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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【セダン蒐集癖】Vol.178 最後の「最善か無か」? メルセデスベンツ初代Cクラス(W202)

2009-06-04 | セダン蒐集癖。



178回も続けていますが、世に4ドアサルーンのいかに多いことか、
Cクラスがやっと登場です。


個人的には非常に思い入れのある1台で、この色、この仕様
(ホイルキャップ、前期型、黒モール...たぶんC200)は
まさに「ドンピシャ」なのです。


というのも、長いつきあいの友人猫澤君の実家の車がこれだった時期があって、
ちょうどその頃僕らの中にはGTブームが巻き起こっていたこともあり
このCクラスで結構遠くまで出かけました。



そして、この車が僕らに残した印象は、強烈なものでした。
「メルセデスに乗ってはいけない...終点が見えてしまう」
「これ以上良い車ってあるか?これでいいじゃないか!」
と、そう思わせるほどだったのです。


上で感じたような話、「メルセデスは自動車趣味の終点だ」なんてことは、
昔から良く言われてきました。
でもそれは確かだな、と知りました。

それまでにもメルセデスに触れたことがなかったわけではないのですが、
常日頃仏車と暮らしていた自分には、いろいろ衝撃でした。

仏車の柔らかさとは正反対の「剛」(しかも圧倒的な)、
でも実際は、実にしなやかに走る。
岩のようなボディ(ルノー5に乗っていたので、そのギャップにそう思った)、
カッチリした内装のつくりと確実なスイッチのタッチ。
高品質と言うものはこういうことを言うのだな、
と知らしめる、フリクションの無い操作系。
高い質のパーツが重なって生み出す、カメラのライカや
BMWのバイクにも通じる
「すごく、いいもの」感(そのころライカを触ったことは無かったですが)。
とにかく、剛の中にあるしなやかさが、素晴らしい。


そして、驚くべき「GT性能(無疲労性能)」。
運転中の、絶対的な安心感。
小回りは効くし、ボディサイズは極めて適度。
燃費も良く、車内も大人4人の移動に十分耐え、
トランクはFRなのにかなりの荷物を呑みこむ。
実用車の究極の姿に思えました。



一度、この車を運転していたときにものすごい雨に名神高速で会った。
そして人生で生まれて初めて、ハイドロプレーニングを体験した。
でも、何の問題もなく、ieの操舵でその状況を乗り切った。
それがこのCだったから回避できたのかどうかはわからない。
でも、そのこともまた、僕にメルセデス宇宙一(@清水和夫)という印象を
強烈に刻みつけたのでした。




>>最後の「最善か無か」という思想があてはまるメルセデスはどれか?
という話は、議論の内容になりがちです。
でもie的には、このW202も、十分その資格がある一台だと思います。
コメント (11)
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