修験の壁。
春は、あちこち訪れたい。
まだ、義経岩に行っていないのが寂しい限りだが、この歴史が新しめの壁も訪問できるのが嬉しい。
しかし、ミストワールド。

全く天候不順が続く。
ついてすぐに岩自体のミスト具合を確かめに「陽当たり良好」を登る。
登れて安心するとともに、すぐ晴れると勝手に思っているのでヌンチャクを残す。
しかし、晴れない。
ガスはどんどん濃くなり、水滴が体に当たり始める。
同行者5名、皆が帰りたがっているのが分かる。
整備的土木作業もあるので、刈り払ったり、平らをはっきりさせたりする。

せっかく来たから
昨年シーズン末の整備はうまくいっていたようで、崩れが少ない。
嬉しい。
遅れてきたWさんは、「よく登ってますねえ。」と、あきれ顔。
まともに登れる感じではないので、「キツネの嫁入り」をTR化。
少しあそぶが、まだこの時期は全く登れない。
でも、皆様もそれなりに遊ぶ。

全く陽当たり良好ではない。
誰もが昼過ぎには晴れると信じていたが、結局12近くなっても晴れず…。
あきらめ、撤収。
海が見えたのは、朝と11時ごろ目を凝らしての一瞬のみ。
先週の富良野岳ピーク近くと似たような願望と苦笑いの日。
でも、多くのシーズン初の皆様にお会いできました。
皆様お元気で何より…。
山から帰って予報を見ると晴れ晴れしている。
遠くから来て近所で遊んでいる方々がいた、と思い出し連絡。
ありがたいことに、かっぱワンダーランドのガレ横エリアを希望してくれた。
という訳で楽し、麗しご案内海岸歩き。

チャラセナイ滝も水量が落ち着きだした。

明るい海岸歩きは楽しい。
岩を眺め、海を眺め、釣りのおじさんと話しながら、のんびり歩を進める。
ガレ横に着くと、2人はエリアの岩の広がりに子どものように喜んでくれた。
だから、端っこまでご案内。
このエリアの全容については、こちらをご覧ください。
端っこにはくじら岩がある。

中央部のラインは、だいぶ前に少しやって結局完登していない。
マット1枚ではちょっと怖いからだ。
逆の端の「イクパスイ」に戻る。
2人ともあっさり登った。

さすがだ。
焚き火をしながらお湯を沸かし、のんびり過ごす。
風は冷たいが、太陽が出ると暖かい。
眺めはよいし、岩も豊富。
幸せな場所だ。
すぐ横の腰掛け。
伝えた課題をあっさりこなした2人は、新しいラインを模索し始める。
そして、これも数回で収めた。
「ロングチェアー」と名付けられた。

春のかっぱには全く手が出ない。
この左の「石斧岩」でも、ラインを見い出しながら楽しく会話を続ける。
ボルダー好きな人たちのムーブ研究欲とライン見い出し欲には頭が下がる。
帰りは丸い石探しと、ウド狩りを楽しむ。

夕暮れの美しさが感じられる海岸をあとにした。
富良野岳から前富良野岳に縦走し、前富良野岳の原始が原向きの斜面を滑って遊ぼう、という、山スキー締めくくり企画だったのだが…。
いつものUと原始が原登山口へ。

鹿が出迎えてくれた。
鹿の視線を気にしながら、テン場を整え2人宴会。

賞味期限切れのα米と焼肉に舌鼓を打つ。
α米になんで賞味期限があるんだろう。
翌日、若干じじい気味の2人の目覚めは早い。
4時半にはテン場を発つ。
夜中はパラパラ雨が降り続いたが、天気予報は終日晴れ予報。
小雨の中、「何時に晴れるかな。」と話しながらスキーを担いで歩きだす。

二の沢の手前くらいから、スキーでウロコ登行。
残雪期の雪にはウロコはとても利く。
調子よく登るが雨が止まない。
三の沢付近を登りだすとガスが周りを取り巻く。
けっこうな降りになり、濡れるのもやだし、天候回復を待つ必要もあり、2,3度針葉樹の陰で雨宿りをする。
それでも、標高を上げ続ける。
が、ガスは濃くなるばかり。

森林限界前で、30分以上天気待ち。
5月だというのに寒い。
「きっと、街は晴れているんだろうねえ。」などと話しながら天気図談議。
それでも、まだ「晴れる。」と思っているから進む。

登山道より東の沢型にルートをとった。
ときどきはい松を横目で見ながらも、板を付けたまま進んだ。
薄い新雪が積もっているが下地は硬い。
今回は、シーアイゼンSKEATS Glide Finsが大活躍。

シールなしで、1600過ぎまで登り続けた。

だんだん、板を背負う方が楽な感じになり、シートラ。
しかし、ますます風は強くなり晴れる気配は全くない。
はい松を踏みしめながら標高を上げる。
1700mを越えると、足元のはい松以外見えなくなり、風も更に強くなる。
「これは、まずいね。」と話しながらも、まだ少しだけそのうちおさまると思っているので、ザックを風避けにして休む。
ちょっとだけ風がおさまったような気がしたので動き出す。
で、なんとか稜線に出る。
すると、まあ、ものすごい風。
「さっさとピーク踏んで標高を下げよう。」と話し、進む。
が、ホワイトアウトが手強い。
周囲の様子がほとんど見えない。
稜線なので、左右とも切り立っているはずだ。
ときどきうっすら広がる視界もそれを裏付けている。
加えて、ときどき耐風姿勢をとりたくなる風。
「すぐに標高を下げようね。」となってとりあえず、暴風圏から強風圏まで標高を下げた。
多分1700m前後の沢型状の場所でしゃがんで待つ。
まだ、ピークに登り返すつもりでいるが、一向に晴れてこない。
「終わりだね。」と相槌を打ち、ほぼほぼ真っ白の中、下山を始める。
ちょっと下りると、登山道とかぶっている沢型がはっきりしたので滑り始める。

雪は悪くないのに、ちっとも楽しくない。
このまま下ると狭い沢型を滑ることになるので、板を履いたままはい松を2回ほど乗り越え、広い斜面に出た。
1400mくらいになると視界は開け、大きな斜面を目で理解しながら滑ることができた。

楽しく広大な斜面だった。
そして、ようやく晴れ間が広がり始めた。
ピークはずっとガスに包まれてますけどね。
前富良野とのコルを通過し、1400のコブまで登り返す。
原始が原も眺められるようになり、幸せを感じる。
2022年のGWに行った大麓山も存在感のある姿を見せた。
下山に向けた滑りに入る。
途中でだいぶ晴れてきたのでラーメンタイム。

青空は広がるが、富良野岳ピークはまだ見えない。
適当に下って二の沢手前くらいの登山道に出た。
すっかり春らしい陽光と気温の中、アトラクション的な登山道滑り。

最後の1.5㎞ぐらいは、スキー靴でぐちゃぐちゃ道を歩き下山。
14時前には下山したので、ハイランドふらの温泉に浸かる。
疲れを癒すと、富良野岳のピークがようやく拝めた。

今なら、登れるなあ。
やる気もたいしてなく、が、散歩がてらのつもりで赤岩へ。
峠から懐かしい方々に出会う。
半年ぶりのすーさんとクリスタルフェースへ向かう。

44が丸見えの春が美しい。
好きものな面々が4名、先にクリスタルで遊んでいた。

懐かしきこの眺め。
また、来られたことに感謝。
だから、もう満足気分でまったり落ち着く。
同行すーさんは、今シーズンのトライに向けて、石狩湾にヌン掛けをする。

この手伝いができるだけで、満足なのだ。
とはいえ、来たからには何か登る。
まともにロープを扱うのは11月以来か…。
どきどきしながら、赤壁クラック。
うむ、問題なし。
足は上がるし、視線は上を見ている。
続けて、上を見て。
これも、問題なし。
傾斜が強くなっても、数手先まで読んで突っ込めば、問題ない。

写真は、すーさん。
さて、44へ向かう予定だったが、考えた。
傾斜の続くのは無理そうだ。
でも、バランス重視のラインなら、グレードが上がっても大丈夫かもしれない。
そうなると、この場に残り、サバイバル。
指はしっかりかかる。
バランス部分は足で登る。
核心が心配だったが、岩が欠けてスタンスが明快になっていたおかげもあり、この日初のムーブで通過できた。
嬉しい。
クライミングは楽しい。
最後は、44。
大きなホールドがなくなったという噂の「おやすみ」でおしまい。
春の岩初めに、11含む4本も登れて大満足。

陽光とカタクリが祝福してくれた。