスか?と笑ってしまいそうになる

 12インチ盤(本文139ページ)、

 オスカー・ピーターソンさんの『COLLATES』(本文74ページ)

 に見惚れました……。

 

「いまもォ、きらきらァしてまス!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:全然古びてない!)

 

 1992年3月、

 コネチカット州ニューロンドンにて、

 マーティンさんは旅立ちました。

 おそらくは、愛する音楽に包まれて。

 

 この御本には、著者・村上さんが所蔵する

 マーティンさんのデザインによるジャズレコード188枚の図版と、

 解説文が収録されています。

 配信が”常識”になりつつある現在、

 レコードやCDの《ジャケ買い》は

 すっかり遠くなった……のかもしれませんが、

 音楽好き&アート好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、マーティンさんの『素晴らしい世界』へ

 飛び込んでみてくださいね~♪

 

 

コメント
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