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#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【dec_13】内田周作

2011-12-14 | ART
KPT旗揚げ公演「かたつむり」のゲネ撮影。
脚本・演出は安井ひろみさん。

昭和初期の財産家の邸宅を舞台に、繰り広げられる人間模様。
世の中に男と女がいる限り、愛と憎しみの駆け引きは終わらない…と
思わせる暗澹とした内容。

女性がターゲットなだけに、
あらゆる種類の自己愛が劇中に詰まってます。

先週の朝日新聞be「悩みのるつぼ」で
上野千鶴子さんが書いてましたけど、自己愛=自己利益で社会は動いている…と。

原発事故以後、放射能汚染の問題に躍起になるのも
畢竟、自分かわいさで被害を被りたくないから。

アメリカが海兵隊グアム移転の問題で
国家予算を計上しないのも、
結局のところ、沖縄基地問題でニッポンを苦しめたいため。
そんな振る舞いも自己愛=自己利益の顕れ。

そう考えると、世の中自己愛が蠢いていて
どろどろの拘泥活劇が日常茶飯事なんです。

新聞や週刊誌に踊る見出しは
そんな自己愛=自己利益の詭弁を
はやし立てているかのごとく。

人間の浅ましさは筋金入りです。

だからこそ、厭きずに日常を過ごせるのかもしれません。

今回、カメラを手に舞台上の表情を追いかけてみて、
役者たちがなぜこうも演じることに悦びを見いだしているのか
わかったような気がします。

演じることで、人間の浅ましさが身近になる。
感情の機微を再現することで、人間がいとおしくなる。
自己愛=自己利益に翻弄される人間が、ちっぽけでくだらない存在だと
深く理解しながらも、そこがまた可愛いと思える。

もっともっと洞察力を高めて
人間の業に触れていきたいと思った舞台でした。