BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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ハリーポッター最終巻 感想

2008-08-21 22:05:12 | 読書感想文
さて、ハリーポッターの最終巻について語ろうと思うのだが、いかんせんストーリーが壮大すぎてうまく言えない。
最終巻はこれまでの6巻すべての謎が解けるだけあって、読み応えもあり、かなり重い展開になってしまった。しかし5巻のときのようなくらい重苦しさではなく、どちらかといえば痛快でかなり面白かった。
しかし内容のあまりの濃さに1章1章ゆっくりと味わって読んでいたので、思った以上に時間がかかってしまった。結局読み終わるまでに3週間ぐらいかかったかな?

さて、最終巻。
宿敵ヴォルデモート対生き残った男の子ハリーとの決戦に向けて、すべてはその瞬間に向かって流れていくストーリー。
6巻でスネイプに殺されたダンブルドアの意思を継ぐために、ヴォルデモートの一部である分霊箱探しに、親友ロンとハーマイオニーを連れて旅に出る。
私の大好きなホグワーツがまったく出てこない。
森で海辺でヒースの咲く荒地で、人目を避けて次々と姿くらましで移動しながらキャンプ生活をする3人。こんな展開になるなんて。
なにより食べ物の調達、はかどらない分霊箱探しに、3人の気持ちもあせりイライラしてきて、ついにロンとハリーがケンカに。ハリーに味方したハーマイのニーに「君はハリーを選んだんだ」って立ち去るロン。
おい!あまりにも大人気ないだろうそれは。。。と思ったわ。ま、そういうねたみ、嫉妬、やっかみが多いのがロンのある意味人間臭いいいところなんだろうけど、ロンを好きなハーマイオニーからしたら、そりゃねーだろう?!って感じ。
かわいそうにそのあとハリーの目を避けるように夜な夜な隠れて泣き続けるハーマイオニーが可哀想過ぎる。

しかもハリーはハリーで、ヴォルデモートとの戦いにジニーを巻き込みたくないばかりにつらい別れと決心をしたのに、ちょっといや、とにかくハリーってかわいそう!って思ったわ。
結果的に自分が死ななければ(なぜなら自分もヴォルデモートの一部だと知ってしまったから)ヴォルデモートを倒せないと知ってしまったハリーのなんと悲惨なこと。それなのに、みなを守るために戦いを終わらせるために、死ぬつもりでヴォルデモートの元に一人で向かっていったハリーのその孤独感、絶望感を思えば、ほんとにこの子は勇気のある少年だと思わずにはいられない。

あと今回かなりたくさんの愛すべきキャラクターが死んだ。
これはかなり衝撃的。
児童書でこうもバタバタ殺していいんでしょうか?
うん、戦争とは結局何でもないいつも隣にいる人が急に死んでしまうものだよなぁと思わずにはいられないわ。

まず、ヘドウィック。1巻から変わらずハリーと共にバーノンおじさんの家で一緒にいた白フクロウ。ハリーにとってつらい夏休みを唯一癒してあげられる、ホグワーツを、魔法をつなぎ止めてくれる存在だったのに。そして大好きだったのに、死食い人に殺された。

フレッド!!
ロンの双子のお兄さんのうちの片割れ。彼が死んでしまったらウィーズリー・ウィザードのお店はジョージ一人でやるの??悲しすぎ!これが一番悲しかった。
映画でも小説でもいつも笑いをもたらせてくれたハリポタのランプのような存在だったのに。

リーマス&トンクス(&ピーター)
ハリーのお父さんの仲間が二人までも死んでしまった。シリウスもハリーの両親も死んだから親世代は全滅してしまった。結婚して子供ができたばかりなのに、妻であるトンクスまでも一緒に死んでしまうなんて悲しすぎる。子供はハリーと一緒の境遇でしょ。

ドビー
2作目「秘密の部屋」から主演してるから、かなり長いキャラクター。けっこう好きなんだけど、、、まさかこうもあっさり殺されるとは。かわいそう。ドビーのお墓を作るシーン、貝殻の家のそばにあるドビーのお墓は少し寂しくて、もうちょっと活躍させてあげたかったのに。

そして今回はダンブルドアの過去が次々明かされる。ヴォルデモートを恐れず唯一対等に、いやそれ以上に対峙できる偉大な魔法使いであったけど、その過去はといえばとても意外なものでした。そしてスネイプの過去と真の正体が明かされていくにしたがってわかる、ダンブルドアの本性。正直ちょっとショックだったし、びっくりしたけど、完全無欠の清廉潔白人間なんてそうはいないし、ダンブルドアの始めからのハリーに対する接し方もちょっと納得がいった。良くも悪くも謎が多すぎて手の内をまったく明かさない人でしたし。それでもハリーの前で見せたあのダンブルドアの涙はすごく印象的。誰にでも過ちはあるし、若いときはあるし、それを抜きにしてもやはり彼は立派な魔法使いだったと思う。

そして、スネイプですね。この人無くしてハリポタ7巻はありえない。
彼に比べれば宿敵ヴォルデモートもなんと影が薄くなってしまったか。正直ラストのハリーとの対決シーンもすべて・・・全然怖くなかった。ただ彼とスネイプのやり取りはかなりハラハラした。まさかあんなに簡単に殺されてしまうなんて。
スネイプの真の姿は、ハリーをリリーの血を受け継ぐその息子を守るために、すべてを捨ててその生涯を愛することにささげた男の姿でした。
これは感動した。なんとなくダンブルドアがスネイプを信用しているという表現がちょくちょく出てきてたので、たぶん味方だろうとは思ってたが、ハリーに対する仕打ちすべてがわざと嫌われるための演技だったとは。そしてスネイプのリリーに配する愛と言うより一種の忠義のような盲目的な思いの深さに打たれたわ。
だってどう見てもリリーはスネイプのことを好きではなかったし、友達として接してはくれたけど、いつも非難をしてたし、挙句の果てにスネイプをいじめていたジェームズと結婚して、ヴォルデモートに殺されてしまうし。ただ一度もスネイプには愛を返したことはなかったから。それでもスネイプはもはや純血、マグル、ヴォルデモート、、、などすべてどうでもいいくらいリリーが中心に回ってたんだなぁと、、、最後の最後でハリーに言う「私を見て・・・」の台詞がとっても悲しい。
そしてスネイプの守護霊がハリーと同じ鹿だったこと。あの銀色の美しい女鹿がスネイプの守護霊と聞いて、(ってきりジニーかと思ってたので)意外でもあったし、なるほどJKローリングという人はやっぱりすごいなぁと思わずにはいられなかった。
今訳者も言ってあるとおり、彼にたくさんの拍手を送りたい。

さて、最後にまたハリーとロンとハーマイオニーの話。
この3人がやっぱり一番好きです。
7巻通して思うけど、今回はいつもにましてお互いが濃密に時を過ごしたし、チームワークがいい。ハリーがどれだけ二人を信用してるか、そして二人がどれだけはリーを思いやってるか、すごく伝わってきた。だからこそ、一度ロンがいなくなり再び帰ってきたときすごくうれしくて、ハリーの気持ちが良くわかった。3人居ればそれだけで力が出るんだなぁと。
でもなんといっても一番は、ハーマイオニーがハリーの居る前で自分からロンに熱烈なキスをするなんて、、、すごいびっくりでした。

ほんとに7巻はいくらでも語れるわ。
印象的なシーンはといえば、いつも子供たちを心配してるモーリーおばさんが、ベラトリクスと対決し、魔法でやっつけてしまうこと!すんげーかっこよかった。
ほんとにこのシーンが一番良かった!

ついに原作も終わりちょっと寂しいなぁと思ったりして。最後の章は17年後の大人になったハリーたちの場面。マルフォイがなかなか良い人間になっててうれしかったり、ハリーの子供が両親の名前とダンブルドアの名前だったりと、素敵な終わり方でした。次は映画の世界でハリー達に会えることを楽しみにしてます。