テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ¨その後¨の奔走 ~

2024-09-10 22:03:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しゅぱァ~ッ、しゅぱぱァ~ッ!」

「がるる!ぐるるーがるぅ!」(←訳:虎です!ベイダーパパぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《スターウォーズ》でダースベイダー卿の声を演じた

 ジェームズ・アール・ジョーンズさんが旅立ちました……

 ジョーンズさんの功績に心からの拍手と感謝を送りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

            ―― 夏目家のそれから ――

 

 

 著者は半藤末利子(はんどう・まりこ)さん、

 2024年2月に発行されました。

 

 夏目漱石さん(1867~1916)。

 本名は、夏目金之助さん。

 近代日本文学の文豪は?と訊かれたら、

 漱石さん!

 と多くの人が即答すること間違いなしの作家さんです。

 

「いまもォ、だいにんきィでスよゥ!」

「ぐるるる~!」(←訳:猫派の星~!)

 

 1916年(大正5年)12月9日、

 漱石さんは鬼籍の人となりました。

 この御本は、漱石さんが去った後の、

 夏目家の人びとに起きた出来事を著した

 エッセイ作品集です。

 

 著者・半藤末利子さんは、

 漱石さんのお孫さんであり、

 お父上は作家の松岡譲(まつおか・ゆずる)さん、

 御夫君の半藤一利(はんどう・かずとし)さんも作家、と

 夏目ファミリーの核を担う御方ですが……

 

「ふうッ! いばらのみちィ、でス!」

「がるるぐる!」(←訳:苦闘の連続!)

 

 漱石さんが執筆の場とし、

 愛用した品々や、多くの資料を蔵する

 早稲田南町の《山房》。

 

 漱石さんの長女・筆子さんと結婚した松岡さんは、

 《山房》を日本有数の文化的財産と捉え、

 漱石さん亡き後、

 これを守るのが己の役目、義務であると考えました。

 

 現代でしたら、おそらく、

 自治体との協議を経て、

 《山房》を保存すべく専門家を招き……

 というように事態はサクサク進行するのでしょう。

 

 しかし、

 時代は大正です。

 

 お役所には、文化財の保護、なんていう概念はなく。

 お弟子さんたちは、一致団結!には程遠く。

 夏目家の人びとも《山房》の保存に

 あまり熱心ではありません。

 

 松岡さんは孤軍奮闘する形で、

 それでも《山房》保存を諦めず、

 日々奔走いたします。

 

「なんとかァしなくちゃッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:先生のために!)

 

 漱石記念館が完成するまでの、長い長い道程。

 御家族が目にした、漱石さんの日常の姿。

 好物や、書画にまつわるエピソード。

 悪妻と見做されていた漱石さんの妻・鏡子さんが

 細やかな気配りをする人だったこと。

 著者・半藤さん御自身の、

 家族との思い出。

 

 完成された小説作品からは窺えない、

 漱石さんの素の思考&行動が見えてくる

 ¨その後¨を綴ったエッセイ集は、

 近代文学好きな方々におすすめです。

 秋の夜の読書タイムに、

 皆さま、ぜひ♪

 

コメント
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