「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむむゥ! れんきゅうゥ~なのでス!」
「がるる!ぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!でも油断すまじ!)
こんにちは、ネーさです。
晴天から豪雨!という、お天気の急変が続いていますね。
お出掛け時も在宅時も、
雨雲レーダーでお天気の変化をこまめにチェックしたら、
さあ、本日の読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
―― 遠藤周作と劇団樹座の三十年 ――
著者は宮部尚(みやべ・なお)さん、
2024年7月に発行されました。
『Japan's Best Amateur Theatrical Group KIZA』
と英語題名が付されています。
「ふァ? きざッ??」
「ぐる……がるる?」(←訳:きざ……だよね?)
ええ、そうです、
『樹座』と書いて、『きざ』。
劇団の名前としては変わっていますけれど、
一度耳にしたら忘れない名前、でもありますね。
劇団樹座を立ち上げたのは、
作家の遠藤周作さん(1923~1996)。
『沈黙』『海と毒薬』他、代表的な著作は、
ローマ法王庁でもよく知られているというほどの、
昭和の偉大なる文豪さんです。
そんな名作家さんが創ったのだから、
樹座はきっと、ガチガチの正統派で大真面目な
ストレートプレイ劇団だったことだろう、と
想像するのも無理はありません、が。
「……もしかしてェ?」
「がるる??」(←訳:違うの??)
素人劇団。
いえ、言い直しましょう、
華麗なる素人劇団!
遠藤さんが率いる劇団樹座で演じられたのは、
『ロミオとジュリエット』『ハムレット』
『夏の夜の夢』『カルメン』……と、
昔から人気の、特に奇妙な点もない作品でした。
ところが。
遠藤さんの演出理念が、
変わりに変わっていたのです。
お芝居の幕ごとに、
主役を演じる役者さんが交代する。
脇役さんも、同じように、役者さんが交代。
「ええェ? それッてェ~??」
「ぐるるるがるぐるる!」(←訳:観ている方は大混乱!)
はい、まさに。
衣装こそ違え、
第一幕で主役を演じた役者さんが
第二幕では脇役や準主役に回り、
或いは敵方に回ったり。
第三幕では、また別の役になったり。
カーテンコールでは、主役の衣装に戻ったり。
観客さんが混乱するのは当然です。
では、お客さんたちが怒り狂ったかというと、
まったく逆でした。
「みんなァ、おおよろこびィ?」
「がる~!?!」(←訳:なぜ~!?!)
なぜって、
主役を演じるのは、
座長の遠藤さんをはじめ、
北杜夫さん、平岩弓枝さん、
佐藤愛子さん、山崎陽子さん他、
ベストセラー作家さんたち。
そこに、オーディションに合格して入団した
主婦さん、学生さん、銀行マンさん、
大学の教授さん、といった
¨一般市民¨さんたちが加わります。
また、素人役者さんたちとは対極に位置する
超一流のプロフェッショナルさんも、
樹座の舞台に参加していました。
美術や照明は、劇団四季さん。
バレエの振り付けは、森下洋子さんと清水哲太郎さん。
松坂慶子さん、名取裕子さんが演出に参加し、
音楽は黛敏郎さん等々……!
「しんじィられないィ!」
「ぐるるるーがる!」(←訳:クレイジーだよ!)
著者の宮部さんは、
新潮社で遠藤さんの担当をしていた編集者さんでした。
それが、或る日、遠藤さんが発した一言で
人生が一変した、といいます。
『君、芝居に出ないか』
「むむむむッ!」
「がるるぐるるる~!」(←訳:魅惑の名台詞だ~!)
遠藤さんの途方もない発想に巻き込まれ、
劇団の屋台骨を担う羽目になった宮部さん。
はたして、宮部さんが体験した
樹座での日々とは……?
遠藤周作さんのファンの方々に
激推し!な一冊です。
樹座の舞台を御存知の方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
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