防人の詩/さだまさし
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に限りがあるのならば
海は死にますか?
山は死にますか?
風はどうですか?
空もそうですか?
おしえてください
わたしは時折 苦しみについて考えます
誰もが等しく 抱いた哀しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく哀しみと
病いの苦しみと 死に逝く哀しみと
今の自分と
こたえてください
この世のありとあらゆるものの
すべての命に 約束があるのなら
春は死にますか?
秋は死にますか?
夏が去るように
冬が来るように
みんな逝くのですか?
わずかな生命の きらめきを信じていいですか?
言葉で見えない 望みといったものを
去る人があれば
来る人もあって
欠けてゆく月も
やがて満ちてくる
なりわいの中で
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に 限りがあるのならば
海は死にますか?
山は死にますか?
春は死にますか?
秋は死にますか?
愛は死にますか?
心は死にますか?
わたしの大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか?
海は死にますか?
山は死にますか?
春は死にますか?
秋は死にますか?
愛は死にますか?
心は死にますか?
わたしの大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか?
●
いつのころからか、死が隠蔽されているように思う。
死を無きものとして、今を生きる風潮。
1974年には、こういった歌が
ふつうにラジオから流れていたのだろう。
それだけ死は身近なものだったし、
生きることにも精一杯な時代だった。
2012年。
この歌から38年。
死は忌むべきものとして避けられ、
思考からも外された結果、
人間の営みの振幅もさもしいモノとなってしまったように思う。
今こそ、死を復権させるべき時。
死についての思いを巡らすことで、
生命のきらめきが甦るのだ。
MEMENTO MORI
死を想え
己の死から今をみつめる。
いずれ来る死から今を照射する。
そうすれば為すべきことも
見えてくるというもの。
歌にもあるように
欠けてゆく月も
やがて満ちてくる。
生と死はコインの表と裏。
死から生のエッジが際立つ。
大切なのは、漠然と死を考えるのではなく、
己の死を見つめることだと、思う。
●
05/13はChet Bakerと日野元彦さんの命日。
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に限りがあるのならば
海は死にますか?
山は死にますか?
風はどうですか?
空もそうですか?
おしえてください
わたしは時折 苦しみについて考えます
誰もが等しく 抱いた哀しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく哀しみと
病いの苦しみと 死に逝く哀しみと
今の自分と
こたえてください
この世のありとあらゆるものの
すべての命に 約束があるのなら
春は死にますか?
秋は死にますか?
夏が去るように
冬が来るように
みんな逝くのですか?
わずかな生命の きらめきを信じていいですか?
言葉で見えない 望みといったものを
去る人があれば
来る人もあって
欠けてゆく月も
やがて満ちてくる
なりわいの中で
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に 限りがあるのならば
海は死にますか?
山は死にますか?
春は死にますか?
秋は死にますか?
愛は死にますか?
心は死にますか?
わたしの大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか?
海は死にますか?
山は死にますか?
春は死にますか?
秋は死にますか?
愛は死にますか?
心は死にますか?
わたしの大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか?
●
いつのころからか、死が隠蔽されているように思う。
死を無きものとして、今を生きる風潮。
1974年には、こういった歌が
ふつうにラジオから流れていたのだろう。
それだけ死は身近なものだったし、
生きることにも精一杯な時代だった。
2012年。
この歌から38年。
死は忌むべきものとして避けられ、
思考からも外された結果、
人間の営みの振幅もさもしいモノとなってしまったように思う。
今こそ、死を復権させるべき時。
死についての思いを巡らすことで、
生命のきらめきが甦るのだ。
MEMENTO MORI
死を想え
己の死から今をみつめる。
いずれ来る死から今を照射する。
そうすれば為すべきことも
見えてくるというもの。
歌にもあるように
欠けてゆく月も
やがて満ちてくる。
生と死はコインの表と裏。
死から生のエッジが際立つ。
大切なのは、漠然と死を考えるのではなく、
己の死を見つめることだと、思う。
●
05/13はChet Bakerと日野元彦さんの命日。