2019年を一文字で表す恒例の書き初め、動物シリーズ今年は『貘』。
沖縄の今後を憂いて1963年に59歳で亡くなった詩人、
山之口貘さんの意思を継いで。
おねすとじよんだの
みさいるだのが
そこに寄って
宙に口を向けているのだ
極東に不安のつづいている限りを
そうしているのだ
とその飼い主は云うのだが
島はそれでどこもかしこも
金網の塀で区切られているのだ
人は鼻づらを金網にこすり
右に避けては
左に避け
金網に沿うて行っては
金網に沿って帰るのだ
晩年、占領下の古里に降り立っての詩。
あれから半世紀。
沖縄は良くなるどころか、益々辛酸を浴びせられている。
この歪みが、この国の歪みであり、
人間社会の不誠実を膿む元凶となっている。
そこに向き合わずして、ボクの人生は有り得ないわ。
#photobybozzo