なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

イグルー泊実験も充実! 夕張マッターホルン1415m峰

2023-03-27 | 雪の山
大先輩S田さんと、夕張マッターホルンで気持ちが一致。
仕事持ちのかっぱに日程を合わせてくれた3月25、26日の2日間で山に入った。


1日目
7:00頃十梨別集落に到着。
7:30、除雪止め地点から出発。
今回はスキー登山派の自分にS田さんが合わせてくれた。
当然ウロウロ板はお持ちでないので、ウロコかっぱとシール登行のS田さんという取り合わせ。

桔梗川出合いまで約8㎞の林道歩き。
渓谷が深い割には高低差が少ない。3時間と少し歩くと桔梗川が見えてきた。

ここでいきなり第一関門。
うわさの作業道跡が見当たらない。
奥に回り込んでいるのだろうという話になり、一旦沢に降りる。

沢沿いを進むと作業道跡はすぐに見つかるが、すぐに2回の枝沢徒渉、少しあけて3回目の枝沢徒渉が続く。

写真は2回目。

地図で懸念を感じていた崖マークで上下を囲まれた地帯の終わり部分。

慎重に通過。
12:30頃、地形図にある617m地点。
ここから沢型に入っていく。
すぐにデブリ地帯を通過。

1146m峰南面、びっくりマーク地形の雪が全部落ちていてわかりやすい。

1112m台地が近づいてくると沢型が広がる。

なんとなく登りやすいところを登るうちに、1112から西北西に伸びる尾根に自然に追いやられた。
14:30、1112m台地。
思ったより白樺多くてびっくりしたが、すぐに針葉樹に囲まれたなだらかな歩き。
ちらちらと目的Peakが顔を見せ始まる。

15:20、七つ池平地に到着。
夕張マッターホルンを眺めながら、イグルスキー式イグルー作りにチャレンジ。

古希が視野に入る年齢ながら、無邪気にイグルー作業を進めるS田さん。
本で読んだイグルーを試したいと事前に話していた。
マッターホルンを眺めながら作業し、一晩過ごせるなんて久々の贅沢。

翌日写した、完成写真と室内。

2人で1時間40分ほどで完成。
実践している北大山岳部OB米山さんの記述では、1人で40分で作るらしい。
慣れたら1時間くらいでできそうな気もする。

夜は、ビールとウイスキーで山に酔う。


2日目
当初は吉凶岳も踏みたいと考えていたのでこの場所をテン場にしたが、この日の天気は不安があった。
しかし朝時点では悪くない。
5:40、雪は締まっているので最初からアイゼンをつけてアタック開始。
近くまで来ると青空が広がってきて幸せ感に満たされる。

早朝なので雪は硬かったが、前日ズボズボ時間帯に登られた方がいるようでトレースがはっきりしている。

助かるなあ、などと話しながらぐんぐん高度を上げていく。

広がる芦別~夕張稜線に感動。

夕張マッターホルン1415mPeak。

風もなく、穏やかな気持ちでしばしまったり。
見下ろす市街地方面の谷間には雲がたまってきている。
回復見込みはない天気図だったし、雪の硬さから吉凶岳登りは手間取るだろうなど複数要素から下山を決める。

まだ雪が硬いのでクライムダウンスタイルで下る。
途中で芦別岳から縦走してきた北大山スキー部の面々とスライド。
聞けばイグルーを見て、北大山岳部OBかと思ったというではないか、「完成度が高かったということ⁈」とS田さんと喜び合う。

お片付けとイグルー処理をして、下山開始。

約5時間半で下山。
トナシベツ本流沿いを歩く頃には雨がぱらついてきた。
荷物を片付け車に乗り込むと、土砂降りに近い雨。
よい判断で下山できたと満足。

計画もルートも変化が多くロマンあふれる山行で大満足。

強風にオロオロしながら、ホロホロでウロウロ。

2023-03-19 | 雪の山
今シーズンの春の日帰りロングラインの近場編その2

徳舜別川を取り囲むようにして、稜線の半分を堪能する作戦。
ちょうど通り道に噂の氷筍があるようなので寄ってみる。

溶け具合が微妙で、なんかありがとうって感じ。

少し進んで徒渉。

心配したけど、なんともなかった。

硬い雪を踏みしめながら広い尾根を上がる。
雪が硬かったこと以外はなんともない、登りやすい尾根。
稜線に上がると沢から吹き上げる風がきつい。
1071m峰は、3等三角点「中島」と言う。ここは広い台地になっている。

Peakらしきところまで来ると、オロフレ山までの稜線がきれいに見える。

広く平らな稜線は、歩きやすそう。

もう眺めはたまりません。

目指す3山を見つめながら稜線を進む。
地形の変化が多いだけなら単純にウロウロ板で楽しめるけど、雪が硬い。
シールをつけたまま歩く。風もきつめ。

でも、眺めは始終素晴らしい。

オロオロ山が近づいてくると、1049コル手前のポコが岩稜状。

ここは東側トラバース。
雪が硬いのは風の当たる西側なので、東側は柔らかく安心してトラバースできた。


ずっと眺めていられるので、永遠に稜線を彷徨いたい衝動に駆られるが、オロオロ山が確実に近づいて来る。
硬い雪を慎重に歩いているので、心の疲労を癒すためにお昼ご飯。

支笏湖周辺の山々を眺めながら…ね。

オロオロ登りはアイゼン着用。

若干西向きなのか、雪が柔らかく急な割に安心して登れた。

オロオロ山Peak。
振り返れば、この稜線の全てが見える。

歩いたのは半分ですけどね。
そして目指す方向。

輝くホロホロ山と徳舜別が美しい。

ホロホロからコルへはスキーで滑れた。

ホロホロまでの登りは、めんどくさいから板を担ぐ。
ここはツボで大丈夫。

ホロホロ山Peak。

これでホロホロ山は3方向全てから登頂。自分的にちょっと貴重な山。

だいぶ疲れたけど、さあ、徳舜に行くぞ~。

ホロホロ下りは板を担いだまま。
雪が締まっているので、そのまま担ぎ続ける。
徳舜の最後の急登は2度目のアイゼン着用。


そして徳舜別山Peak。

ここも眺め最高です。

あとは下るだけだけど、上部は灌木ガシャガシャが多すぎてスキーでは下れず。
シートラしたまま下る。時々ずぼっといった。
Co1000mくらいで針葉樹が出てきて、その辺からは滑って下る。
林道と植樹地帯を滑りスタート地点に戻った。

相棒Uの計測では、2週前の22㎞歩いたウロウロ旅よりも消費カロリーが多かったらしい。
シートラと滑る距離が短いからかな。
今回は総距離18㎞ほど。

今日も心身ともに大満足。



八内岳は断念。ブッシュいっぱいの木無山725m

2023-03-12 | 雪の山
なんだか仕事の疲労を引きずりつつ、1人で車を走らせる。
共和町から木無山に登り、八内岳まで歩いてみようと思ったが、木無山のみ。


登山口。

こりゃあ、ブッシュだなあ、木無山なのに…。

林道はすぐ終わる。
でも尾根沿いは歩きやすい。

これぐらいのブッシュなら気にならない。ヤブ山ウロウロスキークライマーなので…。
尾根に上がってすぐは、こんな感じ。

春ですね。

でも、歩きやすいところもある。


地形図で細長くなっているところまでは、問題なし。
そして、細いところは採掘場の真上。

この辺、尾根通り行くと細ブッシュが濃いので、ヤブ山ウロウロスキークライマーでも嫌な気持ちになる。
だから採掘場の最上部に一度出る。でも、尾根に戻らざるを得ず、少しの間嫌な気持ち。

Co489mを越えたコルは平坦で幸せな場所。
ここから急登。
雪が硬いので慎重に登る。

雪庇の弱点を見つけてPeak稜線に出た。


Peakは、なかなか眺めよし。
雷電から羊蹄まで一望。

ここで八内岳への稜線を眺めながらしばし思案。

稜線はいい。
でも風が強い。風向きから考えて向かえばずっと強めの風だろう。
そして雪が硬い。ヒダヒダ稜線は快適には滑れないだろう。
なんだか疲れているしなあ…。
ということで、下山する。

Peak直下の斜面はよかった。

雪がいい時期なら、心から楽しめそうな斜面だ。

採掘場上部で風のないところを見つけて、早めのお昼ごはん。

ぼんやりしているが、眺めはよい。

登りで嫌な気持ちになったブッシュ帯をバチバチ言わせてすり抜け、嫌な気持ちにならなかったところは、雪が硬めなので慎重に下る。最後の沢型からはシャリシャリの重雪、板は走るがうまく曲がれない。

11:20下山。
ブッシュ、雪質、地形などなど、短いが変化が多く楽しめた。


ペーペナイ流域探索の結実ライン 京極椴山1016峰~中岳

2023-03-05 | 雪の山
1016m峰は、三角点名が「椴山」なのだが、椴山はあちこちにあるようなので、「京極椴山」と呼ぶことにした。
数年前から、ペーペナイ川流域の山々を登ってきた。
どこも稜線が広く山が深くて、とてもよい。
で、春のロングラインを求めて、3人パーティーで椴山と中岳をつないでみた。


林道スタート。まっすぐ533m地点を目指す。

727mポコに上がれば、すぐに開けた稜線が広がる。
ここからずっと、眺めのよい広々稜線。

送電線をくぐると917mポコ。右から巻いて台地に出る。
ここからの急登は、ちと手ごわいが、岩がぼこぼこ生えていてかっこいい。

それを上がると台地が広がり、奥の横長がPeak。

このPeak、ペーペナイ川流域のど真ん中的な位置にある。
だから、喜茂別岳から中岳、無意根山、美比内山など低めの山々稜線を経由し余市岳まで、派生を見渡すと本倶登山までぐるっと見える。感動的な場所ですよ。

これ、中岳&無意根。こっちからの中岳は存在感あり。

奥に余市岳。南岳への派生尾根も丸見え。

椴山Peakを後に、中岳へ向かう。

雪庇はあるけど、広々していて滑るところが出てくる。

1000m広々台地で食事。


中岳稜線に取りつき、Peakへ。

ここら辺はさすがに強風。

でも眺めはとてもいい。ここまでくれば、中岳東側も遠くまでよく見える。

いつもは岩々しい中岳Peak東側もまだ雪がたっぷりついている。

さて下り。

最高ですね。
雪も悪くない。

あとは沢型にはまって下りるだけ。
全身で春と山と雪を楽しんだ。