地方の三文小説家「東義久」の独白

東義久のブログです。

高林陽一監督とのおしゃべりの時間

2009-10-06 00:00:00 | 文学の部屋
最近、ぼくには楽しみにしている時間がある。
それは映画監督の高林陽一氏との会話である。
祇園のとある場所でおちあってとりとめない話は始まる。
監督がたまたま以前に関西文学に掲載したぼくの「夜が明けたら」を読み、映画化したいといい出されたのが始まり。

高林監督はぼくよりも高齢であるが、映画に関してはおもしろいし、純粋なかたである。
彼の作品には篠田三郎主演の「金閣寺」や角川作品の「蔵の中」、「べんがら格子」、「雪華葬刺し」、「魂遊び ほうこう」、「すばらしい蒸気機関車」、「本陣殺人事件」などがあり、ぼくは「蔵の中」や「雪華葬刺し」などの耽美的で官能的な作品が好きだ。

受賞歴も多く、その割には巨匠ぶるところもなく、かえってぼくが失礼を省みず偉そうにいっても、笑って聞いていただいている。
最近、文学談義をする機会も少なくなって来ていたが、監督とは静かで熱い話に盛り上がっている。

配役は誰がいいかとか、脚本化するために作者はどんな意図で書いたのかとか、女性観とか、その日によって、話題は変わるが、それにしても映画に対する情熱は未だ冷めずというふうで、ぼくの方が、もっと書きなさい、と励まされる始末だ。

映画になれば、それも高林監督の手によって映画化されれば、と考えると、心が躍る。
そんな濃密な時の流れのなかで、祇園の夜は更けて行く。


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