なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

海はすっかり秋の色 風の強い雄冬大壁

2022-08-28 | 
珍しく大所帯での1日。
9人で雄冬大壁。

かっぱは、この壁の全ルートRP完結を目指し、遊ぶ気満々。
先週からOS続きのWさんに記録更新をねらってもらう。

「サグラダファミリア」なんなくクリア。
その後、「アルハンブラ宮殿」も危なげなく突破。

過去の記憶のないかっぱは、「ドン・キホーテ」を一応やっておく。

風のが強いので波も強い。そんな中2本やってボーっとした後、Wさんにお願いして「ゲルニカ」に向かう。
1P目11c、以前来たときは、このパートをフォローした。
「3次元的なクライミング」をリードで体感。初めて読んだときは「3次元じゃないってなんだよ」と思ったのだが、登ってみると、「確かに3次元的だ}と納得。
レストポイントは多いので、難なくRP。

1P目のフォローWさん。
波の模様がいいでしょう。

1P終了点。つまり2P目スタート地点。

なんとも居心地のよい住処のような場所。

2P目10dは、以前リードRP済みだが、連続で登ることに意義があるのかもしれないので登る。
出だしのコーナークラックがかっこいい。


最上部が少しいやらしい。
自分の10d感にぴったりです。

60mロープがないので、2本持って上がっていた。
下りは1P終了点までダブルで一度切り、そこから基部まで懸垂。
50mで余裕をもって届いた。
恐らく47mくらい。

2人で長く岩の途中にとどまっている間に、下の皆さんはボルダーに夢中。
波問題も大きくなって、移動があったものの夕方まで元気に楽しんだ。

あちこちのやり切れていないのが、どんどん片付いてきて楽しい。

少し標高が高いと少し涼しい ~銭天の岩~

2022-08-21 | 
銭天未経験のWさんが付き合ってくれるというので、銭天へ。
8時過ぎには岩の基部へ。
とりあえず「リゾートクラック左」。ボルトのルート。

WさんのOS祭りを提供。
かっぱは、前回逃した「エスキモーロール左」をやる。
なんだか戸惑うラインだが、無事RP。
Wさんに「エスキモーロール直上」(この名前適当です。多分そうかな、ということで)を提供。

なんなく1撃。

「ウルトラセブン」から、「中央カンテ直上」ラインをねらいにいく。

Wさんはレイバック初体験に苦しむ。
でも後でTrでやって、コツをつかんでいた。
「中央カンテ直上」は、核心で以前からやっていた自分のラインにこだわりすぎて1テン。
ボルトが付いたラインを素直にたどればいけると確信したので、暑いからやめた。

同じ地点から、「リインカーネーション」ラインに行ける。
Wさんにお勧め。

遠めのピンのどれをつかんでいいかわかりにくい、フリークライマー泣かせのルートを見事OS.

「中央チムニー」を体験してもらいたくて、「スリーピングアイズ」から上がる。
キャメ3番があると安心です。なかったけど…。

写真は「中央チムニー」
体が入ると安心だそうです。

残しておいたロープで、また「ウルトラセブン」に上がる。
荷物を背負って2P目をリード。
最後ははさまるから、荷物がつらい。

で、Peakに寄って終わり。

全8P登攀。
暑さの中、充実の1日。






芦別本峰西壁登攀中に撮っていただいた!

2022-08-17 | 
先日の芦別本峰西壁登攀の様子を、たまたまユーチューバーの方に撮っていただいていた。
とてもありがたい。
で、その動画がアップされていた。
自分にとって記憶に残る山行だったので、なんとも嬉しい。

動画は、旧道登山から始まっており7分30秒ほどのところで、本峰西壁「ダイレクトルート」登攀時の様子が映し出されています。

山親爺さん、他にも、北海度の山々でのドローン空撮を含む映像を、あまり間を置かずに投稿されていて、高い情熱と体力を感じます。
今回の動画には本当に感謝です。

青い空と海に包まれて

2022-08-15 | 
晴れている日は見晴らしのいい岩に登りたい。
だから、1Eさんから「雄冬大壁にしませんか?」と、言われて大喜び。
喜び勇んで9:00には岩基部に到着。

久しぶりのMさんとその同行者Sさんもすぐに到着。
2人はすぐに登りだす。
Eさんは、初雄冬大壁なのでOS祭りに向けて、どんどん先に登ってもらう。
かっぱは10年ぶりなので、ゆったり同じルートを楽しむ。
まずは、「フラメンコ」5.9。

下から撮ると5.9に見えない。

続いて「サグラダファミリア」10b。

写真はMさんリード時。
どちらのルートも難しくないけど、豊富なホールドを選んでムーブを楽しめる。

お次は大好きな「アルハンブラ宮殿」10c。
頭の中はイベリア半島、バックは地中海と錯覚していると穴ぼこが幾何学模様に見えてくる。

Eさんはここも初登1撃。

暑くなってきて海に飛び込んだ後は、「ボナニート」5.8。
Mさんが、「最後まっすぐ行くとおもしろい」と言うので、やってみると気持ちグレードUpで楽しい。

昼過ぎまったりタイム。Mさんたちは「7本登ったから、終わり」と帰宅。
「ガリバーやってみようかなあ」とつぶやくと、Eさんが「いいですよ」と言ってくれた。

5.8と11bの2P。
これは完全に未登。ぼんやりワクワクしながら足を踏み出す。

さて問題の2P目。

何となく持ってきていた赤キャメと緑エイリアンを持って動き出す。
クラックに入るまでは何でもない。ピン間隔を見て出だしで緑エイリアンを決める。
完全にクラックに入って少しすると足元がへこんでいてスタンスがないところがあった。
左のスラブで何とか足を止め、思い切ってクラックに足をひねって突っ込む。
そーっと立ちこんで足をフラットに戻していくと、フットジャムが決まって乗り込めた。「フー、」
途中で赤キャメを決めて、腕を突っ込んだり、レイバックしたりして、ひいひい言いながらクラック地帯を越える。
傾斜が緩んで楽になるとすぐに終了点。


左にハンガー2つ、右にケミカル2つ。どちらも鎖も残置ロープもなし。
50mロープ2本で登ってきたので、「Eさん苦しむだろうな」と思いつつもすぐに登ってもらう。

2P目終了点から懸垂。

素晴らしい青空の中、登ったラインを見ながらの懸垂は気持ちよい。
この後ちょっと問題が発生したが、何とかクリア。
無事に基部に戻ると、夕暮れの太陽が海に道を描いて迎えてくれた。


今回の「ガリバー」11bは、オンサイトグレードの更新。
ひいひい言いながら、全身を使いじりじり高度を上げていく、でも全部がクラックではないこういうルートは自分に合っているなあ、と感じ入りました。
一応追記が2点、60mロープで行った方がよいです。問題は2本で登ったのが原因。
あと、クラックのみのグレードなら、これは10台だと言う、経験豊富な知人がいます。
確かにそうかも。

美しすぎるトムラ西沢 ~パンケトムラウシ川遡行~

2022-08-12 | 沢登り
最近の地図ではパンケトムラウシ沢となっている、トムラ西沢を遡行した。
滝なら何でも登りたがるかっぱと、どんな状況でもビレイできるU、そして体力最強ポジティブ男のしょうたろさんというメンバーで、ひと気のない場所で大騒ぎの充実した2日間。

10日に前泊、素敵なテン場をこしらえて、早々に酒に浸る。


11日 4:50、C発。廃道となった林道をぐいぐい歩く。
5:30、地図通りの場所で西沢と出会い、入渓。
940m付近から、美しいナメが始まり、水のきれいさ渓相の美しさと相まってウキウキ。


6:30、さみだれ状の美しい滝が現れる。ナメの後にさみだれとはにくい演出。

高さがあるので早速ロープを出し左岸を直登する。3人で20分ほどで通過。

6:55、滝というより「壁」と言った方がいい地形が眼前に現れる。

水は伏流となっているようで見えない。
左岸の傾斜の緩いところから草付きを、滝落口の高さまで這い上がりブッシュ帯に到達。
滝の右側にコル状地形を見付け、笹をつかんでトラバースする。
灌木登りでコルを越えると、なんなく高巻き終了。約30分。

水はすぐにまた流れ始め、連続直登小滝群パート1の始まり。

どの滝も美しいカマをたたえていて、うっとりしながら登る。

8:30、1160m地点で30m越えの滝。
右岸のどろどろ急斜面を、時々バイルでごまかしながら登り灌木帯へ。
後続は、探した補助ロープでぐいぐい登る。約20分で高巻き終了。

続いて小滝群パート2

滝の形が様々で、水が美しいのであきさせない。

9:30、1300m地点、登るのを忘れそうになるほど美しい滝にうっとり。

左岸のカマの浅いところから、滝の落口に向かってロープを出す。

9:50、回りを高く囲まれたパターンの滝も多い。

直登は難しいので高巻き案も考えたが、右岸を見ると滝の落口に向かってバンドが伸びている。
バンドは高く細くなっていくが、慎重に滝の近くまで行くと灌木に手が届いた。
後続に補助ロープを出して、灌木に入ると、すぐ滝の上に出られた。

10:00、なんでしょうね、この美しさ! 水の流れ方とカマの色、岩の形状、ほれぼれしちゃいます。

あまりの美しさに水流の中の段を使ってチムニーで登る自分が脳裏に浮かぶが、高さとメンバーの不安度を考慮し右岸巻き。

10:20、1330m地点、またまたカマも滝の形状も美しい滝。

斜めに走る濡れぬめりクラックに手を入れ、枯滝コケスラブにバランスよく立ちこみ高度を上げる。
乗越部直前のリスに短めのクロモリハーケン打つ。
がっちり効いたのを確かめて、そろそろ手を伸ばすとコケスラブスタンスがつるん、あやうくコケスラブウオータースライダーになるところを、Uくんとクロモリくんが止めてくれました。

相変わらず、美しさに目をうばわれながら、小滝や巨岩を越えていく。
普段、小滝を10個ぐらい越えるとちょっとあきてくるのだけれど、ここは美しすぎてあきがこない。
そして青空が出てくるのと呼応するように、白さが光る雪渓がところどころ現れる。

11:30、1420m地点、15mのほぼ枯滝。

できるだけ安全に中間の台に立ち、かわいたガバをつかんで垂直部分をファイト一発越え。
ここを越えると、源頭の雰囲気になってくる。

高山植物がちらほら見え始め、テン場した場所もたくさんある。
トムラウシ山も姿を現し、爽快感に浸る。


12:00に1540mの二股を通過。少しわかりにくいけど、トムラウシ山直下の大雪渓を目指していけば問題ない。

12:50、登山道に合流。

しょうたろさん以外は、普通の道に出ると急にヘロヘロ。
荷物を減らしてPeakへ向かう。

14:00、トムラウシ山Peak。

すっかり青空、なんて美しい風景でしょう。
遠くの山々もすべて見える。
山と眺めに別れを惜しんで下山へ。

18:00、短縮登山口下山。
薄暗い林道で鹿を追いかけまわしながら、車の回収。
全て終わるとすっかり真っ暗。
天気に恵まれた中で、素晴らしい美しさの沢を遡行できて、幸せ…。