#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

「フィッシュマンズ」から「ゆらゆら帝国」へ

2006-09-06 | BOOKS&MOVIES



    偶然こぼれた 涙を見てしまった
    夕べ 見たくはなかった
    急に 言葉が 無力になってしまった
    流星ひとすじ 夜空に

    羽が生えた 人達は
    とうに飛び立ってしまった
    星になれた 綺麗な
    もう 触れはしないような
    だけど今も 側で 羽を磨いてるような
 
    急に心が 浮力を持ってしまった
    流星 ひとつ消えた

    羽があれば 彼女は
    とうに追いかけていただろう
    星になれた 綺麗な
    今日は見当たらないような
    だけど今も 側で 羽を磨いてるような

    「星になれた」 by 坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)


           ●


 「THE LONG SEASON REVUE」を観た。
  茂木欣一を中心にリユニオンしたフィッシュマンズのツアーを
  追ったドキュメントムービーである。

  …とは言っても、ライブ映像がふんだんに盛り込まれた
  疑似ライブみたいな構成だったのだが、
  そのパフォーマンスがとてつもなく、…神懸かっていた。

  茂木のドラミングが、柏原のベースラインが、
  山崎まさよしやハナレグミをはじめとしたヴォーカルが、
  見事に解き放たれたパフォーマンスだった。

  みんなが佐藤伸治のメロディを愛し、詩を愛し、
  その感謝の気持ちを素直に表現しているような
  そんなリスペクトのスタンスが基本にあった。

  茂木のドラムは、その最たるものだった。

  「LONG SEASON」の40分にも及ぶ熱演は、完全にトランス状態。
  …アルファ波、出まくりの心地よいドラミングで、
   スクリーンであることを忘れさせる演奏だった。


           ●  
     

  パフォーマンスの最後に、スペシャルゲストとして「こだま和文」が
  ステージに呼び込まれたとき、ボクは鳥肌がたった。

  「こだま和文」はもっとも敬愛するトランペッターだ。
  彼のバンド「MUTE BEAT」が引き金になって、ボクはトランペット始めている。
  そして、「フィッシュマンズ」は彼がプロデュースしたバンドである。

  ボクの音楽体験の源流は「こだま和文」だったのだ。

  「こだま和文」から「フィッシュマンズ」に至る系譜。
  そこから「Rocking Time」の今野英明や「リトルテンポ」のHAKASE-sunへつながる。
  ステージ上の「ハナレグミ」や「UA」ももちろん収斂されている。
  …そして「ゆらゆら帝国」の坂本慎太郎も。

  彼らは時代を読み取り、時代の空気を、音にし、言葉にし、カタチにした。


           ●


    純粋な目で見れるかい? お前が開けたドア
    夢中で好きになれるかい? 目の前のこの世界
    このうねりや このゆがみや
    このきしみが 好きだよ 熱くなる
    とにかく 君は開けた  
    目の前のドア

    (中略)
 
    未知なる海へ漕ぎ出そう
    流れに身を任せてみよう
    見た事ない国へ行こう
    居た事ない時を行こう
    空から街を見下ろそう
    斜めから空を見上げよう
    時には恋をしてみよう
    嫌な事も 含め全部

    (後略)

    「ドア」 by 坂本慎太郎

           ●

  同時代を生きる同時代のアーティストたち。
  佐藤伸治はすでに星になったが、
  だけど今でも 側で 羽を磨いている…。

           ●
  
    夕暮れ時を2人で走ってゆく
    風を呼んで 君を呼んで
    東京の街のスミからスミまで
    僕ら半分 夢の中 夢の中…

    「SEASON」 by 佐藤伸治
  
           ●

  音楽に生かされている…その事実を、
  映画から、ドカンと投げつけられた。
LONG SEASON REVUE

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