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BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

荒野へ

2009-02-12 23:08:01 | 読書感想文
昨日読み終わりました。
依然観た「イントゥ・ザ・ワイルド」という映画の原作・ノン・フィクションです。
面白かった。
映画とはまた違った雰囲気で味わえました。
主人公の青年は何不自由なく裕福な家庭で育って青年。
それが大学を卒業して突如荒野へと旅に出る。
ヒッチハイクであちこちを転々とし、時に働いたりキャンプをしたり、それは俗世間とは切り離した世界への生活であり、自由な旅である。
いろいろな人との出会いがあり、そして最後に少年は厳しい自然に自分の身をさらし、数ヶ月その土地の与えてくれたものだけを食べて過ごすという挑戦(アラスカ)を目指す。
しかし不幸な偶然によりあっけなく死んでしまう。
なぜ彼は荒野を目指したのか?
優秀な成績で大学を終え、将来でさえも有望視されてたのに。
けして馬鹿ではなく、賢く好感を持てる少年であったとこの本の中では書かれている。
登山家でもある作者は綿密な調査を元に、少年とかかわりのあった人々を取材し、自分の経験をも照らし合わせてこの本を書き上げた。
すごく読み応えがあるし、少年のことを英雄視するでもなく、バカにするでもなく、公平な目で真実を突き止めようとしてます。
アレックスはなぜ、荒野に惹かれたのか?
複雑な家庭環境や彼の育った生い立ち、もって生まれた精神と。
両親、特に父親に対する反感だけで、荒野を目指したわけではないが、それでもやはりそれもいいきっかけになったと思う。
親の影響は絶大だなぁと思った。
彼は不幸な過ちによって亡くなってしまったけど、自由に好きなことをして、それはそれで幸せだったと思った。
そしてやはり自然は怖いものだなぁと思った。
私はこんな風に荒野で一人で生きていくのは絶対できないだろうけど、自然とともに生きようとする姿勢は共感できる気がする。
映画でも描かれてたけど、カリフォルニアからメキシコ湾などへのクリークをカヌーにより縦断するシーンなどは、映画で細かく描かれてない描写もあり、小説でしか味わえない面白さがありました。
映画とはまた別物としても楽しめるし、一緒に観たらなお面白いです。

○荒野へ ジョン・クラカワー 集英社文庫