Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【てつどう】藤沢駅のホームにある電車型KIOSK

2010-08-27 | てつどう。
先日所用があって藤沢に行った時、
東海道線の上りホームに鎮座している「あるもの」が目に留まりました。


それがこれ。。。









80系のクハ86を模したKIOSK(駅売店)。


クハ86をかたどった売店が前々からあったことは知っていましたが、
それが藤沢駅だったことは忘れていたので、見つけてびっくりしました。
ぱっと見た目80系というだけで、再現性は低いのは確かで出来はそれなりですが、
こういうものを作ろうという気概がいいね!





ちなみに番号は国鉄フォントで「クハ86 023」になってます。
わざわざ国鉄フォントにしてあるあたりが憎いですし、この「86023」も、
それなりに意味のある番号なんで、ニヤニヤしてしまいました。



80系電車は、1950(昭和25年)、
それまでの「電車は近距離の通勤用、長距離列車は客車(機関車が引っ張る列車)」という概念を覆した、
いわゆる「湘南電車」。

長距離でも電車が使用できる、といった運用方法を実現したこの80系の存在なくして、
ほとんどの旅客輸送を電車で行っている現在日本の鉄道の姿=「電車王国」
があるといっても過言ではありません。

つまり、80系で成功した「長距離運用できる電車」の概念は、
その後の東海道新幹線の登場にも影響したのです。
新幹線は世界でも当時では類を見ない「電車による高速列車」でした。
欧州をはじめとした鉄道大国でさえ、長距離・高速列車は、(いまなお基本的に)機関車+客車の方式だったのです。
ちなみに、TGVでさえ厳密には電車ではなく、「両端に機関車を配置した客車列車」です。



80系はその運用だけにとどまらず、鮮やかな「2トーンカラー」で出たことも凄かった。
それまで茶色1色だけだった電車を見慣れていた人々には、相当なインパクトがあったでしょうね。
そしてもう1点忘れてはいけないのが、「湘南顔」と言われる、この鼻筋の通った2枚窓のデザイン。
ゆるやかに真ん中に落ちる塗り分け「金太郎塗り」とともに、当時の鉄道デザインで大流行したのでした。


80系の先頭車(クハ86)は当初半流と呼ばれた丸い顔に類じたものだったのですが、
この「湘南顔」になったのがこの「86023(クハ86の23番目)」以降だったからなのですね。
さきほど「86023」には意味がある、と書きましたが、そういうことなのです。
まあ、それが根拠でこのナンバーがこの売店に振られているのかは謎ですが(^^;



>>80系が最後飯田線を去った1983年頃には間に合わず(小学生だったので自由に旅行が出来なかった)、
リアルな体験は実際にはありません。
東海道線の東京口からの撤退、山陽線広島界隈からの撤退も昭和50年代初頭でしたし。
乗りたかったです。

>>その山陽線で使っていた80系が、昭和60年くらいまで山陽線の柳井駅構内に留置されていた事実を知って、
見に行こうとしたら寸前に撤去されてしまっていました。
その80系が、大阪の交通科学館に保存されたことを知ったのは、その後のことでした。

>>皮肉にも、大阪のクハ86は初期車で湘南顔ではないのです。
なので、この「藤沢駅のレプリカ風」が、80系湘南型電車を伝える存在になっています。
ちなみにレプリカといえば、ある病院の院長が本物のクハ86の設計図使って敷地内に
クハ86を作られていたそうです(現在解体済み→見に行けば良かった!)。
てことはますますこの藤沢駅の「レプリカ風」が貴重なことに(汗
コメント (5)
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