テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 横溝さんの“武蔵野ミステリ” ~

2022-11-25 21:30:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 つぎはァ、にちようびィ~!」

「がるる!ぐっるるるる!」(←訳:虎です!わっタイヘン!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ドイツに勝利した日本の次戦は、

 日曜日のコスタリカ戦……

 って、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と放送時刻がカブるわ!

 どうしよう?と慌てながらも、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 南海囚人塔 ――

 

 

 著者は横溝正史(よこみぞ・せいし)さん、

 編者は日下三蔵(くさか・さんぞう)さん、

 2021年12月に発行されました。

 

 《横溝正史少年小説コレクション》シリーズの第⑦作には、

 横溝さんによる少年小説6作品と、

 作家・海野十三さん急逝を受けて

 横溝さんが書き継ぎ完成させた作品

 『少年探偵長』が収められています。

 

「よこみぞォせんせいィ~!」

「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:少年ものも書いてました!)

 

 つい数日前のこと、

 『殺人事件の起きないミステリー』というタグが

 SNSでトレンド入りしました。

 

 本好きな方々が推奨する

 “怖がりさんでも安心して読めるミステリー”が

 ずらりと並ぶその中に、

 あったのです、横溝さんの作品が。

 それは、

 

  『あかずの間』。

 

「わわッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:横溝さんらしい!)

 

 あかずの間、って一種の密室ですよね。

 密室ミステリ作家J・D・カーさんを敬愛していた

 横溝さんらしい題名だわ!

 これは読まねば!

 ……という次第で探し当てたのが、

 こちらの作品集『南海囚人塔』です。

 

 短篇『あかずの間』は、

 講談社の少女向け月刊誌『少女クラブ』

 1957年7月増刊号に発表されました。

 高木清さんによるイラストが付された

 この作品は――

 

「わくわくッ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:ドキドキするね!)

 

 東京のはずれ、

 吉祥寺の駅から歩いて25分もかかる

 さびしい武蔵野の林の中に

 ぽつんと立つ一軒家。

 

 小学3年生の由紀子(ゆきこ)ちゃんは、

 おうちが貧しいため、

 このお屋敷へ引き取られてきました。

 

 学校に行っている時間の他は、

 家の用事をあれこれ言い付けられ、

 こき使われている由紀子ちゃんですが、

 悲壮感はありません。

 

 身体は丈夫だし、

 働くことは好きだし、

 何の不平もない……んですけど。

 

「けどッ?」

「がる~…」(←訳:けど~…)

 

 お屋敷に住み込んで2ヶ月弱。

 由紀子ちゃんは気付いてしまいました。

 

 庭の奥にある

 古ぼけたひとつの土蔵。

 

 あの土蔵の中に

 誰かがいる……?

 

 屋敷の主人に代わって留守を預かる夫婦は、

 まもり神さまをお祀りしてあるのだ、

 だから土蔵に近寄るんじゃないよ、と

 由紀子ちゃんに命じます。

 

 しかし……しかし……

 

「やぱりィ、だれかァいるゥ?」

「ぐるがるる?」(←訳:音がするよ?)

 

 閉ざされた土蔵の秘密と、

 由紀子ちゃんはどう対峙するのか。

 

 カーさんの密室ミステリというよりも

 コナン・ドイル卿の『ブナの木屋敷』を思わせる物語は、

 ごく短いものですが、

 横溝さんの“得意技”が詰め込まれています。

 

 どこか不気味な屋敷、

 土蔵(座敷牢)の奥の人の気配、

 ヒロインの勇気と行動、

 そして、結末は――

 

「しッ! ねたばれェ、だめェでス!」

「がるぐるぅ!」(←訳:厳禁だよぅ!)

 

 御本の巻末には

 横溝さんの思い出を語り合う座談会などの資料、

 編者・日下さんによる解説も収録されています。

 

 横溝さんのファンの方々は、

 由紀子ちゃん頑張れ~!の声援とともに、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

  

 

 

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