テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お江戸転生ものがたり? ~

2024-09-01 22:03:53 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きがつけばァ~しんがッきィ?」

「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!9月だよねえ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 台風との闘いにアタフタしているうちに、

 ハッと気付けば9月じゃありませんか。

 慌てて手帳の予定欄を確認しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 大江戸恋情本繁盛記 ――

 

 

 著者は ゆうき りん さん、2024年3月に発行されました。

 『How to Reiwa editor girl made a best seller book in the Edo period』

 と英語題名が、

 『天の地本』と日本語副題が付されています。

 

「どッかァ~んッ!」

「ぐるるっるぅ~る!」(←訳:がらがっしゃ~ん!)

 

 物語開幕の合図は、おそらく↑こんな音だったでしょうか。

 

 文政十一年(1828年)の、晩夏のこと。

 突如、雲もないのに天がカッと白く輝き、

 凄まじい雷鳴が轟いて、

 お江戸の街角に雷さまが落っこちてきました!

 

「ちがいまスゥ!」

「がるるるるぐぅるるがる!」(←訳:カミナリ様じゃないです!)

 

 あら、ホントですね。

 どこからともなく現われたのは、

 人間……のよう、なんです、けど……

 摩訶不思議な外観をしています。

 

 この時代にはあり得ないほど

 髪の毛が短くて、色も明るい?

 袖なしの上着に、筒袴?

 草履ではなく、沓(くつ)を履いている?

 

「みなさんッ、びッくりィ~!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:するよね普通は!)

 

 実を申せば。

 

 雷鳴とともに降ってきたのは、

 紛れもなく21世紀――令和の日本に生まれ、

 出版社にお勤めしている

 小桜天(こざくら・そら)さん。

 そして、

 

 これ、どうなってるの?

 

 と、見慣れぬ景色に度肝を抜かれ、

 呆然としているうち、

 番屋のお爺さんが彼女に突きつけたのは、

 刺叉(さすまた)。

 

 これがピンチでなくて何でしょう?

 

「へるぷゥ~!」

「がるる~!」(←訳:助けて~!)

 

 天さんを窮地から救い出してくれたのは、

 通りがかりの、お武家さまでした。

 

 遠野の旦那、と番屋のお爺さんに呼ばれる、

 謎めいたお武家さまに、

 信頼できる女性を紹介してもらった天さんは、

 程なく、自分の身に起きた出来事を知ります。

 すなわち……

 

   異世界転生!

 

「ぼふッ!」

「ぐるるるぅ?」(←訳:そうなのぉ?)

 

 天さんの解釈は、まあ仕方ないですね。

 20世紀のSFだったら、

 タイムトリップしちゃったんだ、わたし!

 となるところですけれど、

 今は21世紀。

 

 勤務している出版社さんのヒット作が

 《異世界転生》モノである天さんの場合、

 ここは異世界なんだ!

 って考えてしまうのは、

 ”編集者あるある”なのかもしれません。

 

 しかし、困ったことに。

 

 天さん、

 勇者でもエルフでも魔法使いでもなく。

 開け、と念じても、

 ステータスウィンドウは宙空に出現せず。

 

 ……どうやら、

 自分ひとりのチカラで、

 この異世界を生きてゆかねばならない、らしい?

 

 そうはいっても、

 わたしに出来ることって……

 出来ること……出来るのは……。

 

「あはァ!」

「がっる!」(←訳:あった!)

 

 時代は、文政(1818~1830)。

 

 ええ、そうです、

 かの北斎さん、現役です!

 バリバリ描いちゃってます!

 喜多川歌麿さんは残念ながら亡くなっておられますが、

 歌川広重さん、十返舎一九さん、それに

 曲亭馬琴さんも御存命ですよ!

 

 日本史上最盛期とさえ言える、

 文政期の出版世界へ、

 天さん、引き寄せられるように

 飛び込んでゆきますが――

 

「ふァいッ、そこまでェ~!」

「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 天さんの異世界生活、いえ、

 お江戸生活は、どうなる?

 

 シリアスとコメディが混在する

 文政×令和の《転生》譚は、

 SF好きな活字マニアさんに、

 シャレが分かる歴史好きさんにもおすすめですよ。

 江戸アート好きな方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

コメント
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