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沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【萩原遼】朝鮮戦争

2013-10-19 | BOOKS&MOVIES
前から朝鮮半島の存在は気になっていた。
大化の改新を繙くと、あの時代のニッポンと朝鮮半島は関係は濃厚である。
天智天皇が組んだ藤原鎌足は百済王子「豊璋」という説もある。

国政もままならない時に半島の戦争に首を突っ込んで大敗を帰しているのである。
藤原一族が渡来人であってもおかしくない。
ちなみに蘇我氏が半島からの渡来人であることは正史(国が定める歴史)でも説かれている。

ニッポンの歴史は半島との歴史でもあるのだ。

そんな隣国が1950年に起こした同族争いが「朝鮮戦争」…ということになっている。
おそらく日本史の授業でもあまり触れられることのない史実だし、
この頃のニッポンは講和条約だ、安保条約だと、主権回復に躍起だったので、
多くの国民は、振り返ることも為されない史実として忘却の彼方である。

しかし、拉致問題の発端がここにあり、
引いては南千島、竹島、尖閣諸島などの国境問題がここに凝縮されている。

38度線はどこまでも便宜的な境界線であった…という事実。
一方的に蜂起した北朝鮮も、ソビエトによって作られた傀儡政権であった…という事実。
さらにさらに、何にも増して驚かされるのが、アメリカの存在。

マッカーサー統帥は、北朝鮮・中国の領域に多数のスパイを送り込み(カネで自国民の裏切りを唆し)、
ソビエトの操る金日成の思考や動向を手に取るように把握していたにもかかわらず、
1950年6月26日の開戦まで知らぬ存ぜぬを通し、朝鮮半島を巨大な軍事マーケットへと誘導した。

つまり、アメリカという国は半島の民を皆殺しにしてまでも、
自国の国益_軍産複合体の利益というものを追求し、戦争を興すことで国が潤うカタチを、
「国際連合」つまり国際平和の維持という大義を傘に遂行した驚愕の事実である。

そして、もっとも糾弾されてしかるべきは、ソビエト連邦が北朝鮮を見放したこと。

もともと一介の兵士であったキム・ソンジュ少年を、半島に広く伝わる「金日成伝説」になぞらえ、
一国の主として金日成主席に祀り挙げながら、戦況が窮地に陥ったところでソンジュ少年を見切り、国際的に完全な孤立を強いた。

「朝鮮戦争」とは、このようにふたつの大国の思惑が半島に集結した第二次大戦の徒花だったのだけど、
それによって巻き込まれた国民の死者は300万人にものぼった。

これを読んで思い知らされるのは、政治に道義を持ち込むのは「お笑い種」だということ。
歴史を振り返る時にしばしば陥る改ざん問題は、この事実だけで失笑なのだ。

国は常に国益で動く。そこに道義は露程も存在しない。

そのことを後になって「正しかった」「間違っていた」と隠蔽すること事態が、
歴史から学ぶ…という姿勢を狂わせる。
必要なのは「道義」ではなく、「真実」である。

そのとき国はどのような判断により、コトを興したのか。
その「真実」を子細に眺めることが、人間社会を高みへと導く。

「謀略」「陰謀」「隠蔽」は付きもの…と、思考停止することが、もっとも悪である。





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