My violin & My life/ Life is a Bumpy road

スタートラインはいつもそこにある!
Life is Impermanent.

「官僚たちの夏」

2009年09月21日 | 観たこと聴いたこと
先週から何冊か本を読みました。
「官僚たちの夏」
最近TBSでドラマ化されたせいか図書館で書籍紹介がされていて、なんとなくリクエストしたら早くも順番が回ってきました。(ドラマは7月からやっていたようで、昨日が最終回だったらしい。)感じたことをそのまま書きますと、、、

主人公の風越信吾は、出世コースを行く官僚。人材の発掘に対する勘が鋭くその上計画性に富み頭脳明晰、加えて計算も綿密ながら、少しどんぶり勘定的な「表現」をするひとです。。それが少しユーモラスで、クスッ。
彼は部下からの人望が厚かった。彼は、人材発掘とその起用には優れていたが、その人材を、会話の中で「育てる」と言っておきながらも、それができなかったのです。結果、小説は「無念」の結末で終ります。

彼が重きを置く人材の条件は、いわば「全力投球する人」です。
当時の昭和の男は、このスタンスで敗戦後の日本を立て直してきたように思います。そしてそのころからの、「全力投球」のリスクを、この小説はそれとなく匂わせています。

舞台は霞が関、官僚の話ですが、この時代の職業に対する理想のスタンスが、将来的に終わりを告げる予兆、、、を感じさせます。そんなふうに感じるのは、私がその時代を生きた人を、この小説の人たちから見れば近未来人として眺めるからだ…と思います。
時代の渦中にあり、何とかして理想的な方向へ事を進めるべきであると苦心惨憺する姿には、新しい流れを受け入れる余裕はない。そんなことを考えさせられました。
いろいろ考えさせられましたが、
そのことを書くと駄文が長くなるので、ひとまずこれにて。^^;

    













はい、うんざりされることを覚悟の方のみどーぞ。↓たいしたこと書いてませんケド、、、

         



      

        

昭和30年代のお話です。
この時期の日本経済は停滞中で、国際収支の赤字の後の合理化で金融引き締めによるデフレ政策、輸出ドライブをかけて黒字にしたということですが、
その後世界経済が好景気になり、輸出も順調になる、、、(そういえば、中学の教科書にあったような気がするわ。全く興味なかった私。^^;)
そんな時代。自由経済を謳歌し始めてはいるが、まだまだ外国を相手にするには日本の力が弱い。
そこで主人公は当時の通産省(現経済産業省)官僚の立場から考える!日本経済を強くするには官民協調路線を行くべきだと。
でも、これは後々、自由経済を推進しようとする側からの反発を呼んでしまいます。
具体的には、
「産業振興法」という法案を作成し、それを国会に提出するべく奔走する姿約一年半の動き」が主に描かれています。
そしてそれは主人公の「理想路線の人事」に焦点が当てられています。これがさまざまな人間を浮きぼりにしていきます。

結果としてその法案は、銀行業界と対立し、圧力がかかります。昭和38年、通常国会に提出するまでこぎけつるも、独占禁止法緩和・大企業擁護ではないかと反対され、マスコミもそれを大いに書きたて、その流れの中を突き進むことはできず法案は廃案となりました。

……一年半かけての法案作成と、各界の協力を得るため奔走した時間を、主人公は無念の思いで振り返ります。
彼が求める一番の理想の人材は、「全力で事にあたる、気持ちのいい生一本の江戸っ子」でした。
年功序列の、風通しの悪い役所の中でどんどん自分のやり方を通して行く彼のバイタリティと曇りのないシンプルな視点は、官僚と政治家、出世、様々な思惑、の流れに対して爽やかに抗っています。主人公のワンマンとも見える行動に泥臭さも感じますが、その性格のあっさりとした部分からくる人望の厚さには心地よさもあります。私としては、ですけどね。

それぞれの人間の描き方や、省内の出世レースの描写が「浅すぎる」という評もありますが、私には、この程度でいいと思いました。いちいちをそれほどに深く掘り下げたものであれば、大河小説になってしまいますよー、それだと耐えられない私です。たとえ総花的でもいいわ。
私は作者の思いは台詞の展開で、十分意を尽くしているのではないかなと思っています。
特に私のようなそれほど時代背景をつぶさに理解してはいない者にとっては、かえって細かなドロドロを描かれると理解に苦しみうんざりするかも。
官僚で登場人物に描かれているような人物、そんな人には会ったことがない!と反発する向きもありますが、それだとルポルタージュでしょ、、、フィクションなんだもん、、、主人公は理想を追うのよ。と、私、作者の肩を持って見た?^^;
まあ、それぞれにいろいろな見方があっていいと思いますので、つまらなかった~と、思う人はそれでいいと思います。この本は現代の読み手によっては感想が大いにに分かれるのではないかな。

私は・・・どうだろう。おもしろかったぁ!とは言い難いけど。(笑)
そもそもその法案が通さねばならなかったすごいものなのか、それが通っていたら日本のその後にどれだけの変化があったのかが、あまり想像できないので、そのあたりは???でした。(スミマセン)
なので登場人物の行動の仕方を中心に読んで行きました。
そこから作者の人間観や理想が垣間見られたように思いました。この時代に、風越のような主人公を登場させたことはとても斬新なことだと思いましたが、なんとそのモデルとなった人物がいたそうです。実在した、その名も「ミスター通産省」
その辺のことは興味もありますが詳しく調べると長くなりそうなのでやめておきます。(T_T)/~~~(頭が疲れた!)

しかしどうも書き足りない。(なんで?自問自答。まとまりのないあらすじを一応書いたせいで疲れた。どこからか拝借したかったけど、なんだか立派で素晴らしくて硬くて、私らしくもないということで…)

>自由化を迫られた池田内閣時代(1960年代)に、日本経済の国際競争力を何とか早くつけようと腐心する通産官僚たちの動きを、“ミスター・通産省”と呼ばれた佐橋滋をモデルにして描いたもの。登場人物のほとんども実在します。
アマゾンの本の紹介文から。結局これ書くだけでよかったんじゃないのっ。(T_T)


あと4冊書く元気がなくなりました。

あとで書こうと思います。(書かなくてもいいようなもんだけど。頭のなかがぐるぐる。)

ほかのはこれ。
「メディアに心を蝕まれる子どもたち 」有田 芳生  (角川SSC新書) 発売日: 2008/03
「14歳の心理学」 香山 リカ  中経出版 (2006/9/1)
「アラフォーママのニューヨーク1000日間―仕事探しから子育てまで、女子アナママの奮戦記 」八代 華代子  ノースランド出版 (2009/03)
「香山リカの生きる力をつける処方箋―「そのままの私」で生きていけばいい 」香山 リカ  海竜社 (2000/11)










コメント (2)
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