「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふうゥ~、もうゥげんかいィでスゥ~…」
「がるる!ぐるがるるる~…」(←訳:虎です!秋に会いたい~…)
こんにちは、ネーさです。
秋……いったいどこに行ってしまったんでしょう。
いつになったら会えるのかなぁと、
9月の猛暑でへとへとになりながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― カナリア外来へようこそ ――
著者は仙川環(せんがわ・たまき)さん、
2024年4月に発行されました。
「むッ? かなりあァとはッ?」
「ぐるるるるがるるるぐる?」(←訳:小鳥専門の動物病院かな?)
いえいえ、『カナリア外来』は、
病院の名前ではありません。
正式な名称は、
『保泉(ほずみ)クリニック』。
カナリア、というのは、
そのクリニックにやって来る
患者さんを指しているようですね。
例えば、
このところ頭痛とめまいに悩まされている
松崎和歌子(まつざき・わかこ)さん。
「あううゥ、ずつうゥ~…!」
「がるるぐる~…」(←訳:つらいよね~…)
頭痛の原因は何だろうか、と考え始めると、
和歌子さんの気持ちはいっそう落ち込みます。
会社を早期退職した夫が、
一日中ずっと家にいるようになって、
その頃から頭痛がひどくなった……
つまり、頭痛の原因は夫なのだろうか?
試しに、
一晩を実家に戻って過ごしてみたら……
頭痛は起こらなかった!
のですが。
保泉クリニックの医師・保泉先生は、
和歌子さんの説明に
納得していない様子です。
「ほんとうのォ、げんいんはッ?」
「ぐるる……?」(←訳:もしや……?)
頭痛の原因は、どこにあるのか。
心因性のもの?
細かなことを気にしすぎ?
それとも……
思い込みや妄想ではなく、
物理的な理由がどこかにある?
「しらべるゥべきでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:徹底的に!)
かつて、炭鉱で働く作業員さんは、
カナリアを籠に入れ、
鉱山での掘削作業に伴いました。
有毒ガスが坑道で発生した場合、
カナリアは人間よりも敏感だから、と。
和歌子さんのような、
原因がはっきりしない不調に苦しめられている人は、
現代のカナリア、なのでしょうか――
「みみをォ、すませばァ~…」
「ぐるるるがるるるるぐる?」(←訳:どこかでカナリアの声が?)
クリニックの扉を開けたなら、
ぶっきらぼうだけど、
本気で親身になってくれる
保泉先生が、そこに。
医療ミステリというよりも、
山あり谷ありの人間ドラマ集は、
エンタな小説好きな方々におすすめですよ。
本屋さんの文庫コーナーで、
ぜひ、探してみてくださいね~♪