



気が付けば5月も半ば。
「まだシーズン初めだし…」などと言い訳しながらあちこちの岩場を彷徨っている。
昨年はすでに「ソルジャーブルー」のトライ仕切り直しを始めていたことを考えると、何か気持ちの変化があるのかもしれない。
今日はシーズン初の修験の壁。
眺めのいい岩場で過ごせるのは幸せなことです。
現地で待ち合わせなので、下地整備のため早々に森を歩き始める。
新緑の瑞々しい美しさには心が躍る。
岩場に着くと、一人眺めを堪能しながらリビング整備。
いつの間にか、この景色は季節の変わり目ごとに眺めたいと思うようになっている。
今度、真冬も来ようかな…。
到着した皆様が「陽当たり良好」をされるというので、先に登らせてもらう。
新緑にブルーが映えるHYさん。
同じように「甘い男」も登らせてもらう。
さて、少しまじめに「意志を継ぐ者」をやろうかとも思ったが、KMBさんとONさんが「狐の嫁入り」をやるというので、便乗する。
とても気に入ったルートだったので、珍しくムーブはすぐに思い出したが、保持力は持たず。
でもおもしろい。
ガバを思い切りつなぐ、とか、微妙なバランスで立ち込むとか、細やかな足遣いでムーブをつなげるとか、要素が満載なのだ。
このムーブを楽しむことに決めて、昼食。
高台テラスでの食事はいつもおいしい。
登る気なさそうに佇んでいたN道さんが「山伏」をやると言う。
「登れなかったら回収できないな。」とつぶやきながら、山伏をマスターで登る傘寿越えの方。
1990年代前後は60越えて12登ってたら、山岳雑誌で記事になっていた。
今なら60越え13もそこそこいそうだが、80越えの11なら記事にならないのだろうか…。
みなそれぞれ、自分の登りを楽しみ、自分も2トライ目のキツネをやるころには雲行きが怪しくなってきた。
それぞれの登りを終え、そそくさと片付けて終了。
シーズン開始期は、ここで新緑に目を癒し、眺めを楽しみ、冬の間に崩れた地盤を整えたい。
そんな望みは全て叶った。
どうでもいいことを考えながら、また魔人岩を訪れる。
緑がだいぶ増えた。
ここはテーブルリッジを登る人から丸見えで、体内巡りを巡る人を見下ろすことができる場所。
目の前の岩塔はエビス岩だ。
緑で覆われる前の今頃は、意外と眺めがよく幸せだ。
付き合いの気持ちで、体を岩になじませることを目的に来ているので気楽だが、同行の皆様はそうではない。
皆様が目的としている「閃光に向かって走れ」は、故吉田和正氏の晩年の作。
写真の右手ホールドは、かっぱもなかなか決まらなかった。
左手の握り方、左足の位置と置き方、右足の位置をあれこれ試して、今日は決まった。
登りたいという気持ちが薄い分、ムーブを試すのを楽しめているのかもしれない。
いろいろ考えたいことはあるが、1テンで抜けた。
今日は2回も上まで抜けた。
上出来すぎるので、3トライほどでやめる。
回数を重ねているKMBさんは、最後のトライで見事にRP。
こだわりのライン取りで、考え抜いたムーブにこだわってのRPは、喜びと示唆を与えてくれる。
ありがたい。
御大N道さんのトライもいろいろと感慨深い。
岩の谷間でおじさん4人でワイワイ楽しんだ。
緑の芽吹きと鳥の声、クライマーのコールとハイカーの談笑…。
休日をのんびり過ごすのはやはり岩場がよきかな。
峠は車でいっぱいだったけど、人とは行き帰りしか直接対面せず。
赤岩が混み合うシーズンですね。