木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』観劇!
木ノ下歌舞伎10年の集大成。4度めとなる『四谷怪談』。
どうやらボクも四谷とは縁深い間柄のようで、四谷ネタで2度写真展をやっているのですが、
今回6時間という長丁場の舞台撮影に抜擢されました。
民谷伊右衛門が実は『忠臣蔵』の赤穂事件によって浪人と化した武士で、
転がり落ちるような殺人の連続は、元を正せば安定を失った元武士の、
それでも何かにしがみつこうと藻掻き、他者を切り捨て利己にひた走った結果であったかと。
もう、その姿がボクには戦後の“日本”そのものにしか見えなくて。
近視眼的に解釈を変え、その場しのぎの法を制定し、欺瞞に欺瞞を重ねてきたこの国の、
安定を失ったゆえに、何かにしがみつこうと藻掻いている姿、そのものだな…と。
伊右衛門の心中がざわめくと、会場全体に戦闘機の横切る音が轟く演出。
お岩さんが自身の顔を歪められた…と気づく時には、オスプレイと紛うプロベラの爆音が…。
演出家の真意はわからないけど、ボクには全篇、沖縄「米軍基地」の忌まわしさがありました。
筋を通して生きる「お袖」さんの最期の自害は、
この国で信念持って生きることの困難さを象徴しているようで、
なんともやり切れない。
ウソをウソで塗り固め、為政者の保身が名誉が、国の目的にすり替わるような、
欺瞞づくしの戦後ニッポンの、その姿が伊右衛門そのもののようで、
舞台は最期、与茂七の手で抹殺されますが、この国の未来はどうなるのでしょ?
今すぐ向き合わなければ、背骨の歪んだ人間ばかり生まれる気がしてます。
明日まで。
木ノ下歌舞伎10年の集大成。4度めとなる『四谷怪談』。
どうやらボクも四谷とは縁深い間柄のようで、四谷ネタで2度写真展をやっているのですが、
今回6時間という長丁場の舞台撮影に抜擢されました。
民谷伊右衛門が実は『忠臣蔵』の赤穂事件によって浪人と化した武士で、
転がり落ちるような殺人の連続は、元を正せば安定を失った元武士の、
それでも何かにしがみつこうと藻掻き、他者を切り捨て利己にひた走った結果であったかと。
もう、その姿がボクには戦後の“日本”そのものにしか見えなくて。
近視眼的に解釈を変え、その場しのぎの法を制定し、欺瞞に欺瞞を重ねてきたこの国の、
安定を失ったゆえに、何かにしがみつこうと藻掻いている姿、そのものだな…と。
伊右衛門の心中がざわめくと、会場全体に戦闘機の横切る音が轟く演出。
お岩さんが自身の顔を歪められた…と気づく時には、オスプレイと紛うプロベラの爆音が…。
演出家の真意はわからないけど、ボクには全篇、沖縄「米軍基地」の忌まわしさがありました。
筋を通して生きる「お袖」さんの最期の自害は、
この国で信念持って生きることの困難さを象徴しているようで、
なんともやり切れない。
ウソをウソで塗り固め、為政者の保身が名誉が、国の目的にすり替わるような、
欺瞞づくしの戦後ニッポンの、その姿が伊右衛門そのもののようで、
舞台は最期、与茂七の手で抹殺されますが、この国の未来はどうなるのでしょ?
今すぐ向き合わなければ、背骨の歪んだ人間ばかり生まれる気がしてます。
明日まで。