『 幅と奥行き 』
あるいは 『 幅と高さ 』 。
これは二次元。
プロだと思っている人も含めて、多くの人が二次元で建築を考えるので、
マンガみたいな建物がポコポコそこら中に建ちます。
『 幅と奥行きと高さ 』 が一つにまとまって三次元。
私達が住む世界はこれですね。
三次元で思考して建築をつくりあげるのが当たり前ですが、
実際にはこれがなかなか難しい。
昨日は 『 ありだの民家を考える会 』 の事業で滋賀県へ。
島村葭商店という、古材を集めて販売する会社を見学。
この会社は古材を再生した使い方の実例も紹介しています。
その後、
居初邸庭園 [ 天然図画亭 ] 、
近江八幡散策。
帰りに、飛田百番で夕食という行程でした。
居初邸庭園 [ 天然図画亭 ] は、見学できる部分は茶室建築で、
近江八幡で見る対象は、豪商が暮らした町家建築と、
ヴォーリズの洋館です。
飛田百番は、知る人ぞ知るだと思いますが、
遊郭の建物です。
( 今でも、この周辺はそういうお商売のお店が建ち並んで、
・・・細かい説明はいいか! )
古い建築に触れる1日だったのでした。
確認しておきたいのですが、
「 古いモノは、古いことが良いのでも価値があるのでもなくて、
永い時間、人の厳しい目にさらされて、
それでも、壊されずに今に残ってきた。
その完成度の高さと、持っているパワーに価値があるのです。
・ ・ ・ 人の目に耐えられないようなモノであれば、壊されていた。 」
そんなパワーのあるモノたちを沢山観た1日の私の総括です。
昨日観た建物はどれも相当の時間を経て、
単純に 『 幅と奥行きと高さ 』 という三次元では表現できなくなっています。
そこに 『 時間 』 という要素が加わって四次元に存在している様に感じられました。
言い続けていることですが、
『 建築は四次元で発想しないと、本当に完成度の高いものにならない! 』
改めてそう感じました。