テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

花あり嵐あり? ダディの毎日。

2009-12-16 23:35:37 | ブックス
 ふぅー、もんのすごーく寒い東京・多摩地方の一日でした。
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 さむさむッ! すとーぶにィ、がぶッとォ、かじりつきィ!」

 つらい寒さも、大好きなお父さんと一緒ならなんてことないさ!
 と思っているのは、本日ご紹介いたしますこの物語に登場する駆(カケル)くん。
 さあ、枯葉も小雪も蹴散らして、
 カケルくんと父上に会いに行きましょう!
 こちらを、どうぞ~!



                  ―― チッチと子 ――



 著者は石田衣良さん、’09年10月に発行されました。
 『池袋WGP』シリーズで知られる石田さんの、
 ちょっとだけ?自伝的な物語、と言ったら怒られちゃうでしょうか。

「ふむむッ? じでんッ?
 うむッ、わきゃッたでス!
 しゅじんこうはァ、さッかさんッ、でスねッ!!」

 ええ、そうなんです。
 主人公の青田耕平さんは、小説家さんです。
 駆(カケル)くんは、その青田さんのひとり息子さん、なのでした。
 カケルくんはお父さんをチッチと呼び、
 お父さんの耕平さんも、自分のことを
 『なあカケル、チッチはね……』などと言って、
 二人の間にこの呼び方はすっかり定着しています。

「なかよしィおやこォ、なのでスねッ♪
 でもォ、おかあさんはァ?」

 耕平さんの奥さま――カケルくんのお母さんは、
 3年前に亡くなってしまったんです。
 父と子は、神楽坂のお家でふたり、
 身を寄せ合い、心を寄り添わせて暮らしています。
 今もお母さんがここにいてくれたら……そう思いながら。

 妻への思慕と、もうひとつ、
 耕平さんが悩みを抱えていることを
 カケルくんは知っています。
 小学校4年生の彼には、悩み事の細部までは分からないのですが……
 チッチは、どうしちゃったんだろう?

「ちッちさんッ、どうしちゃッたのでスかッ?」

 耕平さんがぶつかっている壁は、
 どうやら、作家であり続けることの難しさ……?
 それにまた、著作があまり売れないということも、
 気を塞がせる原因となっているようです。
 誉めてくれる人はいるんだけれど、
 どうしてだか、ぼくの本は売れない……。

「むむむッ! ちッちさんッ、げんきをォだしてェ!」

 沈みがちな耕平さんを励ましてくれるのは、
 初めてのサイン会で行列してくれた読者さんたちと、
 振って湧いたような、文学賞へのノミネート!
 連絡を受けた時、携帯電話を握る耕平さんの手は汗でびっしょりになりました。
 まさか、ぼくが?

「わォ! おめでとうございまスなのでスゥ!
 よかッたでスよゥ~♪」

 ともに御本を作った編集者さん、
 知人、友人、書店員さん、
 そして他の誰でもないわが子・カケルくんと、
 チッチは怒涛の日々に放り込まれてゆきます。
 人生を大きく変える有名なな文学賞を受賞するのは、
 チッチなのでしょうか、
 それとも……?

「ちッちィ、がんばれェ!
 ちッちィ、まけないでェ~!」

 IWGPとは別の顔、いえ、別の筆で、
 石田さんが綴る《創作者》の物語です。
 互いを支えあう、チッチとカケルくんの頭上へふりかかる何条もの波――
 波を超えた先に、ふたりを待つものとは……?

 スリリング? 涙もほろり? さらにはエンタな『父子』の波乱万丈記、
 一気読みがおすすめ!ですよ~♪

「かけるくんのもとにィ、さんたさんがァ、きまスようにィ!」 
 
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