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なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

厳冬期が終わってしまった…

2025-01-26 | 雪の山
1月だというのに、高い気温の日々が続いている。
不満を言ってもしょうがないが、心配だ。
でも天気はいい。
まともな斜面を滑りたいのでニセコ連峰へ向かう。
2023年の4月に岩内側から目訓内に行った。
その時に「白樺山にも行きたいものだ。」と話していた。
という訳で、老古美ゲートからのアプローチ。
少し道路を歩き、まっすぐ白樺山に上がる尾根に取りつく。
樹林だが最近の登山のようなヤブではなく幸せ。
途中で道路を横切りひたすら稜線に向かう。

ピークが2つ並んだ西側が白樺山だ。
雪の白樺ピークは多分33年振りぐらい。
うれしい。

滑りを楽しむためとウロウロ稜線歩きの幸せを感じるために長沼へ向かう。
振り返ると、ニセコ連峰らしい広い稜線に白樺ピークが輝きだした。
ピークでは若干の強風にあおられたが、天気が回復だ。
向かう方向にはシャクナゲ岳の山の塊そびえ、少しずつ青空が広がり始める。
うーん、ドラマチック!

トラバースしながら、長沼へ向かう斜面を吟味。
人気の斜面なのでトラックがある。
よさげな斜面でノートラック面を見定め、長沼に落ちていく。
写真の感じほどヤブはない。
よい斜面なのだが、雪は固め。
ウロウロスキーヤーにはちと荷が重い。

幸せ長沼ランチ。
チセを眺めながらゆったり食事。
あちこちに数名の人がいたが、スライドはしなかった。
欧米人らしき一団の素晴らしい滑りも眺めることができた。

肩まで登り返し、また稜線へ。
この頃には完全に快晴無風。
うれしいがこれは3月の陽気。

稜線緩斜面で並行トラック遊び。
雪山ウロウロ徘徊初老ズには、面ツル緩斜面がヒャッホー斜面だ。

白樺山まで戻り、ピークの間の沢型を滑るつもりだったが、最初のコルがよさげに見えたのでそこを滑る。
時々広がる開けた場所をねらって快適に滑る。
陽光が当たり始める直前だったせいか、ここの雪はとてもよかった。

一度道に出る。
しばしウロウロステップソール板の性能をいかんなく発揮。
登りのトレースに合流。
だんだん雪が悪くなるが、木をぬって滑るのは楽しい。
ゲートに続く道に合流、積丹方面の山々を眺めながらゴール。

このまま暖かさが続くと3月にはどうなっているのか。
不安はあるが、幸せな1日。



そろそろちゃんと滑りたいのに…

2025-01-18 | 雪の山
The dayと言えそうな今日、またもやヤブ山を彷徨ってしまった。
一人の時用に誰も行きたがらなさそうな場所をいくつか選定してある。
点名「薄別」854mもその一つ。
天気よさそうだからちゃんと滑れる羊蹄とか、喜茂別山とか漁岳とかも頭をよぎったが、未知の場所が一度頭に浮かぶと離れない。
「薄別」だけでつまらなかったら困るので、丹沢山からつなぐといいかな、と考えてしまった。

スタート地点から点名「庚申草」を臨む。
あいつの薄別川向きの斜面も探索してみたい。

林道をたどる。
この傾斜の林道ならいつものウロウロ板でシールがいらない。
詰めていけば、薄別に向かう稜線を通るので、都合がよい。
予想に反して積雪が薄く、最初は安心してラッセルをこなしていた。
ところが、足を進めた後、荷重するたびに「ムニュ」と2段階で沈むラッセルが、じわじわ体力を奪っていく。
800mを越えると、「ムニュ」が、「ムニュ~」に変わる。
そのムニュ~に嫌気がさして来た頃、林道が荒れてきた。
「なんか辛いなあ。」と嘆きながら進むと、
林道崩壊地点に出て、ドキドキする。

雪が崩れ落ちてもいいように、立ち木を掴みながら5mを越えた。
立ち木がなかったら、かなり上を回っただろう。
振り返ると札幌岳が美しく輝いていて、ホッとする。

「ムニュ~」に体力を奪われるので、ペースを上げれない。
疲れ果て始めた頃に、よい場所に出たので大休止。
1月の無意根山をチラチラ眺めながら、カップ麺タイム。
丹沢山まで600mほどの場所だったので、空荷でアタックしてくる。
ここは2度目。
前は中岳に行く途中に通過しただけで、その時は名前を知らなかった。
ピークとも思っていなかった。
でも、これで今シーズン初の1000m越え。
そろそろ、ヤブにも飽きてきた。

登りできれいな地形を見付けておいたので、そこを楽しむ。
がんばって3ターンで終わり。
今日の快適斜面はここだけ。

ここから薄別までの稜線は、ただのヤブ。
ムニュ~は続いているし深くなっている。
眺めもないのでちっとも楽しくない。
ピークもヤブ。
看板には驚きました。
ここにいるかねえ。

あとは、適当に下るだけ。
方向を見定めて、できるだけゴール近くに出たいと思った。
ぴったりでしたね。
いいとこに出た。

ペースが上がらず、ムニュ~ラッセルのせいでだいぶ疲れた。
行動時間も7時間を少し越えた。
天気が悪ければやめていたと思う。
でも、未知の探索はしなければ気が済まないので、はっきりと、もう行かないと思えるのはよかった。
静寂の森の中で、1日中鳥の声を聞きながら過ごせたのもよかった。

ヤブが濃くても滑る雪ならそれでよし

2025-01-13 | 雪の山
数年前までは、シーズンに2回くらいは登っていた春香山。
登山口付近で新幹線延伸工事が行われているので、車が停められない。
だから、2021年の年末を最後に行っていなかった。
しかし近年のヤブ山探索と、昨年気付いた「裏から」作戦を考慮すると、別のアプローチがあるのではないかと、ぼんやり考えていた。
完全に裏となると、だらだら尾根や林道を長く歩かなければならない。
それはつまらないので、ほったらかしにしておいたが、かなり前にオーンズスキー場から、「ひよどり越え」と呼ばれた急斜面を登って春香山北斜面から登ったことを思い出した。
これは、90年代初頭に発行された山スキールート図集にも掲載されている。
由緒正しいルートに違いない。
でも、このルートもだらだら尾根が長く、ヤブが多い。
それに下山がスキー場なのは、あまり好みではない。
せっかくだから新ルート開拓と行こうと思い、和宇尻山に直接上がる尾根を登ってみることにする。

札幌近くの林道の終点にはたいてい何らかの施設がある。
オーンズの横の道を詰めたところにも乗馬クラブのような施設があった。
寸詰まりが施設だと車が停められない。
しょうがないので、少し手前の邪魔にならなさそうなところに車を停める。
まっすぐ登ると施設を横切ることになりそうなので、銀嶺沢川を横に見ながら、ヤブの中をトラバース気味に上がっていく。

当然のようにヤブが多い。
でもまあ、ラッセルも薄いし、天気もよいので気分はよい。
ヤブと倒木積雪を避けるのに少々手間取りながら急斜面をほぼまっすぐ登る。
細尾根に出ると、少しヤブが楽になった。

521mの三角点ピークは、両サイドを行き来しながら林道が入っていた。
おかげで、521mには登らずにすみ、しばしヤブから解放された。
その道は、地図にある点線道に合流していた。
そこからまたひどいヤブになったが、最初だけで、後は普通のヤブだった。
そもそも和宇尻山自体がただのヤブ山だ。
丸いヤブ山は、ピークだけ開けていることが多いが、ここはピークも開けない。春香山すら見えない。
でも、まあ天気も良いし、とりあえず一つ目的を達成したので喜ぶ。
和宇尻山は、多分2回目。
大昔、今はなき銀嶺荘に泊まった時に、当時の管理人の竹本さんが案内してくれた。よい小屋と朴訥とした素敵な管理人さんであった。

春香山と和宇尻山の間は、トレースがあった。
そのトレースをたどっていたスノーシューの2人組とスライドする。
挨拶を交わし、しばし行くと眺めが開けてくる。
高い山っぽい開けた斜面を登るとピーク台地に出た。
春香山ピーク。
ピンク看板は健在だ。
普段はたいして人に会うことを望んでいないが、休日の春香山ピークで人に会わないのは寂しい。
新幹線工事の影響で、地元に愛される素朴な山が荒廃していく感がある。

東斜面を滑る。
今日のように気温が高い晴れの日でも、ここの雪はとても滑りやすい。

和宇尻山に登り返し、ほぼトレースをたどって下った。
ひどかったヤブの部分は、尾根の側面の急斜面を滑ってかわした。
広めの尾根は全体に結構滑りやすかった。(多分大方の人は賛同しないと思うが…。)
林道部分は緩い傾斜があり、今日の雪なら止まらず通過できた。
最後の急な尾根は、ヤブを避けるために沢型に突っ込んだ。
時々、倒木積雪にぎりぎりまで気付かず難儀したが、割と普通にターンしながら滑り降りることができた。
ほぼノンストップ。
登りは4時間近くかかったが、下りは1時間かからず下山できた。

なぜか、とても疲れた。
少ないながらも一人でラッセルしたことと、濃いめのヤブのせいか、
はたまた歳のせいか…、
でも、好天無風の中、静寂の森で過ごすのは幸せなことだと思った。

ウェルビーイングフィールド

2025-01-12 | 
家の中でウェルビーイング状態を保とうとすると酒の力を借りなければならない。
が、真冬のこんな光景を目にすると酒がなくても幸福感に包まれる。
岩の上では、いつもの彼が同じ気持ちを感じている。

1月なのに、ロープをするという仲間たち。
でも、奥の浜に足を踏み入れると、ロープができそうな気温だ。
「楽園」10cにもTRを張るというので、リードを買って出る。
この1か月、全くクライミングをしていない。
で、どれくらいだめになっているか興味津々。
案の定、よけいな力が入ること、入ること。
レイバック地帯は無事抜けた。
が、ハンドジャム地帯で必要以上に力が入る。
使っていない腕がどんどん疲労していく。
体は十分暖かいが、クラック内はとても冷たく、気付かぬうちに手の感覚がなくなる。
いい左カチを取る。
手の感覚がなくなっていることに気付く。
「あれ、あれ??」
まったく持てず…。
次のムーブを起こしに行くと、足が滑って落ちました。
カムは用心深く決めていたので、ゆっくり休む。
何とかトップアウトし、無事TR設置。
1月前は、「もう余裕ですよ~。」などと言っていたのに…。
歳を取ると、いつまでも同じことを楽しめる。

「波打ちワイド」には、KGさんがTRを設置。
この2本をSちゃんと、外ロープ2回目というHさんが楽しんだ。

焚き火跡と周辺のごみ片付けなど、環境保全に努めたり、昼ご飯をゆっくり食べたりすると、あっという間にいい時間。
「留萌の春」をTRで遊ぼう、という話になり交代で楽しむ。
Hさんもトップアウト成功。

これぐらいのグレードがいい。

太陽も、青空も、岩も、焚き火も、人々も平和に満ちた1日だった。

静寂の森でクマゲラに導かれて…

2025-01-02 | 雪の山
豊羽元山近辺の森は、なぜか静寂感が高く感じる。
山鳥峰へ向けて歩き出してすぐに、目の前にクマゲラが現れた。
20mも離れていない。
気付いていないようだから、そーっと近づくが気付かれた。
この距離で見ると、飛び立つときの大きさがでかい。
すぐにまた気に止まり、こちらの様子をうかがっている。
それを数回繰り返すと山鳥峰のピークに到着。
山鳥とはクマゲラのことか!

このまま、南岳を目指す。
ラッセルは深いが4日前の富士形山よりはずっと軽い。
神様のような木々に見守られながら歩を進める。
この稜線上からは、定山渓天狗岳が真横から見られる。
同行UはⅢ峰、かっぱはⅡ峰が未踏。

少し進むと、今度は白井岳が姿を現わす。
ヒクタ峰からの稜線が分かる。
白井も静かで好きだが、スタートがスキー場になるのが少々煩わしい。
ヒクタ経由で行けば、完全な静寂を味わえるかと夢想する。

2度目の南岳ピーク。
前は沢から登ってきた。
まだ1000mに届かないが、今シーズン最高峰。

天気がよいので、まったりする。
ちょうどいい感じの間隔の木を見付ければ、いい感じに張りやすい。
中はカップ麺のカウンターバー。
とても暖かい。

ラッセルの深さが予想されたので、もともとピストンの予定。
戻りながら、ちょっとした楽しみを見つけては滑る。
雪が深いので、無理矢理ターンをして楽しむ。
下山直前でもちょっといい斜面があり、ふわふわの滑りを楽しんだ。
こういう稜線歩きを含むルートは、ステップソールならではだ。
ウロウロ板はいいですよ。