なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

涼を求めて…

2023-08-26 | 沢登り
ラルマナイ川支流に金山沢というのがある。
知人から情報をいただいたので、行ってみる。

地形図を見ると、ゴルジュ地形のように見える。
何が出てくるか楽しみ~。


支流に入ると、川は広いがすぐに壁に囲まれる。

軟石状の岩だから、形状が自由でおもしろい。

壁に苔が生えるのも、軟石だから。

景観の幅が広がりますね。
狭まれた地形、そして夏の緑、太陽と青空。

眺めには大満足。

地形図のゴルジュ地帯が終わるころまでは、沢自体に特筆すべき点がない。
おかしいなあ、と思いながら進むと、大滝が現れた。

20m越えの滝。さみだれ状の流れが美しい。
直登できるかじっくり観察。
中央シャワークライミングは可能と見たが、中間支点を取る物を持ってきていない。
さすがに、この高さを中間なしで登る気にはならず、素直に巻き道。
巻き道が立派でびっくりした。

これで終わりかと思ったら、ここからがおもしろかった。

沢は狭まり、カマが深い。

へつるには、つるつる。
泳ぎが速い。

よけいにへつったり泳いだりして通過する。

沢自体は、から沼まで続いている。興味はあるが今日は林道でおしまい。
だって涼を求めてきたんだもん。

帰ったらまだ暑いから、相棒Uと別れ、1人で支笏湖に洗濯しに行った。

ある程度乾くまで、読書しようと座ったら、気持ち良すぎてそのまま昼寝。
目覚めたら、ぼーっとしていたので目を覚ますために湖面に浮かぶ。

シベリアの本を読んで過ごすと、だいぶ涼しくなった。

泊まりたいけど、あきらめます。
食料と酒がないから…。

Summit to sea ①

2023-08-11 | 沢登り
天気が安定しないので、行き先で混乱した。
登りが楽しい軽い沢、ということで、狩場山千走川南東面直登沢に落ち着いた。
前泊して、下山後は海でカヤック、という贅沢な計画を考えた。

賀老高原キャンプ場

キャンプブームが嘘のように誰もいない。
おじさん二人で炭火焼き鳥を楽しむ。

11日、沢が短いのでのんびり出発、と打ち合わせをしていても、おじさん2人は朝が早い。
6:15に沢の出合い。

ここは、出だしこそ狭っくるしいが、広く明るく楽しい沢。
短い中に楽しみが充実していて好きな沢だ。

体力がないくせにペースが遅くない。
7:00前にはCo820mに達し、ナメが始まる。


小滝もどんどん出てくるのであきない。


暑いので、ワザとのようにシャワークライミングを重ねていく。


太陽が登るとともに沢はどんどん明るくなり、Peakへの道が目の前に広がっていく。
なんて楽しいのだろう。

1000mを越えると、大滝が現れる。

中心部分は細い直漠だが、壁は周囲を取り巻いている。
前来たときは直登したような気がするが、ここは慎重に左岸手前の草付きラインを選ぶ。
灌木地帯まで20mくらいはあるので、ロープを出して慎重に登る。
到達した灌木には残置細引きがあった。

1200m付近にも大滝がある。
9:50に到着。
ここは過去に水流の右側を直登した記憶があるので、喜び勇んで上がっていく。

1段上がってチムニー状を3m上がるが、ここに残置ハーケンが2本ある。
そこから、滝の落ち口に向かうと、ここにも残置ハーケン。
それを支点にすると落ち口に近すぎて怖いので、少し上にクロモリを一本打って、安定した状態を作ってセカンドのビレイ。
自由に考えて場を整えるのが楽しい。

後は標高を上げるだけだが、小滝は出てくる。
水が見えなくなると、最後に大きな壁が立ちはだかる。

ここは、左に上がってから戻れば何ともないが、ついつい直登。

こんなに短時間で登れるのに、こんなに源頭が美しい場所は少ないと思う。

お花畑を暑さに負けそうになりながら上がる。
一部、腰くらいの笹藪を漕ぐだけで、快適に頂上台地の新道コース上に出る。

11:45 Peak。

暑い。
春に来た時の幸せを思い出しながら、周囲の山々を眺める。
Peakには、2人組のシニアパーティーのみ。
この暑さの中、尾根の上り下りには頭が下がる。

13:30 千走新道コースに下山。
暑い…。
賀老高原に戻り、相変わらずキャンパーが少ないのを確かめて、洗濯。

その後、千走温泉で身も心もきれいにして、翌日の海の偵察に行く。

須築漁港にマグロカヤッカー、ウッシーがいることがわかっていたので、訪ねる。

虫よけスクリーンテントの偉大さを味わいながら、4人で宴会。
こういう宴会の酒が一番うまい。

美しすぎるトムラ西沢 ~パンケトムラウシ川遡行~

2022-08-12 | 沢登り
最近の地図ではパンケトムラウシ沢となっている、トムラ西沢を遡行した。
滝なら何でも登りたがるかっぱと、どんな状況でもビレイできるU、そして体力最強ポジティブ男のしょうたろさんというメンバーで、ひと気のない場所で大騒ぎの充実した2日間。

10日に前泊、素敵なテン場をこしらえて、早々に酒に浸る。


11日 4:50、C発。廃道となった林道をぐいぐい歩く。
5:30、地図通りの場所で西沢と出会い、入渓。
940m付近から、美しいナメが始まり、水のきれいさ渓相の美しさと相まってウキウキ。


6:30、さみだれ状の美しい滝が現れる。ナメの後にさみだれとはにくい演出。

高さがあるので早速ロープを出し左岸を直登する。3人で20分ほどで通過。

6:55、滝というより「壁」と言った方がいい地形が眼前に現れる。

水は伏流となっているようで見えない。
左岸の傾斜の緩いところから草付きを、滝落口の高さまで這い上がりブッシュ帯に到達。
滝の右側にコル状地形を見付け、笹をつかんでトラバースする。
灌木登りでコルを越えると、なんなく高巻き終了。約30分。

水はすぐにまた流れ始め、連続直登小滝群パート1の始まり。

どの滝も美しいカマをたたえていて、うっとりしながら登る。

8:30、1160m地点で30m越えの滝。
右岸のどろどろ急斜面を、時々バイルでごまかしながら登り灌木帯へ。
後続は、探した補助ロープでぐいぐい登る。約20分で高巻き終了。

続いて小滝群パート2

滝の形が様々で、水が美しいのであきさせない。

9:30、1300m地点、登るのを忘れそうになるほど美しい滝にうっとり。

左岸のカマの浅いところから、滝の落口に向かってロープを出す。

9:50、回りを高く囲まれたパターンの滝も多い。

直登は難しいので高巻き案も考えたが、右岸を見ると滝の落口に向かってバンドが伸びている。
バンドは高く細くなっていくが、慎重に滝の近くまで行くと灌木に手が届いた。
後続に補助ロープを出して、灌木に入ると、すぐ滝の上に出られた。

10:00、なんでしょうね、この美しさ! 水の流れ方とカマの色、岩の形状、ほれぼれしちゃいます。

あまりの美しさに水流の中の段を使ってチムニーで登る自分が脳裏に浮かぶが、高さとメンバーの不安度を考慮し右岸巻き。

10:20、1330m地点、またまたカマも滝の形状も美しい滝。

斜めに走る濡れぬめりクラックに手を入れ、枯滝コケスラブにバランスよく立ちこみ高度を上げる。
乗越部直前のリスに短めのクロモリハーケン打つ。
がっちり効いたのを確かめて、そろそろ手を伸ばすとコケスラブスタンスがつるん、あやうくコケスラブウオータースライダーになるところを、Uくんとクロモリくんが止めてくれました。

相変わらず、美しさに目をうばわれながら、小滝や巨岩を越えていく。
普段、小滝を10個ぐらい越えるとちょっとあきてくるのだけれど、ここは美しすぎてあきがこない。
そして青空が出てくるのと呼応するように、白さが光る雪渓がところどころ現れる。

11:30、1420m地点、15mのほぼ枯滝。

できるだけ安全に中間の台に立ち、かわいたガバをつかんで垂直部分をファイト一発越え。
ここを越えると、源頭の雰囲気になってくる。

高山植物がちらほら見え始め、テン場した場所もたくさんある。
トムラウシ山も姿を現し、爽快感に浸る。


12:00に1540mの二股を通過。少しわかりにくいけど、トムラウシ山直下の大雪渓を目指していけば問題ない。

12:50、登山道に合流。

しょうたろさん以外は、普通の道に出ると急にヘロヘロ。
荷物を減らしてPeakへ向かう。

14:00、トムラウシ山Peak。

すっかり青空、なんて美しい風景でしょう。
遠くの山々もすべて見える。
山と眺めに別れを惜しんで下山へ。

18:00、短縮登山口下山。
薄暗い林道で鹿を追いかけまわしながら、車の回収。
全て終わるとすっかり真っ暗。
天気に恵まれた中で、素晴らしい美しさの沢を遡行できて、幸せ…。

芦別岳1726m① 初の本谷沢登り 

2022-08-06 | 沢登り
ずっと憧れ、数年前から具体的なイメージを抱いていた芦別岳ピーク岩稜。
大先輩のS田さんが、付き合ってくれると言う。
そのS田さん、「暑いから本谷から行くのがいい」と言う。
という訳で、まずは本谷沢登編。

8月3日(水) 山部駅前「ときわ食堂」にて、天気祈願の祝杯。100年続く味に舌鼓。
8月4日(木) 曇り空、上空はガス。稜線は晴れの雲海に期待して出発。
5:45、登山口通過。

7:30、懐かしのユーフレ小屋。同じ景色に安心感。

今回の期待1は、「夏の本谷」。残雪を利用して登るのが一般的なので、沢として登ったことはない。
わくわくしていると、すぐにゴルジュ。

高巻き用にFixロープがある。昨年新品に取り換えられたらしく、ありがたい。
9:15、「インゼル」が見えてくる。

雪渓が始まる。硬い雪が歩きやすい。

10:20、Co920mの滝。
腰まで浸かって、水流内にホールドを求めれば、直登可能そうだが、寒いので濡れたくない。右岸草付き高巻きで突破。
12:30、Co1330m。
大きな岩が川を塞いでいるところで雪渓が切れる。
岩の右が水流。左は流れのないチョックストーン。

チムニーを楽しみながら突破。

雪渓の急斜面が続き、全荷の重さがこたえ始める。
でも、時々太陽がのぞきだして、期待をあおるとともに、幽玄な雰囲気をかもし出す。

西壁が見える頃には、すっかり晴れ渡り、翌日の登攀への期待が高まる。

でも、この頃にはヘロヘロかっぱ、50mに1回くらいへたり込み、呼吸を整える始末。
おかげで何度も振り返り、景色を眺めることができました。


15:00、稜線着。

翌日登る壁を眺めながら、雲海とお花に囲まれた幸せテン場。
このテン場が今回の期待2。
キンキンに冷えたビール(1Lと冷却雪渓荷揚げ済)で祝杯を挙げ、全世界に感謝。
ヘロヘロ満足の2日間。

カウンナイ沢~トムラウシ山2141m

2021-07-27 | 沢登り
7月22日~24日の2泊3日の沢旅。
山の大先輩に誘われての平均年齢60歳の4人パーティー。
最若手として約30年振りのカウンナイ遡行を楽しんだ。

22日9:30天人橋スタート。林道跡をたどりポンカウン出合いから入渓。

心配は、天気、重さ、加齢の3つ。
最若手なかっぱは、酒と食料を引き受ける。重さは心配だったが沢に一歩踏み入れると喜びが勝る。天気の心配はないので後は加齢による疲労のみ。

あ~、広い河原だったなあー、と振り返りながら渡渉をくり返す。

そしてたまにへつる。


7時間ほどのんびり歩いて、16:30にカウン沢出合い1㎞ほど手前をC1とする。
カウン沢まで行ってしまうと先行パーティーがいるだろうとの判断もあってだが、ここはよいテン場。

なかなか上げられなかったがオショロコマさんとも出会えた。

酒とたき火の正しい夜がふける。

23日、暗いうちから起きて5:30前に出発。
7:00過ぎに魚留の滝に到着。

さてお楽しみの「滝の瀬13丁」に入る。

歩くだけのことがこんなに幸せな場所はなかなかないですねえ。

そして約30年前でもはっきり形状を記憶している「オーバーハングの滝」へ。

この形状なのに明るさに満ちているのがこの沢のいいところ。
右岸のガレをまっすぐ登りハング壁沿いの踏み跡からトラバース。
ロープが下げてある4mほどの垂直壁を登って超える。念のため後続を短いロープで確保。


10:50、1360m二股の2段の滝。ここもかっこいい滝。

二股中央に踏み跡があり、簡単に巻ける。上がったところにはいいテン場があった。
そして、ここを越えると源頭感が増してくる。

高いところのお花も見え始め、幸せクライマックスを演出。


さあ、もうすぐ稜線というところだが、心配の加齢と重さが現実味を帯びてくる。そもそも休憩が多いのでペースが上がらない。でもすでに9時間以上行動しているので、無理をしないでこの辺で、と、Sさんとともに付近にテン場を求める。
条件を満たすと雪の上。

ビールは冷えるが体も冷える。
神様の世界で酒と満月に酔う。

24日、トムラアタック後、天人峡に下山のつもり。
この頃からみなさんで、「計画が20代の内容だったね。」と笑顔で反省をくり返す。毎日行動時間が長くなっちゃって。でもスピードで無理をしていないせいもあるから、とりあえず納得。

そんなことより、天気も眺めも素晴らしい。

出会う登山者も増え、挨拶を楽しみながら進むと、南極の氷河のように雪渓が崩れ落ちる北沼に到着。

ガスの演出もにくい。だってこの後少しずつトムラが晴れていくのですから…。

晴れ過ぎて逆光でしか写せないPeakでのんびり。

トムラは5回目。でも年齢によって感慨が違うので気持ちは初めての感動。
見渡す眺めに「カムイミンタラ」という言葉をかみしめる。

荷物の残置地点まで戻り、雪渓をかき氷で暑さを紛らわせる。
また全荷を担ぎ、お花畑の台地を通り化雲岳へ向かう。

「天沼」付近は、ほんとに天国ですね。

12:00過ぎだったか、化雲岳着。
天人峡への下りが長いのは知っている。
みなさん疲労でペースは上げれない。でもみな余裕あり。着実な一歩をくり返し降りていく。

このルート、嫌な思い出しかなかったが、もしかするとここまでで最も花の種類豊富ではないでしょうか!隠れた花の名ルート?!
満開のワタスゲ野原には感動してしまった。


最後は真っ暗でしたが、みな満足笑顔で下山しました。
人も自然も素晴らしい!