「こんにちわッ、テディちゃでス!
つぎはァ、にちようびィ~!」
「がるる!ぐっるるるる!」(←訳:虎です!わっタイヘン!)
こんにちは、ネーさです。
ドイツに勝利した日本の次戦は、
日曜日のコスタリカ戦……
って、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と放送時刻がカブるわ!
どうしよう?と慌てながらも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 南海囚人塔 ――
著者は横溝正史(よこみぞ・せいし)さん、
編者は日下三蔵(くさか・さんぞう)さん、
2021年12月に発行されました。
《横溝正史少年小説コレクション》シリーズの第⑦作には、
横溝さんによる少年小説6作品と、
作家・海野十三さん急逝を受けて
横溝さんが書き継ぎ完成させた作品
『少年探偵長』が収められています。
「よこみぞォせんせいィ~!」
「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:少年ものも書いてました!)
つい数日前のこと、
『殺人事件の起きないミステリー』というタグが
SNSでトレンド入りしました。
本好きな方々が推奨する
“怖がりさんでも安心して読めるミステリー”が
ずらりと並ぶその中に、
あったのです、横溝さんの作品が。
それは、
『あかずの間』。
「わわッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:横溝さんらしい!)
あかずの間、って一種の密室ですよね。
密室ミステリ作家J・D・カーさんを敬愛していた
横溝さんらしい題名だわ!
これは読まねば!
……という次第で探し当てたのが、
こちらの作品集『南海囚人塔』です。
短篇『あかずの間』は、
講談社の少女向け月刊誌『少女クラブ』
1957年7月増刊号に発表されました。
高木清さんによるイラストが付された
この作品は――
「わくわくッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ドキドキするね!)
東京のはずれ、
吉祥寺の駅から歩いて25分もかかる
さびしい武蔵野の林の中に
ぽつんと立つ一軒家。
小学3年生の由紀子(ゆきこ)ちゃんは、
おうちが貧しいため、
このお屋敷へ引き取られてきました。
学校に行っている時間の他は、
家の用事をあれこれ言い付けられ、
こき使われている由紀子ちゃんですが、
悲壮感はありません。
身体は丈夫だし、
働くことは好きだし、
何の不平もない……んですけど。
「けどッ?」
「がる~…」(←訳:けど~…)
お屋敷に住み込んで2ヶ月弱。
由紀子ちゃんは気付いてしまいました。
庭の奥にある
古ぼけたひとつの土蔵。
あの土蔵の中に
誰かがいる……?
屋敷の主人に代わって留守を預かる夫婦は、
まもり神さまをお祀りしてあるのだ、
だから土蔵に近寄るんじゃないよ、と
由紀子ちゃんに命じます。
しかし……しかし……
「やぱりィ、だれかァいるゥ?」
「ぐるがるる?」(←訳:音がするよ?)
閉ざされた土蔵の秘密と、
由紀子ちゃんはどう対峙するのか。
カーさんの密室ミステリというよりも
コナン・ドイル卿の『ブナの木屋敷』を思わせる物語は、
ごく短いものですが、
横溝さんの“得意技”が詰め込まれています。
どこか不気味な屋敷、
土蔵(座敷牢)の奥の人の気配、
ヒロインの勇気と行動、
そして、結末は――
「しッ! ねたばれェ、だめェでス!」
「がるぐるぅ!」(←訳:厳禁だよぅ!)
御本の巻末には
横溝さんの思い出を語り合う座談会などの資料、
編者・日下さんによる解説も収録されています。
横溝さんのファンの方々は、
由紀子ちゃん頑張れ~!の声援とともに、
ぜひ、一読してみてくださいね~♫
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます