なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

暑さに負けず、RP続出

2024-06-30 | 
土日両日、小樽赤岩クリスタルフェース。
爽やかな44で待ち合わせ。
夏の緑に目が潤む。

ONさん、HYさん、N道師匠と合流、「おやすみ」を登らせてもらい、クリスタルフェースへ。

福岡からの刺客Sさん、Yさんがいる。
お2人には5月にもお会いしている。
その時から「石狩湾低気圧」13aをねらっていると言っていた。

Sさんは、この2日間でオリジナルムーブを編み出し、試行を重ね、日曜4便目でRPされた。
圧倒された。
かっぱも石狩湾をお触りしたが、どうもよろしくない。
やはり13クライマーの壁は厚い。

HYさんは「バトルゾーン」11aに取り組む。
初リードでドキドキ感が登りにあふれる。
見ていて自分もドキドキ味わいたくなり、懸案の「天まで登る」12bをやった。
マスターで核心1を楽に越えられたので、このままRPかと意気込んだが、核心2に翻弄され、久々の大フォール。
意気消沈して、この日はおしまい。

翌日、
KGさんと早々にクリスタルフェースに到着。
アップ代わりに天までの核心1へのムーブを確認。
前日のメンバーが揃い、にぎわう。
KGさんは「ドゥマガジン」11cをやる。
1便目でムーブを確認し、2便目でRP。
垂壁部でステミングを要求される、道内ではここだけの好ルートだ。

上の写真は後から来たカノマー。
ステミング地帯突入場面。

にぎわっているので、会話を楽しみゆったり体を整える。
なんとなく登る隙間ができたので「天まで登る」に取り付く。
核心1のバランシーなクリップはうまくいった。
が、ここからのマントルっぽい動きは手強い。
もう力が抜けると思い、足が不安定な状態のままデット気味に小さなカチを取りに行く。
一瞬抜けかけたが、何とか引っかかった隙に足を上げることができた。
核心2の前はいくらでも休める。
左に体を出し、ピンチでバランシームーブをこなしガバを掴んで、体制を安定させる。足が抜けると前日と同じ大フォールになる。
ピンチで耐えられる時間が限られているので、体制を整えて短時間でピンチ処理ができるように動いた。

無事RP。

少し横やりがある。
終了点らしいポイントで終わっているが、情報的には終了点がもう少し上にあるらしい。
トポでは分かりにくい。
ここまで25mは登っている。12bのグレードも十分ありそうだ。
しかも、あと2mほど上にあるらしい終了点は目視できない。
という訳で勝手に登れたことにした。
そのうち上から確認して、気が向いたらまた取り組もう。

カノマー秘蔵っ子は、初めて触った「サバイバル」11aを試登1、本気トライ2で登ってしまった。
ムーブを誰も教えていないので、前回解決。
躍進するキッズはすごいものだ。

この日だけで11aから13aまで集った方のRP4本。
人も心も暑さに負けずにぎわった。

たっぷりミスト お肌にはいいのかしら

2024-06-23 | 
土曜(22日)は、クリスタルフェースでミスト。
なんかおしゃれなフレーズですな。
この状況で…、と考えながら、すーさんトライをほれぼれと眺める。
しかし、始めは周囲だけだったミストが、クライマーへもうるおいを与えだした。

やがてクライミング中にもミストを浴びる日となった。

ミスト前に『サプリ』を登って、『石狩湾低気圧』核心前の確認作業で終了。
午後には雨だかミストだかわからなくなった。

23日、日曜日。
大黒岩がミストに包まれている。
この眺めを見ながら、窓岩に行くと、窓岩はシャキッとしている。
夏に赤岩下の海岸をうろうろしていると、海岸は見通しがいいのに、岩場は見えないことがある。どうやらその境目がここにあるようだ。
この日の境目は、不動岩稜でいうとDフェース⁈
今日は付き合ってもらっているKGさんの『フリーランサー』RPデイ。
試したいこともあり、ヌン掛け便。
核心後のラインを確認。
2人で登ったり悩んだりしていると、またまた全身をミストが包む。
不動岩稜が消えていく。

お肌以外のうるおいとも格闘の末、KGさんは、無事RP。
めでたい気分で下りていく頃には、なんかいい感じの天気。

かっぱのわがままシリーズで不動岩稜『鋸フランケ』。

登っていなかったので取り付いてみたかった。

1p目、見た感じ迫力あり、「直上は若干難しい」という、紹介文だったので、そちらを選ぶ。
5級というところでしょう。傾斜のあるところをダイナミックに越えて、続くクラックを使ってスラビーなところを上がっていくのがおもしろい。
写真がスラビーところ。

この2P目取付テラスには残置がない。
カムとヘキセンなどで支点を取った。
テラスが安定しているので問題ないが、とても楽しいルートだったので、少しもったいない。人に勧めづらい。

2p目を見上げる。
上部の凹み部を目指し、直情。
1p目もそうだが、とてもまっすぐ登ることができて気持ちよいルートだった。

2pこなすと不動Cフェース基部に出る。
せっかく来たからCフェースを登る。
体がアルパイン慣れで思い切り足を上げて安定させるの繰り返しをしていたら、無事通過。
写真はKGさん。

取り付きでふと見ると、朝ミスト隠れだった大黒岩がまた現れた。
う~ん、ソルジャーブルーは何度見てもほれぼれする。
そして、いい感じの天気で終わった。

雷のあとに…

2024-06-16 | 
懲りずに窓岩「フリーランサー」。
付き合ってくれる方がいるのがありがたい。
先週と同じような天気だろうから午前中は登れるだろう、とタカをくくっている。
今回は窓岩リッジを登る気はない。
「フリーランサー」に焦点を当て、2人ともさっさと終わらせて、そのまま東の大壁でも行こう、などといつもように大口をたたきながら出発。

1p目は、KGさんに登ってもらう。
KGさんのアルパインリードも様になってきた。
さて、「フリーランサー」マスター便。
最終ピンを取り、核心を超えた。
体を上げると利きにくくなるガバを取り、次の甘めの一手を取りに行く。
甘いのが分かっているので安定した体制で向かいたいのに、この時のみ使った縦カチのせいで粘れるが、安定体制に持ち込めない。
体を上げると利きが悪いガバなので、一旦体を下げようとしてフォール。

周囲に悔しさが響き渡った。

KGさんも核心をこなせず。
数回練習をして下りる。
核心部の越え方をあーだこーだと話していると、小雨が降ってきた。
やがて遠くに雷音が聞こえ始める。
で、雨が強くなる。
でもなぜかフリーランサー面と取付はさほど濡れない。
「へー」とのん気に感心していると、周囲はどしゃぶり。
雷は近付き、海上に雷光が走る。
多少濡れ始めたので荷物を整理して待つ。
30分くらいじっとしていたかしら…。
ルートは濡れていなさそうだし、天気も一旦落ち着いたので再びトライ。

最終ピン手前のムーブがバランシー。
できるだけ足を右に置く意識とフェイス面のカチをつなぐ意識で、あまり力を損なわず核心を越える。
ガバ取り後も足を右に置くようにすると安定した体制で甘くて大きいホールドを捉えた。
すぐに次のよいホールドに手を伸ばし、無事RP
KGさんが動画をアップしてくれた。
気になる方はニセコクライマーズチャンネルへどうぞ。

RP直前からまた雨。
でもあまり当たらないからそのまま降ろしてもらう。
ルート上は全く濡れていなかった。おもしろい。

懸垂で1p取付へ戻る。

ここまで、大気が不安定との予報が時間までびったり当たっている。
ということは13時には本降りになるはず。
さすがに大壁に遠征する気にはならない。
でも、胎内巡りで帰るのも芸がないので、海岸に降りましょう、と提案。
不安定なガレ場を下りていく。
すると、青空が広がった。
窓岩と大壁を眺め、
不動岩の今後のラインを考えたりしながら、大迫力の展望に満足する。

ミミズク岩稜と大壁の合間から窓岩の窓を眺める。
赤岩マニアにはたまらない眺めでしょ。

勝手に「大壁海岸」と名付けている場所に出る。
ここは手のひらサイズの大きめの玉石で敷き詰められていて、とても珍しい場所だと思う。
両側に大きな岩があるので、隔絶感もある。
すぐ後ろにはDロック、という旧赤岩本には載っていた歴史あるボルダーがある。
存在感のあるボルダーと玉石の海岸がセットになっていて、とても好きな場所だ。
久しぶりの訪問でうれしい。

ガレ場とは別天地の快適、爽やか海岸を歩く。
海岸沿いのボルダー群を解説すると、KGさんは具体的興味を示すので、これまたうれしい。

カニ岩を通過する頃には、雨が本降りになってきた。
峠到着は12:50。
大雨、と言ってもいい状態。
天気予報がよく当たった。

岩が湿り始めている…

2024-06-15 | 
明日登る予定だったし、仕事にやられて気が乗らない土曜日だった。
Dzさんから、午後からどうか、というお誘いがあった。
これはありがたいと思い、午後から赤岩西を目指す。

先にクリスタル下に着くと、見知った親しい方々ばかり。
ありがたいことだ。

しばし情報交換をしているとDzさんがやってきた。
聞けば「上を見て」から、上部へ抜ける3pをやりたいとのこと。
それなら、ということで取り付くチャンスの少ない「ロックスミス」をやりたいと申し出る。

さて、「上を見て」
本来2pルートだ。
1p目が10cで、2p目は本来左に行くが、直上ラインもある。
直上は、垂壁なのに11cだかdだかのグレードがついている。
大昔やってみたことがあるが、手も足もでなかった。
Dzさんがリードで2回ほどのテンションで核心を抜けていった。
セカンドだから抜ける気で取り付くが、やはり手も足も出ない。
エイドで突破。

そして「ロックスミス」10d。
ピン間隔が遠くドキドキ感の高いラインだ。
古い赤岩本では、赤壁クラックからの2pとなっている。
グレードはA1で、フリーだと6級+としてある。
6+が10dになるというのもアバウトな話だ。

スタート横で、すぐ1本目のランニングを取る。
が、2本目が右にあり、遠い。
取る前に落ちるとスタート地点より数m下に落ちるだろう。
しかも微妙ホールドで難解。
何とか1本目を取り安心。
後は大丈夫なはずと言い聞かせながらドキドキのノーテン突破。
行けると嬉しいルートだ。
そして何より高度感があり、眺めがよい。
久々に行けて、満足と安心感を得る。

下りてDzさんの「ニューウェーブ」をビレイ。
このラインもかっこいいし、細かいところを研究したいラインだ。
赤岩は歴史があるせいか、いろいろ奥深く楽しい。

あと一歩及ばず

2024-06-09 | 
窓岩に『フリーランサー』11abを片付けに行った。
が、及ばず…。

思ったよりよい天気と喜びながら、胎内巡りを下りる。
瑞々しい6月の緑が美しい。

窓岩リッジを見上げる。
少し倒れている部分が2p目『フリーランサー』だ。
1998年に吉田和正氏がオンサイトでフリー化した、すぐ横にアブミルートがあるラインだ。
しかし、オンサイトでフリー化って、どういう状況を言うのだろう? クラック使って登ったのかな?

エイドルートは2009年に登っている。
本ブログ内にあるが、記述が適当すぎてちっとも役に立たない。
1p目3級リード。

早速の高度感。赤岩本では「残置が多く小さいカムもよく決まる」とある。リングボルトを含む残置が多いのはわかったが、「小さいカムが決まる」は、よくわからなかった。
2p目取付からミミズク岩稜に目をやると、ミサゴらしき猛禽の巣があった。

岩塔好き仲間だが、やつらは飛べる。

さて、『フリーランサー』トライ。
下の方のハーケンを取る取らないで変わるが、ピン数は6。
21mにしては、少ない。
でも、絶対落とす気で行った。
そして、核心部を8割越えた。
傾斜があるので休みにくかったが、2m戻ってレストするなど粘った。
だが、最終ピン手前のムーブがスムーズに組み立てきれず。
力負けのテンション。
悔しい。
その後何とか最終ピンを取り、核心最後のガバに手をかけるがここでもテンション。
久々の本気のパンプを感じつつ何とか終了点へ。

下りて、KGさんと交代。
やはり核心でテンション。
2人とも敗退。

このまま窓岩リッジを抜けるため、荷揚げして2p終了点にたどり着いた。
ここは落ち着かないので、すぐ3pをリード。
第1コルで大休止。

4p目もリード。
赤岩本の絵の通り、写真の凹みが第2コルだ。
第2コルは眺めがよい。


5p目、KGさんリード。
難解そうに見えたが、リッジの東面に沿って右上していくだけ。

下が切れ落ち高度感抜群の箇所があった。
写真の場所がそうだが、残置ハーケンが連打されていて安心。
ここまでも残置は豊富。
全体を通して、カム類はなくてもなんとかなる。

6p目リード。

急斜面を登るだけ。終了点手前で念のため立ち木でランニングを取った。

後はクライマックスの窓くぐりを残すだけなのでのんびりしていると、雨が降ってきた。
窓のアゴの下なので、ちょうど雨宿りができる。
眺めを堪能しながらのんびり過ごす。

そしてクライマックスの窓くぐり。
止んだと思った雨が、窓をくぐり始めた時けっこう強く降ってきた。
この窓は雨を防がない…。

『フリーランサー』を順番に登り、荷揚げと大休止2回取って約4時間。
13時には峠に戻ったが、雨が止まないのでクライミング活動終了。
厄介な場所の宿題だが、歳を取っても悔しさを感じる幸せと、あちこちに行きたいところがある幸せを噛みしめた。