10月例会だったが、ここのところ座学続き。
5度圏サイクルを、もう少し深掘りした話、また、原曲、或いは、譜面キーとハープ・キーの関係、長調と短調の関係、ボランティア演奏での、ハープ・キーの考え方等々。
音出しをしないのは、大変に不味いと思いつゝも、毎回、疑問点が出るので、どうしても先月からの続きとなってしまう。
疑問点の発端は、福祉施設へのボランティア出前演奏で、入居者の皆さんが歌う曲に合わせて、我々テン・ホールズで吹く毎月行事。 もうかれこれ2年以上を続けて来ており、乗り出し時は、皆さんに選んで頂いた曲に合わせて吹くことでした。
最近は、メンバーのT野さんが、予め施設備え付けの歌集から選曲してくれた10曲程を、こちらからの提案で吹いて、併せて、歌って貰うパターンに変化。 歌集は、童謡・唱歌・戦前戦中戦後の歌謡曲が中心で、入居者の方々は勿論、我々世代なら誰でも口ずさめる全2冊で、約200曲程が収められている。 文化庁編「日本の歌100選」と重なる名曲。 そんなことで、こちらから、曲を指定しても気持ち良く歌って頂けて、何ら問題なく、寧ろ、こちらのメンバーも予め準備、練習が可能、という都合の良さがある。
短調の曲が、結構多いので、CやAをメインにした手持ち長調ハープ+Amとの組み合わせでの対応は、なかなか難しいところがある。 カントリーチューニングやメロディーメーカーの話題には、ピンと来ない感。 使う使わないは、別。 とは言っても、これぞ、ブルース・ハープの面白さの一つだと思っている。
基本的には暗譜で吹くことを教えられて来て、この約200曲も殆んど知っている歌ゆえ、「探り吹き」。 歌集にはないが、誰もが口ずさんだ歌謡曲で、「吹きたい曲」があれば、歌詞を準備していって、皆さんに歌って頂く、無論、当方は、気持ち良く吹かせて頂く次第。 最近は、ベンドが進化したので、まだまだ、だとは言え、可なり見極めが付けられる。 更に、磨きを掛け、音楽的色彩も加えられゝば、良い演奏に繋がって行くと感じているが、童謡・唱歌といえど、否、だからこそ自己練習で吹込み、地道な作業となろう。 只々、出向いた施設で吹ける、というだけの話ではない。 自在に吹けるところまで吹き込むとせば、他の機会に演奏を依頼されても、十分に聴いて頂ける演奏に繋がる筈だし、咄嗟の折に、1曲、2曲吹ける。 いつも、ポケットに、1・2本ハープを携えるのは、その為だ。 だからこそ、大切だ、と言われゝば否定はしない。 更に数多くの、魅力ある難易度の高い曲を仕上げたいと思えば、凡人には、それこそ1曲1年やそれ以上は優に掛かろう。 ジャンルや文化・国境を越えて、名曲は、無尽蔵で、比較的取組み易い日本の伝統的名曲だけに関わっている訳には行かない。 時間が足りなさ過ぎる。 終わりなんてないが、出来るだけ、高く、遠く迄、行きたいが、現在地は、海抜1~2mか。 また、振り返ってみれば、併せて、短調の曲を、如何にして長調ハープで吹くか、試行中で、先輩誰もが通った道をなぞっているのだろうなと思い巡らす。
遠回りをしているのだろうが、テン・ホールズにとって、この過程が、面白いと言えば面白く、楽しいと思っている。 このあたりは、自宅自己研鑚に励みたいところだが、貴重な月1回2時間の例会で練習時間を取りたいとの講師の意向があり、議論になった。 急がば回れ、理解出来るが、私の時間の使い方とは、やゝ違う。
また、折角の月1回のボランティアの機会ゆえ、普段、自分で取り組んでいる練習課題曲を、歌う皆さんに聴いて下さいと言って、1・2曲ご披露することも心掛けているが、こういった己の取り組む練習課題曲を月次例会に持ち込み、メンバー皆の練習曲として講師指導を仰ぐことは大歓迎。 その意味で、以前、「St. Louis Blues」等、定番曲何曲かお願いし、そちらの方向を目指したいと考えていたが、我々の技量に見切りをつけられたのだろうが、止まったまゝ月日が流れる、期せずして、やゝ趣を異にする話題が、今月例会の主要テーマになってしまった。 良~く分かる気もするが、「趣味の世界」で、議論をするつもりはない。 機会ある度に繰り返すので、鈍感になっているのか、逞しい想像力を期待したい。
改めて、多様な立ち位置や考え方に悩まされる破目になってしまったが、遥か長い「趣味」の道のり。 お互い判っている様で、理解し切れていないのは、残念至極だ。 「悠々として急げ」だ。