富良野岳から前富良野岳に縦走し、前富良野岳の原始が原向きの斜面を滑って遊ぼう、という、山スキー締めくくり企画だったのだが…。
いつものUと原始が原登山口へ。

鹿が出迎えてくれた。
鹿の視線を気にしながら、テン場を整え2人宴会。

賞味期限切れのα米と焼肉に舌鼓を打つ。
α米になんで賞味期限があるんだろう。
翌日、若干じじい気味の2人の目覚めは早い。
4時半にはテン場を発つ。
夜中はパラパラ雨が降り続いたが、天気予報は終日晴れ予報。
小雨の中、「何時に晴れるかな。」と話しながらスキーを担いで歩きだす。

二の沢の手前くらいから、スキーでウロコ登行。
残雪期の雪にはウロコはとても利く。
調子よく登るが雨が止まない。
三の沢付近を登りだすとガスが周りを取り巻く。
けっこうな降りになり、濡れるのもやだし、天候回復を待つ必要もあり、2,3度針葉樹の陰で雨宿りをする。
それでも、標高を上げ続ける。
が、ガスは濃くなるばかり。

森林限界前で、30分以上天気待ち。
5月だというのに寒い。
「きっと、街は晴れているんだろうねえ。」などと話しながら天気図談議。
それでも、まだ「晴れる。」と思っているから進む。

登山道より東の沢型にルートをとった。
ときどきはい松を横目で見ながらも、板を付けたまま進んだ。
薄い新雪が積もっているが下地は硬い。
今回は、シーアイゼンSKEATS Glide Finsが大活躍。

シールなしで、1600過ぎまで登り続けた。

だんだん、板を背負う方が楽な感じになり、シートラ。
しかし、ますます風は強くなり晴れる気配は全くない。
はい松を踏みしめながら標高を上げる。
1700mを越えると、足元のはい松以外見えなくなり、風も更に強くなる。
「これは、まずいね。」と話しながらも、まだ少しだけそのうちおさまると思っているので、ザックを風避けにして休む。
ちょっとだけ風がおさまったような気がしたので動き出す。
で、なんとか稜線に出る。
すると、まあ、ものすごい風。
「さっさとピーク踏んで標高を下げよう。」と話し、進む。
が、ホワイトアウトが手強い。
周囲の様子がほとんど見えない。
稜線なので、左右とも切り立っているはずだ。
ときどきうっすら広がる視界もそれを裏付けている。
加えて、ときどき耐風姿勢をとりたくなる風。
「すぐに標高を下げようね。」となってとりあえず、暴風圏から強風圏まで標高を下げた。
多分1700m前後の沢型状の場所でしゃがんで待つ。
まだ、ピークに登り返すつもりでいるが、一向に晴れてこない。
「終わりだね。」と相槌を打ち、ほぼほぼ真っ白の中、下山を始める。
ちょっと下りると、登山道とかぶっている沢型がはっきりしたので滑り始める。

雪は悪くないのに、ちっとも楽しくない。
このまま下ると狭い沢型を滑ることになるので、板を履いたままはい松を2回ほど乗り越え、広い斜面に出た。
1400mくらいになると視界は開け、大きな斜面を目で理解しながら滑ることができた。

楽しく広大な斜面だった。
そして、ようやく晴れ間が広がり始めた。
ピークはずっとガスに包まれてますけどね。
前富良野とのコルを通過し、1400のコブまで登り返す。
原始が原も眺められるようになり、幸せを感じる。
2022年のGWに行った大麓山も存在感のある姿を見せた。
下山に向けた滑りに入る。
途中でだいぶ晴れてきたのでラーメンタイム。

青空は広がるが、富良野岳ピークはまだ見えない。
適当に下って二の沢手前くらいの登山道に出た。
すっかり春らしい陽光と気温の中、アトラクション的な登山道滑り。

最後の1.5㎞ぐらいは、スキー靴でぐちゃぐちゃ道を歩き下山。
14時前には下山したので、ハイランドふらの温泉に浸かる。
疲れを癒すと、富良野岳のピークがようやく拝めた。

今なら、登れるなあ。